BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――いつも通り

 

 

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 全体的に言えば、準優組はリラックスした雰囲気の朝を送っている。

 1R発売中に井口佳典がボートを着水。ずいぶん早い動き出しに、何か異変でもあったのかと勘繰ったりしたが、ほんの10分後にはまた戻ってきており、選手仲間に笑顔を振りまいていた。辻栄蔵も同じようなタイミングで着水しているが、やはりそれほど時間が経たないうちにボートを押して装着場に戻ってくる姿があった。飄々とした雰囲気はいつものこと。特別な何かは感じられない。

 

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 石野貴之が鋭い表情を見せていたが、これも言ってみればいつも通りだ。石野も早く着水した一人で、試運転を繰り返している様子だった。ボートは係留所につけたままで、ペラ室で調整しては水面へ、を何往復か。もう一丁、伸びをつけようと奮闘中だ。そういう姿もまた、SGのピットで常に目にする光景である。

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 今日は報道陣やピット見学のファンの方が非常に増えており、ピットの人口密度がぐっと高くなっているが、そうした人と人とのはざまに談笑している選手の姿も見える。池田浩二も報道陣と柔らかい顔つきで話し込んでいたし、菊地孝平もゾーンに入ったような目つきではなく、小さく笑みも浮かんでいる。それぞれがレースが近づくにつれ、近寄るのさえためらわれる空気を身にまとっていくのは間違いないながら、朝の時点ではそのための暖機運転さえしていないように見える。

 

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 ゲージ擦りのテーブルには、ニュージェネの面々が集結していた。装着場から見て手前に篠崎元志の背中が見える。篠崎は時折、報道陣のインタビューやピット見学の方たちへの挨拶に駆り出されてもいて、しかしそれを嫌な顔ひとつせずに快くこなしていた。その隣には毒島誠。そのさらに隣には前本泰和……って、ニュージェネじゃないか(笑)。前本の向かいには平本真之がやってきて、その隣にいる岡崎恭裕らと談笑している。ゲージテーブルはなんとも華やかで、また若々しい。前本もそこにいて何ら違和感はないぞ。

 

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 ただ、一人だけ違和感満点の男が静かにゲージを擦っていた。峰竜太だ。違和感? ニュージェネなのに? 違和感の正体は、雰囲気が一人だけまるで違うこと。もう多くを語るまでもないですね。“いつもの”峰竜太である。そんな空気を察知した報道陣は口々に「大丈夫か?」と言っているし、峰の性分をよく知る仲間たちもさりげなく気を使った様子も見せている。みんな心配しているのだ。だが、やはりこれは“いつも通り”だし、“峰竜太らしさ”でもある。僕はあんまり心配しておりません。敗れたとしても、要因は別にある。これが峰にとって力を出せる状態なのだと信じる。峰竜太よ、今日はゆっくりその緊張を楽しんでください!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)

 

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今日の福岡勢はどうかな~、と岡崎恭裕に軽口を飛ばしたら「10Rは元志が1着、11Rは仁志が1着、12Rは僕が1着。で、僕が1号艇」おぉ~、確かに! 優勝への青写真は出来上がっている!? ちょっと買ってみようかな……。