BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津レディチャン 準優進出戦ダイジェスト

エース、不完全燃焼

 

 

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9R

①平高奈菜(香川)12

②細川裕子(愛知)07

③西村 歩(大阪)07

④原田佑実(愛知)05

⑤竹井奈美(福岡)06

⑥宇野弥生(愛知)17

 

「原田22号機vsナナ」と銘打って勝手に盛り上がっていたが、さすがに他の面々もパワー自慢。4カドの原田(今日も05で5戦連続ゼロ台!)がスリットから半艇身ほど覗いたものの、内を叩き斬るまでの勢いはなかった。50m手前でややアジャストしたようにも見えた。平高が逃げて、細川が差して、西村が握っての123ダァッ決着。

 

 

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2番差しの原田は4着止まりだったが、やはり追い上げる気配は出色。巧く立ち回れば西村を追い抜いての3着まではありえただろう。明日以降も、目を離せない存在であることに変わりはない。5着の弥生と6着の竹井はやはりコースの遠さが大きく響いた。

1着・平高、2着・細川、3着・西村。

 この3人が準優確定で、4着・原田=6・00もかなり有力。6着・竹井=5・00は首筋が寒く、5着・弥生=4・80はほぼ絶望的な立場に立たされた。

 

鉄壁の岡山ライン

 

10R

①田口節子(岡山) 18

②森岡真希(岡山) 12

③小野生奈(福岡) 10

④中谷朋子(兵庫) 28

⑤淺田千亜希(徳島)31

⑥池田紫乃(長崎) 31

 

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 ほぼ完ぺきな逃げだった平高に比べると、田口の1マークはかなり危なっかしいものだった。まずはスタートで後手を踏んだのが響き、スリットから森岡に1艇身近く覗かれた。さらに、トップS全速の生奈がその外からグイッと覗く。外のふたりがツープラトン攻撃を仕掛けたら、ひとたまりもなかったかもしれない。しかし、そこは強固な岡山ライン。森岡はしっかりと生奈をブロックし、ほどよい頃合いで差しハンドルを入れた。

「森岡さんのおかげです」

 勝利者インタビューの田口に快心の笑顔はなかったが、いざ先マイさえ果たせればスピードはケタチ。差した森岡の艇が浮き、握った生奈が流れている間に3艇身ほども突き放していた。さすがの節っちゃんだ。外のダッシュ3艇は起こしの段階から後手を踏み、スロー3艇に置き去りにされた。

 

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1着・田口、2着・小野、3着・森岡。

 この3人が文句なしの準優入り。昨日まで予選3位の田口は、この勝利で明日の準優1号艇も確定させた(節間勝率では9Rの平高に追い抜かれたが、昨日までの順位が適用される)。一方、4着・中谷=6・00の準優入りはかなり有力、6着・淺田=5・00は首が寒く、5着・紫乃=4・80はほぼ絶望的という境遇で、それぞれ残りの2レースを見守ることになった。

 

進出戦の“落とし穴”

 

11R

①今井美亜(福井)20

②垣内清美(三重)19

③平山智加(香川)15

④寺田千恵(岡山)13

⑤魚谷香織(福岡)22

⑥香川素子(滋賀)24

 

 

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 F2持ち今井のスタートはコンマ20。昨日の04で冷や汗をかいたというから、妥当な数値ともいえる。ここで外の艇がゼロ台まで踏み込めば一撃勝利のチャンスもあったのだが、それなりにお付き合いをしてしまった。4コースまでやや右肩上がりで舳先が揃っている。地元の垣内がエイヤッの気合でジカまくりを打ったが流れ、その外をぶん回した平山も流れ、差した寺田も届かず、バック中間で今井の1着(=準優1号艇)が決まった。

 あっと驚いたのは、2着争いだ。垣内vs寺田の本命サイドの決着かと見ていた2マーク、バック最内からするする伸びた香川が気迫満々の先マイで一気に2番手まで浮上した。瞬間、配当がドカーーンと跳ね上がる。164の3連単は240倍!! 平山・寺田の銘柄級が並んでいたため、⑥香川は完全な人気の盲点だった。

「準優進出戦は勝率の低い外枠レーサーに要注意。『3着以内』へのモチベーションは内枠勢より高いはず」

 と心には留めていたが、ここだったのか!!?? 悔やんでみても、後の祭り。この反省と学習は、次の準優進出戦で生かしたい。

 

 

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1着・今井、2着・香川、3着・寺田。

 この3人は無条件で準優入り。さらに4着・平山=6.33と5着・垣内=6・40にも当確ランプが点り、6着の魚谷=5・00だけが崖っぷちの苦境に立たされた。なお、結果待ちグループの中では原田=6・00も準優入りが約束されている。

 

クイーンの貫禄

 

12R 並び順

①海野ゆかり(広島)08

②岩崎芳美(徳島) 09

③山川美由紀(香川)09

④遠藤エミ(滋賀) 11

⑥山下友貴(静岡) 11

⑤長嶋万記(静岡) 16

 

 

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 スタート&インモンキーともに、非の打ちどころのないレースで海野が逃げきった。「イン逃げ3連発V」を目指すとするなら、完璧な第1リハーサル終了といったところか。私の海野27号機の機力評価はほぼ一貫してB+(中堅上位か、上位の下あたり)とやや辛目なのだが、乗り手との相性がいいのだろう。とにかく実戦でのリズム感が抜群だし、今日も横一線に揃うなどの運もある。残り2発、徐々に相手は強化されてゆくが、優勝すべき流れはしっかり掴んでいる気がするな。

 2着は、2マークで冷静に差した山川。今節の山川はこうした地味ながらも冷静的確な好プレーを頻発しており、それはそのまま61号機の性格にも通じている。素直で穏やかなバランス型というか。そんなパワーに応じた乗り方ができるのも、女傑ならではだろう。

 逆に、道中で気合パンパンの猛アタックを繰り返したのが岩崎だ。特に2周2マーク、前を行く3番手の遠藤に対して豪快かつ鮮やかな切り返しを繰り出し、この奇襲を見事に決めた。スピードで劣勢な部分を、百戦錬磨のテクと気迫で補った。もちろん、パワー的に自信があればこその大技だろう。

 

 

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1着・海野、2着・山川、3着・岩崎。

 歴代クイーン3人が、後輩を巧みにいなしたようなレースでもあった。3人は文句なしの準優入り。4着の遠藤=5・83も当選し、結果待ち組から中谷朋子=6・00も確定ランプを点した。以上17名。最後の1議席は「首筋の寒い5・00の4人」の中から生き残ったのだが、その明暗は例によって残酷なものでもあった。

☆長嶋万記…45216、最高タイム1分50秒2

★魚谷香織…21456、最高タイム1分51秒5

★淺田千亜希…24516、最高タイム1分51秒6

★竹井奈美…32436

 3人が同じ着順点で、持ち時計トップの長嶋が当選。まあ、時計自体は大差だったし、胸を張って明日の準優に向かってもらいたい。「一度は死んだ身」と開き直り、前付けに行ったりしても面白いと思うのだが、どうだろう。(photos/シギー中尾、text/畠山)