BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――トップのこだわり

 

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 森高一真が右側のカウルのあたりを見つめながら、考え込んでいた。調整の方向を探っているのだろうか。と思ったら、艇修理室に行って係員さんを呼び、そのカウル自体を外し始めた。えっ、カウル交換でもするの? もしかしたらよくあることなのかもしれないが、今までに見たことがない。また、カウルを換えると足色に何か変化でもあるのか、と疑問も浮かぶ。

 作業を終えた森高に直撃。ハンドルとモーターを結ぶワイヤーとカウルが噛み合うようなかたちになって、操縦性に支障が出そうだから交換した、と。すなわち、ハンドル操作の抵抗をできる限り減らそうという狙いだそうだ。へええええ。そんなところまでチェックするんだ、森高一真は。初めて見た旨を伝えると、森高はニヤリ。トップレーサーたちは、あらゆる部分の微細なところまでこだわっているのだと改めてわかる。

 

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 篠崎元志が本体整備をしていた。1Rの展示終了後くらいのタイミングで作業を終えてボートに装着。交換でもあったの? そう篠崎に尋ねてみた。

「本体だけでなくいろいろ、ギアケースとかもやりましたよ。交換? 特にしてないです。というか、発表される部品は交換してないです」

 そう、モーターというものはもちろん、交換が発表される8つの部品だけでできているわけではない。もちろん発表されるものは性能向上につながることもある大きな部品ということになるが、細かい部品ももちろんある。そうした部品にもこだわって、少しでもパワーアップをはかろうとするのがボートレーサーたちなのである。

 

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 ところで、今朝はピットを艇王・植木通彦さんが訪問していた。福岡ピットでまた艇王を見られるとはなあ。1期違いで同県同世代の田頭実と探勝していると、福岡支部の後輩たちが次々に挨拶に駆け寄ってくる。瓜生正義も感慨深げな笑みを浮かべて、植木さんに声をかけていた。さらには松井繁も歩み寄って、右手をピッ! 艇王と王者の絡みなんて、10年以上ぶりだよなあ。もし早すぎる引退がなかったら、乗艇服を着てこのピットにいたんだろうなあ、と思うと、なんかしみじみしちゃいますね。

 

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 さてさて、桐生順平がジーンズを履いて、ピット内を歩いていた。えっ、ジーンズ!? いや、実は桐生のカッパは今節からデニム柄をプリントしたもので、シワなどもそのまま表現したりしていて、これが本当にジーンズに見えるのである。桐生はデニム好きで、平石和男先輩がカムフラージュ好きでカッパもその柄を貫き通していることから、自分も平石さんのように好きなものの柄を使うことにしたようである。今日は上着はTシャツだったが、水面に出るときに着る上着もデニム柄にするとか。桐生は艇界のベストジーニストだ!(黒須田)

 

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 2Rで中村桃佳がSGの初陣。日高逸子を競り落としての3着だから上々だろう。青山登さんに話しかけられたときには、微笑が浮かんでいた。

 

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 その2R、岡崎恭裕が豪快なツケマイを仕掛けながら、出口で振り込んで大敗。さすがに落ち込んだ様子で、うなだれながらピットに戻っている。まだ1走が終わっただけだ。巻き返せ!