BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門オーシャンTOPICS 2日目

こ、こ、今度こそっ!!??

 

「もっともSGに近い」と言うより「SGに近すぎるレーサー」峰竜太のリズムが超抜だ。昨日は3コースほぼ同体から、イン太田和美に全速の強ツケマイ。岡崎恭裕の強襲に屈したが、その気合とスピードは「さすが」と唸らせるものだった。

 

 

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 今日はさらなる確変モード突入。5Rは4カドから伸びなりの絞めまくり。内の長田頼宗や大瀧明日香が舳先だけで抵抗したが、それをピシャリッと振り払って力強く抜け出した。ターンスピードについては今さら語るべくもないが、今節は気持ちとスピードが完璧にシンクロしている。パワーも超抜レベルで、とりわけ行き足~伸びが強いから自力で攻められる。

 勝てば予選の暫定トップに浮上する10R。枠は1号艇。確変モードに入った峰リューが逃げきるのに、障壁らしきものはひとつもなかった。コンマ08のトップS、そこからグイグイ伸びるパワー、艇界屈指の高速インモンキー……ターンの出口で、すでに他艇を2艇身は突き放していた。今日の鳴門はイン9勝の逃げ水面だったが、その9本の中でもっとも完璧かつ美しいイン逃げでもあった。

 

 

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 速い、巧い、強い。

 昨日からの3戦は、まさにこの3拍子が揃った戦いぶり。ただ、イコール「V候補の筆頭」と煽るのは、現時点ではやめておこう。過去に当欄で、何度それを記してきたか。何度も何度も記して、それは実現されなかった。予選最終日や準優や優勝戦のどこかしらで、峰は敗れ去った。今節も、まだ3戦を消化したのみ。256という重い枠が残されている。そこでズルズル後退し、「今節もやっぱダメかぁ」なんてことだってありうる。

 嗚呼、でもなぁ。今度こそは!! と思ってしまうのだ。これって単純な応援じゃなく、なんちゅうか、奥歯に挟まった異物を早く取り除きたいような「今度こそ」……かつて、白井英治にも感じ続けていた「今度こそ」……書いててよくわからなくなってきたが、とにかく、今度こそ!!という思いだけは頭の中に根強くハビコッていて、今節も2日目にしてその思いが増殖している。ま、一言で言うなら「今度こそ、お互いに楽になろうぜ、峰リュー」ってな感じだな。V候補という言葉はもう書き飽きたわ。早いとこ獲っちまえ、峰リュー!!

 

値千金&千倍のまくり差し!

 

 

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 イン9勝で穴党にとってはやや拍子抜けの2日目だったが、その代わりに3連単980倍というとんでもない超大穴が飛び出した。8Rで人気薄だった5コースの平高奈菜が、スピード満点のまくり差し。突き抜けたと言うより、舳先をギリギリ掛けての辛勝ではあった。それでも、王者・松井繁はじめSGレーサー5人を切り裂いたのだから、あっぱれの一語。

 そうそう、昨日は岡崎のまくり差しを絶賛したが、ピットにいた黒須田は平高とともにこの針の穴を通すようなまくり差しをモニター観戦していた。そのとき、平高は「こんなまくり差しって……」と唖然呆然の表情だったとか。その感動と興奮が、今日のウルトラ大技に直結したのかも?? うん、岡崎ほどの凄まじい切れ味ではなかったけれど、またひとつ“SG”の本領に近づいたね、奈菜ちゃん!

 

 

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 今日、私的に嬉しかったのは、石野貴之73号機に復活の兆しが見られたことだな。行き足から伸びがゴキゲンだったのに加えて、ターン回りも昨日よりはるかにしっかりしていた。でもって、レース後の試運転では瓜生正義を置き去りにし、ストレート系も強化された感があった。つまり、私が期待していた本来の73号機に近づいている。完全に戻ったかも知れない。明日の石野は4号艇の1回乗り。6Rの4カド選手は必見中の必見!!とお伝えしておこう。

 

 

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 で、652着の石野73号機を尻目に、2連率60%の赤岩善生53号機は着実にポイントを積み重ねている。131着で予選4位。レースっぷりにもパワーに対する自信や信頼が見え隠れしているな。さらにダービー勝負駆けという境遇でもあり、明日からの3戦(4~6枠!)でも気を緩めることなく全力を注ぐだろう。ちょっと心配なのは、今日の特訓と実戦ではストレート系に迫力がなかったことだ。イン戦に対応して出足を強化したのかも知れないが、明日からの「4~6枠・死のロード?」で伸び足がしっかり来るのか。元よりバランス型のエンジンでもあり、整備巧者の赤岩がどんな秘策を施すのか大いに注目したい。(photos/シギー中尾、text/畠山)