BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――冴えぬ表情

 

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 8Rの発走時刻が少々遅れたが、これは水面に浮かんできた藻の除去作業のため。スタンドの記者席はスリットラインの上方にあり、ここからは藻が次々と浮かんでくるのがよく見えた。締切前から掃海艇が懸命にすくい上げるのだが、次々と浮かんでくるため、発走時刻に食い込んだという次第。好コンディションでレースを行なおうとする努力には頭が下がった。

 ところが、遅れてピットアウトした後に、ふたたび藻が顔を出し始めたのだ。ちょうど4コースのスリットライン手前のあたり。4コースは……瓜生正義だ。瓜生さーん、藻を避けて~~と記者席から祈ったのだった。それもむなしく、藻の真上を通っていく瓜生。プロペラが藻を巻いてしまうぅぅぅと悲鳴をあげたのだが、レースを見る限りは支障がない模様。これは巻かずに済んだか……。

 ピットで瓜生本人に確認したら、「いや、ぜんぜん」。藻が出ていたことは知っていたようだが、「僕、真上を走ったんですか? へええ。大丈夫でしたよ」とのことだった。よかったよかった。9Rでは藻は見えなかったので、どうやら8R前後の時間帯のみの出来事だったようだが、自然には逆らえないので、影響が何もなかったのは何よりである。

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 道中には岡崎恭裕も真上を走っていて、岡崎に尋ねたところ、こちらもまったく影響なし。で、それはいいのだが、岡崎の顔がどうにも浮かないのである。「どうしよう、このままじゃ絶対に6等ですよ……」と、足に不満だらけなのだ。想定ボーダーが5・00であることを伝えると、「当確じゃん!」といったんは顔がほころんだが、だから6着でいいわけがない。ずいぶんと思案を続けて、結果「ちょっとペラ叩いてきます」。これが10R発売中のことで、11R発売中には展示ピットにボートをつけなければいけないので、もう時間はあまり残されていなかった。それでも信じた調整をして、12Rはいったんは3番手を走った。これで明日の朝には少しは顔が明るくなっているだろうか。

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 顔が晴れないのは、松田大志郎も同様だった。今日は3着で、SG初舟券絡みである。しかし、それは大志郎を満足させるものではない。すれ違いざまに大志郎は、「3着で喜ばれてるようじゃ情けない」と吐き捨てるようにつぶやいた。いやいや、まだまだこれからでしょ、と声をかけると、「なかなかマンシュウ出せずにすみません」と大志郎。これには1年7カ月前の伏線がある。大志郎がSG初出場を果たしたクラシックの前、BOATBoyで畠山が「大志郎でマンシュウ獲るぞ!」という記事を書いた。それを大志郎が読んでいて、クラシックのピットで「出しますよ!」と意気込んでいたのだ。しかし、そのクラシックは這ってしまって、マンシュウを出すどころか着外つづき。それ以来のSGとなった今節も同様で、期待に応えられていない状況を嘆いているわけだ。こうなったら、とことんお付き合いしようじゃないの。明日から、予想とは関係なく大志郎アタマの舟券を買います。水神祭の期待とともに、「マンシュウ獲ったよ」という報告を大志郎にできることを祈る。

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 さて、終盤の時間帯の整備室は、実に賑わっていた。本体整備用のテーブルが埋まらんがごとしの勢いで、分解されたモーターが並んでいたのだ。本体整備していたのは、海野ゆかり、小野生奈、竹井奈美、藤崎小百合。すべて女子選手である。海野は昨日の1Rで1着を獲ったが、それ以外はゴンロクを並べ、表情が冴えなかった。明日も大敗すれば予選突破が危機的になるわけで、それを避けんと本体に手をつけたわけだ。小野は3日目終了時点で予選5位だが、今日の後半で大きな着をとってしまった。竹井奈美も昨日までは着をまとめていたが、今日は大きく崩れてしまった。立て直しが急務となったわけだ。

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 藤崎小百合は、予選18位。もはや後がない状況である。今日は1Rを走ったあとに、早々とモーターを外して試運転に出る様子が見られなかったが、それはつまり、本体整備を決心したからだろう。もちろん、まったく諦めていないのだ。この整備がどう出るのか。明日は2走で、まず1Rに登場する。その気配にはおおいに注目したい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)

 

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選手がレース観戦する水面際の“アリーナ席”。今日は、ここで観戦する選手は非常に寒そうにしていました。ちょうどこのへんに海からの横風が吹き込んでくるんですよね~。

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重成一人が、香川勢の艇旗艇番を準備していました。本来は平高奈菜がやるところでしょうが、11Rを走ってましたね。じゃあ、森高一真は? そのころ、丸岡正典と笑顔で話し込んでました(笑)。重成、エライ!