BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――2日目終盤の52人

 後半の時間帯、おおよそ8~11Rあたりの選手たちの動きをずらり書き出していこう。

 

●今村豊 9R終了後あたりでモーター格納。大きな動きは特になし。

●田頭実 エンジン吊り以外では姿を見なかった。今日の作業はすでに終えた模様。

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●今垣光太郎 12R出走の今垣、ボートを着水したのは9R発売中のことだった。10R発売中には12R組のスタート特訓があるので、ギリギリまで陸での作業をしたことになる。9R発売中はまだ日差しが強く、だというのに今垣は屋外の日なたにボートを置いて、そこでギラギラの太陽を浴びながら作業をしていた。とことん調整をし尽すのは、今垣光太郎の真骨頂だ。

●松井繁 やはり12R出走の王者は、入念なペラ調整の後、係留所で回転調整などをじっくりと行なっていた。試運転にも出ている。係留所で過ごした時間はかなり長かった。

●服部幸男 8R1着。勝利者インタビューなどひと通りの表示をこなしたあとは、速攻でプロペラ調整所に座り込んだ。これはかなり長く続き、11R発売中にも調整所に服部の姿を目撃している。

●市川哲也 大きな動きは見えなかった。すでに作業を終えていたものと思われる。

●田中信一郎 プロペラ調整をしている姿などを見かけたが、わりと早めに切り上げており、9R発売中くらいからはエンジン吊りでのみ姿が確認できた。

●山下和彦 9R、辻栄蔵のエンジン吊りでは艇番を外したりなど大活躍。来年マスターズデビューとは信じられないような身のこなしだったぞ。

●前本泰和 12R出走の前本は、11R発売中のかなり早い段階から黄色いカポックを身に着けていた。暑いだろうに……。前本は、展示を終えたあともカポックを脱ぐことはない。ほとんどの選手が、展示を終えて待機室に入ると、いったんカポックを脱いで身軽になる。締切5~10分前くらいにふたたびカポックと勝負服を着込むのだ。しかし前本は、それが彼のルーティンなのだろう、カポックも勝負服も着けたまま。それを展示の前からしているというわけである。前本以外にこうしたタイプはちょっと思い出せない。

●濱野谷憲吾 レース前、係留所へと続く通路の入口に置かれているお清めの塩を、ひとつまみペロリと舐めた。気を引き締めよう、ということか。レースは残念ながら2着。敗れてもサバサバしていることの多い濱野谷だが、1号艇を活かせずに表情はやや曇っていた。そこに池田浩二が声をかけて、ようやくアッハーと笑みがこぼれる。池田の言葉は聞こえなかったが、たぶん何かからかうようなことを投げたのだろう。この二人、本当に仲がいいのだ。

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●山崎智也 試運転など淡々とこなしてレースに臨んだ印象。濱野谷のエンジン吊りには群馬トリオで登場!

●石渡鉄兵 粛々と調整をこなしている。決して動きに派手さはないが、真摯な表情で作業をしている姿には、真面目な性格がうかがい知れる。

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●辻栄蔵 9R、5号艇5コースから1着! 5号艇と6号艇で1着を獲っているのだから驚異的だ。一緒にレースを見ていた笠原亮も唸っていた。ピットに戻り、ヘルメットを脱ぐと、やっぱり笑顔だ! 隣で山口剛も嬉しそうに笑っていた。

●徳増秀樹 前半は鋭い表情が見えたが、9R終了後はなかなか上向いてくれない成績に疲れた表情も見えていた。それでも、諦めることなく調整作業。どこかで報われてほしいのだが……。

●原田幸哉 10Rの3コースまくり差しはいい角度で入っていくように思えたが、逃げた井口佳典のふところを捉えるまではいかず、そこから流れて着を落としてしまった。レース後は苦笑いで井口に声をかけ、「ここ(脇のあたりをさして)まで来てましたけどね~」と井口に返されてさらに苦笑いだった。うーん、悔しい!

