BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――堂々たるSG

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 グランプリシリーズもSG! というわけで、錚々たる面々が、グランプリのほうに注目が集まると認識しながらも、懸命に戦い抜く。「シリーズは0・5SGみたいなもの」と選手が半ば自虐的に口にしているのも知りつつ、レベルの高い戦いに酔いしれたいところ。

 実際、前検の動き自体は、通常のSGと変わらない。メンタリティがグランプリ組と差があったとしても、優勝を目指して準備に奔走することには何も違いはないのである。早々に装着を終えて着水した茅原悠紀は、試運転で数周走るとボートを係留所につけ、きびきびとプロペラを外して、調整室へと駆けていった。シリーズだからなんて、だらだらする様子は1ミクロンもないのだ。その数分後には、毒島誠も同じ動きを見せていた。表情は真剣そのもの。彼らの真摯な戦いがすでに始まっているのだと実感させられる。

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 赤岩善生も、前検航走後は整備室にこもって、いつものように本体と向き合う。赤岩は「SGでも一般戦でもやることは何も変わらない」が信念だから、シリーズの前検もいつもと変わらないのはあえて言うまでもないほど当たり前のこと。シリーズ回りは悔しいことだが、ここを走る以上は全力で優勝をもぎ取りにいく。それが赤岩善生だ。そういえば、赤岩がシリーズでSG初制覇を果たしたのがちょうど10年前だ。そろそろ、2つめのタイトルが、同じシリーズとはいえ、欲しいところである。

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 銀河系軍団の面々も、まったくいつも通りに動き、顔を合わせれれば仲良さげに言葉を交わしている。そこにグランプリ組の井口佳典が加わっても同じこと。目指す冠は違ったとしても、同じ場所で覇権を競ってしのぎを削ることにはなんら変わりはないわけである。今節は、湯川浩司が選手班長を務める。10年前にはSGでは新兵だった銀河系がSGの班長ねえ、となんだか感慨深いわけであるが(その分ワタシも年取ったということです)、その間に蓄積したものを、SGではまだ新顔の伊藤将吉も含めて、おおいに見せてもらうとしよう。

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 さてさて、齊藤仁が「ダービーのときのこと、ありがとうございました」と声をかけてきた。一瞬、何だっけと思いつつ、ああ、あのことか、と思い出す。開会式で「己を変えにきました」と仁ちゃんがコメントしたことを取り上げた件だ。齊藤仁の「己を変える」とは何ぞや、という内容だ。

 その意味は何だったと思います?

「あれをパクっただけなんですよねえ」と笑う仁ちゃん。「あれ」とは、今年のボートレースCMに用いられているキャッチフレーズ「己を変えろ」だ。単にそれを口にした、というのが真相なのでありました。ダハハハハ。

 しかし、そう言われればこちらは煽る。「だったら、あのコメントに意味をつけちゃいましょう!」。己を変えるもっとも簡単な方法は、SG制覇! というわけで、シリーズは齊藤仁の優勝に期待します!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)