BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――前検から大忙し!

 

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 チャレンジカップといえば、やはりどうしたって「一発逆転組」に目が奪われる。賞金ランク19位以下の選手たちだ。実際は、最近のチャレンジカップではすでに当確を決めた選手たちが強い。優勝はともかく、優出した選手たちを精査すれば、チャレンジカップ開幕時に18位以内(3年前までなら12位以内)にいた選手たちの名前を数多く見かけるものだ(つまり舟券的には、賞金ランク上位を狙うほうが効率がいい)。

 それでもやっぱり、一発逆転のドラマを探すのがチャレンジカップの醍醐味。たとえば、早くも本体をバラしている赤岩善生が気になってしまったりするわけである。

 赤岩が本体をバラすのはいつものことだが、前検からかなり大掛かりな整備をしているのを見るのはあまり記憶にない。整備士に付き添われながら、かなり長い時間整備を続けていたのは、感触的に何か異常があったということなのか。なにしろギリギリまで整備をしていたので、本人に確認することはかなわなかったが、いつもの赤岩の整備とは様子が違ったように見えた。明日は2R1号艇。朝から調整に忙しくなることだろう。

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 前検日に本体をバラす選手はそうは多くないが、今日は新田雄史、平本真之も本体整備に取り掛かっている。新田は最低でも準Vが必要そうで、逆転グランプリ行きを目指すにはなかなか高いハードルだ。もちろん初日から勝負駆けであり、この早いタイミングでの整備も納得できる。平本は賞金ランク7位で大村入り。ベスト6の勝負駆けに挑むことになる。6位の松井繁とは約450万円差。優出4着以上が必要となる。こちらも優出が欲しいわけだ。明日は外枠2走、この整備が当たって乗り切ることができれば、視界が開けることだろう。

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 彼らとは対照的に、松井繁はゆったりと過ごしている様子であった。松井は6位だから、ベスト6でグランプリに行くためには逃げ切りをはかる立場。前検の感触は「悪くなかった。体感はいい」とのことで、手応えを得た前検だったようだ。共同会見を終えたあとは、モーターやペラはいじらず、ボートのカウリングのねじを締め直したり、機歴簿に見入ったりと作業らしい作業はしていない。会見では優出した福岡ダービー同様に「ノーハンマーでいくわ」とも語っていたから、見通しは非常に明るいと言える。

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 ドリーム会見で好感触を語っていたのは菊地孝平。「試運転はとてもよかった」「スタート練習も良さそうな感じ」「すごく合っていて、乗り心地もすごくよかった」「現状なら今すぐにでもレースできる感じ」。いやはや景気のいい言葉ばかりだ。現在、賞金ランク1位。2位の瓜生正義とは94500円差なのでいくらでも入れ替わりはありそうだが、トップでグランプリに行ける可能性はおおいにある。そこに来て、今年一番の前検好感触なのだから、グランプリ3日目の1号艇は確実なような気がしてくる。ちなみに、菊地はチャレンジカップと好相性で、最多タイの5優出。ベスト6も当確で、勝負駆けといえばトライアル2nd1号艇確定しかないわけだが、逆転狙いの選手以上に目が離せない存在になりそうだ。

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 女子選手については、とにかくみな遅くまで調整作業に勤しんでいた。スタート練習とタイム測定がSG組より後に行なわれるので当然といえば当然だが、1便バスで男子選手の多くが引き上げたこともあって、16時前後のピットには女子選手の姿ばかりが目立つのであった。

 作業時間があまり残されていなかったこともあって、その懸命さは非常に目を惹いた。長嶋万記、竹井奈美はギアケース調整をしていたのだが、目つきの真剣さ、あるいは必死さは前検日のそれとは思えないほどだった。この二人にはドリーム共同会見も控えていたので、その焦燥感もあっただろうか。調整を終えて会見場へ駆け足で急ぎ向かう二人の様子には頭が下がった。

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 その会見で、遠藤エミが好感触を口にしている。レディースチャレンジカップには2連対率の低いモーターが回されているわけだが、数字自体を鵜呑みにするわけにはいかない。「足合わせした感じは良くて、出足も伸びも良かった」というのだから、女子組の節イチ候補ではあるだろう。女子戦はこうしたモーターを探し出すことが、舟券成績向上につながる。それにしても、チャレンジカップもレディースチャレンジカップも、賞金ランクトップに好機が渡るとは。その二人を下位の選手がどう切り崩していくかも、今節の見どころとなろう。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)