歩の突撃
８Ｒ
①垣内清美（三重）14
②渡邉優美（福岡）13
③三浦永理（静岡）13
④西村 歩（大阪）09
⑤池田浩美（静岡）12
⑥渡辺千草（東京）13
今節、道中で鬼気迫る追い上げを見せまくっている西村歩が、今日はスリットで魅せた。スッと半艇身ほど覗くと、まだトップスピードに達していない三浦をすぐに絞めあげる。そのまま迷うことなく渡邉、垣内まで強引に呑み込んだ。この男前の４カドまくりを池田浩美がしっかりマーク。バック直線、広く空いた内水面に舳先を突っ込んでそのまま１着をキープした。レースを作った西村は２着ではあったが、インパクトはこちらが断然上。大外枠の明日は舟券的な妙味がたっぷりのダークホースとお伝えしておく。気風の良さと乗りっぷりの良さは、優勝戦でもトップレベルだと思う。機力は回り足が上位、直線が中堅という感じではあるのだが……。
極上ターン一発!!
９Ｒ
①大瀧明日香（愛知）06
②香川素子（滋賀） 11
③細川裕子（愛知） 13
④原田佑実（大阪） 09
⑤谷川里江（愛知） 13
⑥平高奈菜（香川） 14
トップスタートを決めた大瀧が逃げて圧勝……そう確信した１周２マーク、とんでもないターンが炸裂した。平高の「ほぼ全速・鋭角小回りターン」!!?? その手前、平高は大瀧から４艇身ほど千切られた３、４番手だった。見た目には、「最内からかなり伸びたものの、否応なしの窮屈な最内差し」と感じたものだが、ほとんどスピードを緩めず回ったそれは、鮮やかに大瀧を捕えきっていた。大瀧が大事に回りすぎたというのを加味しても、なかなかにミラクルな一撃の逆転劇だった。
今節はエンストしたり極端なターンミスがあったり、さまざまな紆余曲折がありながら、ふと気づけばファイナル３号艇。シリーズ戦の中では非凡なセンスを認めないわけにはいかないが、明日はかなりの人気株になることだろう。それほど今日の一撃はファンの心を鷲掴みにしたはずだ。が、まだまだここ一番ではポカもありえる子なので、オッズと相談しながらその取捨を決めたいと思う。
一方の大瀧は、あのまま１着を獲りきっていれば明日は２号艇だったのだが……４号艇になった流れはややマイナス材料か。もちろん、平和島の４カドは２コースにヒケを取らない好ポジションではあるのだが。
Ｖ率、大幅アップ!!
10Ｒ
①川野芽唯（福岡） 15
②水口由紀（滋賀） 14
③堀之内紀代子（岡山）08
④角ひとみ（広島） 17
⑤山下友貴（静岡） 12
⑥森岡真希（岡山） 25
川野が文句のない予行演習で明日の11Ｒの１号艇を掴み取った。スリット１艇身のおそらく全速から、まくりに行った堀之内を寄せつけないスピーディーな高速インモンキー。うん、この勝利はかなりでかい。まず、パワーの裏付け。展示タイムの６秒54は滅法速く、イン戦での伸び返しは他を圧していた。３日目あたりまでこれほどのパンチ力は感じなかったのだが……。今日は仕上がりは見事だった。
そして、目の覚めるようなターンスピード。ＧＰ瓜生師匠の懇切丁寧な？コーチングが、持ち前のターンセンスにさらに磨きをかけている。そう感じた。明日もこのレースと同じことができれば、イン受難の平和島といえどもＶ率はメチャクチャ高いと思う。もっとも怖いのは、出足～行き足が良すぎるが故のスタート遅れ。それだけかもしれないな。スリット全速を意識しすぎることなく、しっかり１艇身以内に入れて揉み揉みしても、十分に勝てると思うのだが、どうだろうか。
２着の水口は、今日も抜群の回り足を十二分に発揮して優勝戦に駒を進めた。くるくる回れる器用な足は明日も楽しみではあるのだが、スリット横一線の枠なり５コースでは先頭までは難しいと思う。センター勢が川野を潰しに行ってもつれたときに、大きな勝機が生まれる。混戦になればなるほど、このくるくる足は強みを発揮するはずだ。（TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾）
