BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門グラチャンTOPICS 3日目

一騎打ち

 

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 初日が6発、2日目5発で今日も5発……万舟花火が鳴りやむことなき大荒れの鳴門水面。不慮の転覆で吉田拡郎が帰郷するなどレース自体も白熱しているのだが、こと予選トップ争いはほぼほぼふたりのレーサーに絞られた。まず、現時点で自力トップの権利を有しているのが、暫定1位の赤岩善生だ。今日の7Rでは1号艇のアドバンテージを生かしてキッチリの逃げきり。バックの出口でまくり差した山口剛に詰め寄られるなど、盤石の逃げではなかったがこの10点加算はでかい。節間2111着(勝率9・50)という素晴らしい成績で、明日の予選トップ勝負駆けに臨むことになる。

 

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 ただし! 昨日まで暫定トップ・石野貴之28号も凄まじい。今日は4・5号艇という試練の1日だったのだが、3Rは3コースからまくり差した重成一人に連動しつつ、するりと最内を差して2着ゲット。1マークの判断の早さといい、2マークの握りっぷりの良さといい、石野の絶好調ぶりがそのまま水面に投影されていた。

 そしてそして、さらなる圧巻は5号艇の11Rだ。スロー専科のミスター今村豊(56歳の誕生日)がいるため、石野もスローの5コースを強いられた。で、スタートもやや後手を踏んだように見えたのだが……スリットから軽快な行き足でぐんぐん加速し、1マークの手前ではわずかに舳先が突き出ていた。そこから迷うことなく舳先を左に傾け、江口晃生と平本真之のど真ん中、狭いところをブッ差した。さらに勢い余って?逃げる同県の大先輩・田中信一郎に艇をぶつけ、反動で跳ね返ったら今度は平本と接触、気合パンパンで2マークをぶん回し先頭に躍り出ていた。問答無用の石野劇場。試練の1日を2・1着で切り抜けた石野の成績は21121着で勝率9・20。数字の上ではトップを赤岩に譲る形になった。

 

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 さて、明日だ。自力トップの権利を持つ赤岩には、ちょっとした“事件”があった。明日は1走の予定だったのが、吉田拡郎の帰郷により2回走に“昇格?”したのだ。これが赤岩にとって有利か不利かは微妙だが、今日の石野と同じ4・5号艇でどこまでポイントを伸ばせるか、という勝負駆けになったわけだ。まずは6Rの5号艇が大きな山場。ここでできる限り1着を獲っておいて、最終12Rに臨みたいところだろう。

 

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 一方の石野は、12Rの1号艇を泰然として待つのみ。6Rの赤岩が2着以下に敗れれば、インからくるりと逃げきるだけでトップが確定する。いや、たとえ6Rの赤岩が1着でも、12Rで石野1着、赤岩2着なら同率・同着順点で並ぶ。で、現在のふたりの最高レースタイムは石野が圧倒しているから、石野逃げきりでトップになる確率はかなり高いと思う(赤岩が6Rで1分46秒5で勝てば話は変わるが)。

 とにかく、明日の12Rは「どちらか先着したほうがトップ」というヒリヒリした条件の中で戦ってほしいし、それも含めて赤岩が石野を攻め潰しに行くような熾烈な直接対決になってもらいたい。もっとも、ここは鳴門水面。今日も1~6のすべての枠が勝ったイン受難の水面だけに、予選トップ=絶対有利というわけでもないのだが。

 

ワーストからの脱出

 

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 ギヤケース交換でワースト級から中堅上位あたりまで気配アップした吉川元浩。今日は残念ながら不発に終わったが(柳の下には……涙)、スリットからギューッと出ていく様は予想通りの迫力ではあった。で、今日はもうひとり、初日あたりまでワースト級のパワーに泣いていた選手が劇的なパワーアップを成し遂げた。平田忠則。選手紹介で「エンジンはダメ、鳴門水面も苦手ですが、少しでもミルク代とオシメ代を稼げるよう頑張ります」と言って観衆の涙(笑い?)を誘ったものだが、今日の4Rは2コースからズッポリ差し抜けるわ、はたまた10Rでも4コースから3本の太い引き波を難なく越えて差し抜けるわ、ワースト級の面影を1ミリも感じさせない超抜パワーだった。

 この変身の最大の立役者は、おそらく「キャリアボデー交換」だろう。この排気系の部品もなかなか影響力がでかいらしく、「当たれば全部の足が良くなることもある」と言われている(福岡オールスターでは今垣光太郎が3、4回も交換していたなぁ)。きっと今日の平田のキャリボデ交換は、大当たりだったと思われる。新型モーターが導入されてから「出ない劣悪機は何をやってもまるで出ない」という定説が生まれたが、ギヤケースやキャリアボデー、大掛かりなセット交換(齊藤仁の35号機など)で20%台のモーターが40%級に跳ね上がることもあると実感した3日間だった。こうした有効なワーストパワー対策が選手や整備士の間に浸透し、SGで節間666666などと這う選手がいなくなることを切に願う(舟券予想の妙味が希薄になるから、です)。とにもかくにも、これで大量のオムツをお土産にできるね、平田クン。つか、今日の足なら2700万円分のオムツが買えるかも??(笑)

 

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 パワーと言えば、初日から「足は凄くいい」「トータルでトップ」など強気の発言を繰り返してきた峰竜太。その割に514着と成績が伴わなかったが、今日の2Rはやっとコメントに相応しいゴキゲンパワーを披露した。その勝ちっぷりは6コースからの全速差し抜け! もちろんこの男の場合はスピードもハンドルも凄いのだが、あのバックストレートで突き抜ける足、2マークの出口で追いすがる相手を一気に振りほどいたパワーは鳥肌が立つほどだった。昨日、ペラ小屋で「ガッツンガッツン叩いてた」(黒須田情報)ペラ調整が当たったのだろう。このド派手なアウト差し抜けで5141着と立て直し、明日は待望の1・2号艇。今日のパワーを維持できれば連勝=準優好枠も十分にありえるだろう。

 

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 嗚呼、それに比べて“長崎支部”の原田幸哉ときたら……(昨日、いろいろ間違えてすいませんでした! 「愛知の幸哉」は今後も手拍子で間違えそうっす><)パワーもリズムもオーラも含めて有力なV候補と思いきや、12Rの1号艇でよもやの6着惨敗とは!!!! 菊地孝平のまくりを張った不利があったとはいえ、しっかりスッキリ逃げてほしかったなぁ。このままだと「シリーズ前半は予選トップの勢いで後半はゴンロクラッシュ」みたいな最近の幸哉SGパターンと一緒になってしまうかも? 今節は、顔つきもレースっぷりもちょっと違うと思っていたのだが……明日以降の巻き返しに期待したい。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)