BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ピットの風景

●最強タッグ?

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 10R発売中のこと。今村豊と松井繁が並んで歩く姿が目に飛び込んできた。こ、これは! 現在の艇界における最高峰の絡みではないのか! 数々の最年少記録を打ち立て、いまだ第一線で存在感を示すミスター。タイトルの数は現役最多、獲得賞金額は史上最多、完全に自身の時代を築き、やはり第一線をしりぞく気配も見えない王者。プロレスでいえば、この二人は夢の最強タッグですな。

 こういうシーンを見ると、取材者ではなく一人のファンになり切って、ピットで胸を熱くするのであります。

 

●ニュージェネの場所

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 福岡ピットのプロペラ調整所は3カ所。これまでも何度も書いてきたが、整備室奥の調整室、整備室入り口脇の調整所、そして装着場の隅にある“屋外”調整所。そのうち、屋外調整所のいちばん水面際は、いつもニュージェネレーションの誰かしらが陣取っている。特によく見かけるのは、茅原悠紀と毒島誠が向かい合って叩いているシーン。毒島が本体調整などしているときにはそこに篠崎元志がいたり、1便で茅原が帰ったあとには岡崎恭裕がいたり、時にはその全員がいたりと、あたかもニュージェネの陣地みたいになっている。今日も遅くまで、茅原以外の3人がそこに陣取っていた。あと、その付近にいつもいるのは菊地孝平。菊地率いる“山部”には茅原、毒島とニュージェネの面々が名を連ねる。その縁もあり、またお互いを尊敬し合ってもいて、ピットでは絡みをよく見かけるのだ。

 

●それぞれの銀河系

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 今節、銀河系軍団は3人が出場。井口佳典、山本隆幸、湯川浩司だ。銀河系の仲の良さはもう言うまでもないわけだが、今節は意外と絡みを目にする機会が少ない。今日の終盤であれば、井口は“屋外”で必死な様相のペラ調整。湯川はわりかしのんびりと過ごしているようであり、山本は兵庫支部最年少ということで、支部6人の明日の艇旗艇番を準備していた。記憶を掘り起こすと、絡みらしい絡みを見るのは、それこそペラ調整時に隣り合って叩いているときくらいか。ともに過ごしていなくても、絆に揺るぎなしということだろう。

 

●瓜池のつながり

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 瓜生正義と池田浩二を同世代とこじつけるなら、アラフォー組という感じか。瓜生がドンピシャ不惑、池田が38歳。この二人をアラフォーと書くことに少し抵抗があったりするわけだが、まあ年代的にはほぼ同じと言っていいだろう。ちなみに、池田の1期後輩である赤岩善生がやはり不惑。僕がボートにドハマりした時代、瓜生は若手のホープで、池田や赤岩は有望新人だった。う~ん、まさしく光陰矢の如し。

 てなことはともかく、この二人の絡みというのは頻繁に見かけるのである。二人で賞金レースをぶっちぎっていた5年前もそうだったし、今でも同様。いわばソウルメイトであろう。10Rを逃げ切った池田は、着替えを終えると吸い寄せられるように瓜生のもとに向かっている。瓜生は12Rの準備をしている真っ最中で、池田は勝利者インタビューに向かわねばならないのに、瓜生と笑顔で立ち話に興じるのだった。3日目終了時点で予選ワンツー。この二人が突っ走るのかなあ。

 

●頼れるお姉さん

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 寺田千恵と、平山智加、遠藤エミの絡みはまあ、山ほど見かける。女子は3人が参戦で、若い2人にとって寺田は精神的支柱であろう。寺田がそこにいるだけで、平山も遠藤も心強いはずだ。

 寺田の絡みは、女子だけにとどまらない。同支部の茅原悠紀は当然。いや、むしろ茅原との絡みが決して目立つということはなく、幅広い選手と言葉を交わし、笑顔も交わし、相手を癒しているようなのである。今日の終盤には、西村拓也と何やら愉快そうに笑い合っていた。寺田と西村、接点はこのダービーに出場しているというだけに見えるが、寺田にはそれ以上にかわいい後輩のひとり、ということか。西村もごく自然に寺田と会話しており、その姿は頼れるお姉さんと若者、といった風情なのであった。寺田は艇修理員さんとも楽し気に話している姿があったなあ。まさしく、人格者なのである。

 

 今日は、ピット取材に向かう途上で、読者の方に「写真もっと見たいっす~」とリクエストされたので、写真中心の小話集ふうにまとめてみました。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)