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●白井英治 丸亀の試運転可能時間は10R発売中まで。今日は、遅くまで試運転をしている常連である女子選手が8~11Rに出走していたこともあり、夕刻に試運転をしている選手はほとんど見かけなかった(出走を控えている選手は除く)。唯一、まさに10R発売中まで試運転をしていたのが白井英治。で、もうレース後試運転をしている選手は誰もいないという認識だったのか、ボートリフトを操作する係員の方が控室へと戻っていた。白井が水面から、「誰か揚げる人、呼んでー!」と声をあげていたので、行きましたがな、私が。ところが、どこにいるかわからず、右往左往しているうちに、係員が異変に気づいたのか、控室から出てきてくれた。白井は無事に陸に上がり、「黒須田さん、ありがとう! いい仕事しましたね」と誉めてくれた(笑)。実際は、ただ探してうろうろしてただけなんだけど……。

●重成一人 本体……ではないな。いわゆる電気一式と言われる部分。そこを丁寧に点検していた。スターターロープを引いて回して、エンジンを始動させる部分ですね。昔、ある選手に聞いた話。「その部分を手で回して、すごく軽く回るモーターがある。それが出ているモーターというわけではないが、出ているモーターはたいてい軽く回る」。大きな調整ができる箇所ではないが、大事な部分でもあるわけだ。

●池田浩二 忙しそうだった。ギアケース調整にプロペラ調整。初戦2着の後は大敗続きなだけに、パワーアップは急務だ。顔つきは涼しいのだが、動きはなかなかに激しかった。クールに見えて実は……というところが、池田にはあると思う。

●寺田祥 プロペラ調整室で姿を見たが、わりと早めに切り上げた様子だった。

●赤岩善生 ステアリングバーを交換していた。ハンドルからのワイヤーがここにつながっていて、操縦性に影響を与える部分。これを交換している選手はそうそういるわけではないが、接触などで曲がったりするとハンドルワークがスムーズでなくなったりするわけだ。赤岩の整備は、この部分にまで及ぶのである。

●坪井康晴 今日は3R1回乗りだったが、11R発売中までペラ調整室にこもっていた。ときどき外に出てきては、笠原亮らと談笑する姿も。

●菊地孝平 9R後、神妙な顔でペラ調整室から出てきた。辻栄蔵とすれ違うと、その表情のまま「パォーーーーン」と声をかける。辻も「パォーーーーーン」と返す。何のやり取り? 正解は辻が出してくれた。「マンモスうれピー、って?…………言わすなよ」。ダハハハハハ! これ、選手間では当たり前のやり取りなの?

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●秋山直之 すみません、前半では抜けてました。直前に繰り上がりが決まったため、出場選手ファイルから抜けてました。失礼いたしました。で、後半はとにかくプロペラ調整に没頭していた。場所は、屋外調整所のいちばん手前。けっこう強めにハンマーを振り下ろしていて、装着場にはガンガンと大きな音を響かせていた。開会式などでの秋山の定番コメントといえば「やれることをやります」。こうしてきちんと、やれることをやっているのだ。

●中島孝平 10R発売中まではひたすらプロペラ調整。それも、ペラ小屋と屋外を行ったり来たりしながら、叩いていた。小屋と屋外では置いてある器具か何かが違うのだろうか? これを切り上げると、整備室内で萩原秀人とののんびり過ごしていた。

●笠原亮 とにかくペラ調整。秋山の隣で、ひたすらハンマーを振るっていた。今節は苦しい戦いを強いられているが、もちろん諦めるという発想はこの人にはない。

●井口佳典 10Rをイン逃げ快勝。さすがにレース後は顔がほころんでいる。ここまで好調なだけに、気分も上々だろう。

●森高一真 11R出走を控えて、試運転とペラ調整を必死に続けていた。前半の逃げ切り勝利で気を緩めた様子は1ミクロンもなかった。11Rは結果が出なかったが、それを巻き返すためにも、明日も同様の動きを見せるはず。

●丸岡正典 わりとゆったり過ごしている様子ではあった。もちろん、ペラ調整をしている姿は見かけている。

●吉田俊彦 整備を長い時間かけて行なっていた。扱っていたのはキャブレター。その後は本体にも触っているようだった。それをそばで見守る中野次郎。同期生が心配そうに寄り添っていたのだ。

