BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――晩夏の18人

9R 寺田を負かせるのは……

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①白井英治……「寺田を負かせるのは自分だけだと思います」。その言葉が何とも心強い! 今節は前検から気合バリバリで、前回の若松メモリアル同様の2号艇での優出を勝ち得ることになった。レース後の表情も、力強いの一言! たしかに超抜テラショーの最大のライバルはこの男ということになるのだろう。なお、白井曰く「節二だと思います」。

②森高一真……レース後は粛々と、表情をあまり変えるところもなく、コワモテのままだったが、井口佳典が歩み寄って笑顔で言葉をかけると、ニコー。静かに頬が緩んでいくのであった。

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③湯川浩司……レース前は、落ち着きと気合がうまい具合に入り混じった感じで、大仕事をやってのける雰囲気はあった。待機室に向かう際も、こちらにふと笑みをこぼしてみせたりもしている。レース後の表情は一変。一気にカタいものになっていた。攻めはしたものの、結果的に大きな見せ場を作れない敗戦。淡々としているように見えなくもないが、少しとがっている唇が、無念をあらわしていた。

④茅原悠紀……悔しげな表情で引き揚げてきて、着替えを終えるとすぐにペラ室へとこもっている。仕上がりに納得いかない部分があっただろうか。この調整は、結果的に12R発売中まで続いた。勝ち上がりに失敗したとはいえ、このままで終わらせるわけにはいかないのだ。

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⑤篠崎元志……篠崎自身も残念そうに肩を落としていたが、弟の仁志はもちろん、前田将太ら周囲が残念がっているのが印象的だった。岡崎恭裕は元志と言葉を交わしながら、顔をしかめたりもしていた。今節はドリーム出場で、実質的な地元エースだった。その敗退は、やはり仲間たちも悔しいものなのだ。

⑥桐生順平……わりと淡々としているようには見えたが、内心がどうかはちょっとわからない。6号艇だからサバサバしているのか、しかし6号艇だからといって自分を納得させるような男とも思えないし……とこちらが考え込むのであった。

 

10R よっしゃーっ!

 

①辻栄蔵……勝っても負けても、レース後には陽気にふるまうことのある辻が、今日に限っては明らかに落胆した表情を見せていた。本人的にもまさかの5着敗退だったか。ちなみに、今日の辻はプロペラ調整を切り上げるのが早かった。10R組ではいちばん最後に展示ピットにボートをつけた、という点は変わらなかったが、いつもより10分前後は早く動いているのだ。それだけ足に自信があったとするなら、やはり無念は大きい。

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②平本真之……昨日はガックリうなだれた平本。はい、快勝のあとは思い切りガッツポーズ!「よっしゃー!」と雄叫びもあげた。こうやって感情をストレートに出すのが、やっぱり平本のいいところだ。足も、今日は抜群に仕上がっていたという。明るい表情で明日を迎えられるのは、非常にポジティブな要素だろう。

③田村隆信……田村も非常に嬉しそう! 正直、2着という結果には納得していない。完全に平本を沈めたかと思ったまくり差し、田村もその手応えがあったという。しかし、ターンは抜群だったのに、平本は軽く残して2マークで田村を制したのだ。足の手応えを考えれば、悔しさも残る。それでも、SG復帰戦での優出は田村のテンションを上げたようだ。記者会見に向かう際にはガッツポーズ連発! こちらも気分上々で優勝戦に向かう。

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④長田頼宗……ヘルメットを脱ぐと、露骨に悔しそうな表情があらわれた。それはやがて苦笑いとなり、それはなかなか消えなかった。あと、モーター格納に向かう際、平本を「よっ、若松巧者!」とからかってました(笑)。

⑤峰竜太……淡々とはしているのである。引き上げる際には口元に微笑を浮かべたりもするのである。でも、これが峰の悔しさを隠す仕草だと僕は思っている。本当は胸の内に悔恨が渦巻いていると見た。SG獲ったら負けても楽しい、そんなことを言っていたとシリーズ前半のピット記事で書いたが、それはやはり本音ではあるまい。

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⑥下條雄太郎……とにかく表情がカタかった、というしかない。6号艇だからといって、負けて良しとはなるはずがないのだ。

 

11R SG初制覇に王手

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①寺田祥……まあ、勝ってもあまり表情を変えない人だから、SG初制覇に王手となっても、喜びを爆発させるようなことはない。スポーツ紙のカメラマンに囲まれて、フラッシュの雨を浴びても、大喜びしてみせるようなところはない。ガッツポーズを要求されてもいたが、それには頑として応えなかった。これがテラショー。「明日はいい緊張感を感じて戦いたい」。きっと、緊張感に包まれている様子を、テラショーの雰囲気から察するのは難しいと思う。

②菊地孝平……落胆した表情を見せながら、井口佳典に声をかけられて笑みを浮かべた。しかしそれは、究極の苦笑いにも見えていた。その後、白井英治に菊地のほうから声をかけている。「僕はダメでしたけど、明日は頑張ってください」。そのエールの言葉に、むしろ無念がにじみ出ていた。

③魚谷智之……レース前の気合溢れる表情は、非常に目立っていた。目つきの鋭さは、思わず見入ってしまうほどのものだった。しかし、それが結果に結びつくとは限らない。レース後の魚谷はやや疲れた表情で、何度か溜息もついていた。

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④前田将太……とにかく明るかった。ちょうど展示から帰ってきた岡崎恭裕に祝福の声をかけられると、「俺、やるやん」とおどける仕草も見せていた。また、同期の遠藤エミが嬉しそうに祝福し、ハイタッチを交わしている。そのときの前田の表情は、とびきり輝いていた。結果的に、地元からただ一人の優出。明日は仲間たちに囲まれて、心強さを感じながら優勝戦に向かえるだろう。

⑤田中信一郎……大袈裟に感情を表に出すわけではない。しかし、操縦席からアカクミを取り上げ、カウルのあたりに置くときに、軽く叩きつけるような仕草をしていた。ちょうどそのとき、前田がレース後の挨拶をしに来たのだが、しばらく気づかなかったりもした。静かな動きではあったが、悔しさと真っ向対峙しているとしか思えなかった。

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⑥新田雄史……軽く溜息をついたのを見た。やはり6号艇だから、などという後ろ向きな思いはひとつもないのだ。

 

(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)

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 明日の注目はやはり田村の動き!「6号艇なら動くけど、5号艇なら考える」とのこと。明日は5号艇となった。秘策は!?