BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――これがチャレンジカップ!

 

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 選手入りの原稿で、「山口支部は谷村一哉だけ」と書いた。まあ、SGチャレンジカップとしては間違っていないのだが、全体でいえば、これは誤りであった。すみません。そう、女子に佐々木裕美がいるのだ。2Rのエンジン吊りに肩を並べて向かう姿を見て、ハッとした。あえて昨日の物言いに近づけるなら、「山口支部の先輩がいないという異変」であろうか。ともあれ、谷村と佐々木の絡みというのは、実に新鮮であった。

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 その佐々木は、言わずと知れた銀河系軍団。今日は、85期お揃いのジャージを着用していた。そして、井口佳典と談笑しながら係留所へ。これもまた、新鮮な光景である。佐々木は09年オールスターに出場しているので、この絡みはきっと目撃しているはずだが、間隔が開いたこと、銀河系軍団の男女の絡みは田口節子とがお馴染みであることから、非常にフレッシュなものに映ったのだろう。そう、佐々木もSG経験者であり、水神祭もその際にあげている(SG3連単最高配当を叩き出した!)。今後も大きな舞台で田村や湯川や森高との絡みも見られたらなあ、と思う。

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 昨年、一昨年と“混合”チャレンジカップを見てきて、まあ昨日今日もそうなのだが、女子同士の絡みが非常に多く見受けられる。それはそれでもちろんかまわないのだが、特に若い選手は超一流の男子強豪と大舞台で接する機会というのは少ないわけだから、ぜひ積極的に声をかけてほしいとも思ったりするわけなのである。

 1R、3着であがってきた中谷朋子は、エンジン吊りを終えると魚谷智之と話し始めた。真剣に耳を傾ける魚谷が、一言発するたびに中谷がうなずく。そこから得るものは大きいだろうなあ、と想像した次第だ。そのヒントをもとに、中谷はいつもの飽くなき調整に取り掛かるだろう。

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 2R、厳しい進入を乗り切って、赤岩善生が逃げ切った。本体整備が奏功したか。直前に情報によれば、セット交換をしている(ピストン2、ピストンリング4、シリンダケース)。昨日の整備はこれだったわけか。きっちりやるべきことをやって、決して有利ではない隊形をしのいで逃げ切る。レース後の赤岩ははっきりと充実感が伝わってくる表情を見せていた。これで気分も乗ることだろう。後半6Rも楽なメンバーとは言い難いが、ここをうまくクリアできれば、一発逆転も見えてくるだろう。

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 逆に、前付けが奏功しなかった深川真二は、これまたはっきりと顔を歪めて、悔恨をあらわにしていた。「勝負じゃーっ!」と開会式で叫んだ深川は、言葉通りに勝負に出たわけだが、実らず。苦しい船出となってしまっている。赤岩と深川の表情の差に、チャレンジカップの本質を見たと言ったら考えすぎか。しかし、見慣れているはずのピットの光景でも特別に思えてしまう、それがチャレンジカップなのである!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)