●萩原秀人 リードバルブやキャブレターの調整テーブルにいた。とはいえ、特に作業はしておらず、先輩の中島と並んでいた瞬間もあった。あと、同期の中野次郎も声をかけていた。

●中野次郎 というわけで、同期生との触れ合いを数多く見かけたのであった。

●石野貴之 レース後はペラ小屋にこもっている。小屋内からかすかに笑い声が漏れてきて、池田浩二がなにかジョークを言った雰囲気だったが、石野も楽しそうに笑っていた。

●久田敏之 ペラ小屋の奥のほうでプロペラを叩いていた。ペラ小屋ではもっとも目が届きにくい部分で、誰かが叩いているのが見えたので、出てくるのをじっと待っていたら、久田なのであった。

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●山口剛 ここまで着をしっかりまとめていることもあってか、表情が非常に柔らかく見えた。

●毒島誠 いつも通りのプロペラ調整。初戦以外は不本意な成績が続いているが、やるべきことは変わらぬとばかり、ストイックな調整が続く。

●渡辺浩司 12R出走の準備を丹念に行なっていた。プロペラ調整が主体の様子でもあった。

●長田頼宗 レース後、ボートを丁寧に磨き上げる姿あり。この人もこれをするタイプだったか。

●岡崎恭裕 松田大志郎の水神祭では、率先して輪を作っていた。田頭先輩が参加していなかったので、結果的にこの人がいちばん先輩。

●岡村仁 11Rに向けてプロペラ調整を入念に。

●峰竜太 レース前はどんな局面であっても緊張する、という峰竜太。9Rのエンジン吊りに出てきたときには、たしかに表情がカタくなりつつあった。たとえそうであっても、それが峰の平常心。心配はいらないのである。

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●平本真之 ギリギリまで調整をして、最後の最後に展示ピットにボートをつけたのがこの男。激励すると、力強くうなずいて係留所へと下りていった。12R、見事1着! 思わず祝福にピットに飛んでいったのだが、ハイタッチがカブス上原並みに力強かったぞ!

●新田雄史 ペラ小屋と整備室でしか姿を見ていないのではないか、と錯覚するほど、そのどちらかで見ることが多かった。もちろんエンジン吊りに出てきたりもしているのだが、印象はペラ小屋か整備室なのだ。

●松本晶恵 10R、1周2マークでキャビって、原田幸哉と接触してしまった。レース後は原田のもとにすっ飛んでいって、何度も何度も頭を下げていた。原田が逆に気を使っているように見えるほどに。

●茅原悠紀 整備室に姿があり。整備が終わりがけの頃に見たので、ハッキリとどの部分かはわからないのだが、締めているボルトはキャリアボデーのあたりだったように見えた。明日の直前情報、確認してください!

●桐生順平 オーメン(666)は免れたが、しかしまだ舟券絡みなし。レース後の表情は変わらずカタい。

●篠崎仁志 表情や仕草に余裕が見えるようになってきた。気を緩めたのではなく、肩の力がうまく抜けた感じだ。

●遠藤エミ 試運転、調整をきっちり行なってレースの準備。グラチャンよりイキイキしているように見えるのは気のせいだろうか。

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●小野生奈 8Rは惜しかった! 逃げる服部幸男を追い上げて、あわやというところまで持ち込んでいる。レース後は報道陣に囲まれる場面もあったが、浮かれた様子はなく、真摯な表情で調整を続けていた。その後、「ナイスレース!」と声をかけたら、笑顔がぱーっと満開になった。2着に敗れはしたが、充実感はあるはずだ。

●松田大志郎 水神祭おめでとう!

●中田竜太 調整などの合間に松田の水神祭に参加。その後は架台の準備など、新兵仕事も。

●竹井奈美 松田の水神祭が終わった後、同期と一緒に飛び込まないの? そうふざけて声をかけたら、「今から行ってもいいですか!」と返してきた。思わずこっちが怯んじゃったりして。どうやら、本当は一緒に飛び込みたかった様子。そんな竹井ちゃん、かわいいっす。

●岩瀬裕亮 調整作業や新兵作業を粛々と。

 

 選手の皆さん、本日も一日、お疲れ様でした!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)

 

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