BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――猛暑のレディチャン!

 

 

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 真夏のレディチャンとなって5年目。あくまで体感というか単なる感覚でしかないけれども、津がもっとも暑い気がする! 津って、丸亀や三国や鳴門や若松よりも平均気温が高かったりするのだろうか。あるいは今日が特別なのか。それとも、津のピットがいちばん風の通りが良くないのか? いや、風通しのいいポイントは何カ所かあって、そこで感じる風はなかなか心地よかったりする。しかし陽の当たる場所はそりゃもう暑いし、風が及ばない場所にいると立っているだけで汗が噴き出てくる。女子選手二人分の体重である自分が悪いのだが、こりゃ水分補給が欠かせませんな。

 選手たちは、この暑さのなかヘルメットをかぶりカポックを着るわけだから、大変である。タイム測定&スタート特訓を終えて陸に上がってくる選手たちはみな汗だく。ちょうど目の前を通り過ぎた山下友貴は額に汗を浮かべ、顔も真っ赤に上気していて、早く着替えて水飲んで、と言いたくなってしまう。山下は早くもペラ調整に精を出していて、試運転とペラ調整所を走って往復している姿も見た。暑くたってダレているヒマはない。

 

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 カポックを着ていなくても、作業にあたる際の乗艇着だって長袖である。この時期のレースは文字通り暑さとの戦いでもあるのだ。整備室やペラ室は冷房が利いているけれども、装着場はまさに酷暑である。すべての前検が終わったあと、中谷朋子がボート磨きを始めた。男子では今垣光太郎など、これをルーティンとする選手は何人かいる。場所はもちろん装着場。ルーティンといえども、モーターのパワーに直接関係する作業というわけではないだけに、この暑さで放り出しても不思議ではない作業でもある。しかし中谷はボートを磨く。暑さに耐えつつ、水分を拭き取り、一節間の相棒をいたわる。いやはや、頭が下がるばかりです。選手の皆さんも水分補給しっかりして一節を乗り切ってくださいね!

 

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 それにしても、田口節子が戻ってきたのは嬉しいことですね。あるべき場所に帰ってきたというか。「本来は走れていない場所」と本人も言っていたとおり、産休明けの出走回数が規定に足りていないので、レディチャン復帰は来年でおかしくなかった。しかしさすがのギャラクシークイーン、オールレディース優勝で優先出場権を獲得。ブランクなどまるで関係ないとばかりに、選考勝率も2位でドリーム出場までもぎ取っている。ママになった節ちゃんが、どのような進化をこの舞台で見せてくれるかがおおいに楽しみ。「(本来は走れていない場所、なので)いつもより気楽に臨める」という点も心強い。立場的に、クイーンズクライマックスなどでも重圧を背負っている感が強かった田口。復帰即大仕事、なんてことはおおいにありそうである。

 

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 ドリーム1号艇の平山智加の場合、そのドリーム1号艇というのがあるべき場所、でしょうかね。つい先ほど、10月のダービー出場選手が発表になったが、選考勝率1位はこの人です! 峰&田中のツートップが出場できなくなったという点はあるにせよ、選考トップは凄すぎだろう。レディチャンも選考1位、ダービーも選考1位。偉業である。

 貪欲さが見られたのも、トップらしさだろうか。ドリーム共同会見でひと通りコメントを述べたあと、「このエンジンの情報がもっと欲しいです」と、地元の記者さんにここ何節かの動きについてヒアリングしたのだ。会見でそういうリクエストをする選手を初めて見たぞ。その情報と前検の手応えをすり合わせて、「全体的にバランスがとれていて、レースでいいのかもしれない」という推論も導き出していた。準備万端でシリーズ開幕を迎えられそうだ。

 

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 そうそう、ドリーム組では、遠藤エミの表情が冴えなかった。会見での最初の質問、「今日の感触は?」にいきなり首をひねったのだ。出てくる言葉は「いい感じじゃなかった」。不満というのか、納得がいかんというのか、そんな心中がありありとそのファーストコンタクトで見えたのである。ここ1、2年、女子選手でSG予選突破を果たしたのは、平山とこの人だけである。まさに女子きっての実力者たちだ。しかし、今日の雰囲気は対照的。これが今節の両者の成績にそのままつながるのか、それとも単に前検だけの感触なのか。万全なら優勝を争う二人だけに、その比較もまた興味深い。

 

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 さてさて、若手として新兵作業にも走り回る渡邉優美。自分の作業の合間にするわけだから、実に忙しそうで、この気候がやはり恨めしいところ。水分をこまめにとってくださいよ、と声をかけたくなるところだ。その渡邉のTシャツの背中の言葉がイカしてたね。

 

酒は呑んでも呑まれるにゃん 渡邉優美

 

 了解です! 今節のワタクシの座右の銘とさせていただきましょう。アルコール呑んでも水分補給にはならんらしいですからね。夜は呑まれない程度に津の酒と肴を味わいましょう。あ、選手は宿舎ではいっさい呑めないので、優美ちゃんは今節、酒に呑まれる心配はありません。というか、オフには呑まれるほど呑むんですか、優美ちゃんは。あまりそうは見えないんだけど……。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)