BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――新兵器!

 

 

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 ドリーム会見での松井繁の一言。

「鳴門の印象? 特に変わってないですよ。我々のほうの施設はまったく変わっていないので、印象は一緒ですよ」

 松井は鳴門周年を走っていて、スタンドが変わっても水面の印象に変化はない、という。そして、さよう、実はピットに関しては新装されていない。大村はスタンドリニューアルと同時にピットや整備場等もリニューアルされたが、鳴門はピットはそのままなのだ。王者は「まったく」と言ったが、蛍光灯が増えて装着場が明るくなるなど、微妙な変化はあるにはある。まあ、それは些細な変化であって、全体的には以前と変わらないピット。見慣れた、というほど鳴門取材をした回数は多くはないが、すんなりと前の取材を思い出したし、たしかに印象に変化はまったくない。

 

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 しかぁしっ! 実はひとつだけ、大きな変化があるのである! それがこのモニターだ!

 これは何のモニターかというと、スリット写真が映し出されるもの。ピットに貼り出されるスリット写真はもちろん紙焼きになったものが一般的だが、これはいわばその電子化されたものであり、スリット写真のデータをサーバーにアップして、このモニターに映し出されることになる。これはスタート練習用のもので、1班から順にサムネイル化されて映し出される。手元にあるタブレットにも同じサムネイルがあり、お目当ての写真をタップすると画面いっぱいに7秒間アップになるという機能も。この右側にもモニターがあって、そちらはスタート展示&本番用。今日は前検なのでスタート練習用だけが稼働していたが、明日からは右にあるモニターも使用されるわけだ。ちなみに、このシステムは鳴門が初導入! 選手からいろいろと意見も出ているそうで、それらを反映しながら、今後は全国に広まっていくものと思われる。

 

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 開発元の方の説明を聞いていると、西村拓也がやってきて、このモニターを覗き込んだ。興味深そうに眺めつつ、僕が9班の1回目の写真をアップにすると、ニシタクは「おぉ、すげえ!」と感激。さらに画面をスワイプして2回目、3回目と順に移していくと、さらにニシタクはテンションを上げるので、なんだか僕の手柄のような気がしてきた(笑)。西村はスリット写真に見入りながら、「仁志くんが良さそうなんだよなあ」とつぶやいてもおりました。

 

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 西村と同じく、すごいすごいと喜んでいたのは平高奈菜。やはり僕が操作してみせると、満面の笑顔でスリット写真を覗き込んだ。「これ、鳴門が初導入なんですよ!」と平高に教えると「えーっ、そうなんですかぁ!」とときめきNanaスマイル。ワタシ、もう完全に自慢げです(笑)。

 

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 その後、岡崎恭裕が覗き込んでいたので、すかさず近づいて、「ここタップするとアップになりまっせ」と操作。そしたら、「あ、別にいいです」とクールに返されて意気消沈したワタクシであります……。そうだよなあ、3回分並んだ状態で見比べようという選手もいるだろうなあ。もともとスリット写真は回数分並んで貼り出されるものだし。オカピーのおかげでしっかり我に返ったワタクシ、ニューシステム勝手に宣伝マンの活動は終了でございます。

 

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 見ていると、多くの選手がこのモニターの前で足を止め、紙焼きが貼り出される感覚でスリット写真を見入っていた。まあ、スタート練習の後には必須のルーティンですからね。で、アップになることを知らない選手もけっこういて、中島孝平は、並んで見ていた平本が画像をアップにした瞬間、ビクッとのけぞり、驚いていた(笑)。なにしろ鳴門にしかない物件なだけに、初体験の選手はみな驚いたり感心したりクールに受け流したりと、いろんな反応を見せるのが当然ですね。明日のスタ展&本番用のモニター稼働も楽しみになってまいりました。

 

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 さてさて、2連対率59.6%のモーターを引いた赤岩善生。その53号機は評判機のひとつのようだが、スタート練習とタイム測定を終えた赤岩は本体をバラし始めていた。えっ、どこかおかしなところがあるのか……と思うのだが、これは赤岩のルーティンのひとつである。どんなモーターであれ、まずはいつもと変わらずやるべきことをやる。SGでも一般戦でも変わらない。それが赤岩の哲学であり信条だ。モーターを組み直して格納すると風のように去って行ってしまったので、真意を確認することはできなかったが、赤岩が前検や初日の早い段階で割っているのは別に珍しい姿ではない。明日もきっといつも通りの作業をし、いつも通りにレースに臨むだろう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)