BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――3年前の再現!?

 

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 昨日、小倉のホテルでボートレースメモリアルの前夜祭が行なわれ、ドリーム出場選手6名と地元出場選手5名が登場。僕はそのトークショーのインタビュアーをさせていただいた。そのとき、やけに白井英治が気合入っている様子だな、と間近で話して思ったものだが、今日の体重はなんと51kgなのであった。長身の白井は通常、前検は53kg前後でやってくることが多い。特にSGでは節中に減量して51kgくらいにまで落とすこともあるが、前検にこの体重で入ることはほとんどない。地元の記者さんによれば、昨日の前夜祭では酒を一滴も口にせず、夜も出歩かずに部屋にこもったという。いつだったかの前夜祭では、がんがんビールを飲んで、お客さんと肩を組んでゴキゲンに笑う姿を見ており、昨日も同様なのだろうと思っていたら、まったく違う夜を過ごしていたわけである。

 その白井が引いたモーターは2連対率29.1%。しかし、「なんでこんな数字なのかわからない」くらい感触が良かったという。深い起こしもまったく問題なかったというから、仮に田村隆信が進入で攻めてきても不安はない。3年前の若松メモリアルの、あの感動。同じ舞台でもう一丁、という空気は少なからず漂ってきている、と思った。

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 その白井は「ほぼノーハンマー」と、大きな作業をする気配はないが、いきなり本体を割っていた選手が二人。池田浩二と赤岩善生だ。

 池田はかつてはプロペラ調整が主であり、今も本当はそういう志向なのかもしれないが、最近は整備室で姿をよく見るようになった。いや、SGではほぼ毎節、そんな様子が見られている。それはすなわち、機力的に不満があるということに他ならないが、今節は前検でいきなり、である。池田浩二にはスマートでクールなイメージがあるわけだが、ピットでの様子は決してその限りではない。こうした泥臭さも彼にはあるのである。というか、SGレーサーはみなそうか。

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 赤岩のバラし方は、相当なものだった。クランクシャフトを取り出していたし、シリンダーケースを交換しているふうでもあった。それを確かめるべく、エンジン吊りから整備に戻る10数mの間に声をかけたら、「いっそっがしいから!」と振り切られてしまった。うむ、確かに実に忙しそうだったわけで、これは声をかけるタイミングを間違えたかもしれない。とにかく、ほんの数秒でも他の誰かと話す時間が惜しい。前検からいきなり、赤岩は培ってきた整備のノウハウを全開にしている。内容については、明日の直前情報で確認してください。

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 さてさて、今節がSG初出場となる永井彪也と山田祐也。今期初A1級で、まだGⅠも1節2節程度しか走っていないというなかでのSGデビュー。誇らしい部分もあるだろうし、同時に緊張感もあるだろう。ピットで見ている限りでは、二人とも落ち着いて仕事をしているが、その心中が普段の一般戦やルーキーシリーズと同様かについてはわからない。問いかけたとしても、本心を答えるかどうかは微妙なところだ。

 初顔ということもあって、報道陣も数多く彼らを取り囲んでいた。モーターの装着作業中には次から次へと記者さんやJLC関係者が歩み寄って、声をかけている。ボートレースメモリアルは、各レース場が期待の若手にSGの経験を踏ませようという親心で、時にサプライズ的な出場が見られる。これまでにも、こうしてSG初出場の若手が報道陣の質問攻勢にあうシーンは何度も見かけた。いつだったか、赤坂俊輔は「まあ、注目されるのも今日まででしょうけど」なんて自虐的に笑っていたりしたものだ。平本真之はその節に、優出まで行ったんだよなあ。永井と山田は、果たしてどんな戦いを見せるのか。そしてこれを糧にして、メモリアル後にどんな活躍を見せてくれるのか。メモリアルに若手が登場すると、そんな楽しみもあるのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)

 

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好モーターを引き当て、明るい表情の笠原亮。「追加ですから」なんて控えめに言っていたが、昨年は予備3位だった菊地孝平先輩が優勝です! んなこと気にせず一発を!

 

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師弟参戦! 賞典レースでの直接対決を!