BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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平和島ダービー『前検を斬る!!』

 平和島ダービーの前検が終わりました。まずは、気になって仕方がない10号機vs19号機の新旧エースモーター鑑定なのですが……私の見立てはちょっぴり意外だったかも?

 

★篠崎仁志=10号機

 

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 うーーーん、悪くはなかった、です。お約束の兄貴との足合わせでは、内からくるりと回って2艇身先行。上体を起こしたまま外の兄が追いつくのを待って、そのまま並走という余裕たっぷりの兄弟マッチでした。が、肝心のスタート練習で、期待したほどのパンチ力が感じられなかった。3本ともに「やや強め」という行き足で、前々節の新良一規の凄まじい加速とは別物に見えましたね。平和島の一般戦を常に定置定点でチェックしている元SGレーサーも「行き足が落ちてるな、前節の後半からちょっとおかしくなってるな」と辛口の評価だった。回り足も含めてトータルでは上位級だと思うのだが、このスタート練習ではS評価は付けにくい。Aランクで明日からの実戦を見つめていきたい。

 

★魚谷智之=19号機

 

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 人気急上昇の10号機と比べると「落ちぶれたスター歌手」みたいな評価になってしまった19号機。が、スタート練習の気配はかなりのものでした! スローでもダッシュでもスリット付近で軽快に加速し、半艇身~1艇身は抜けていた。全盛期には及ばずとも、こんだけ行き足が良ければ1マークまでに主導権を握れます。前節の向井田で上向いたように見えたのは、やはり錯覚ではなかった? あるいは、魚谷が何らかの調整をしてかつての歌声を取り戻したか。とにかく、スタート練習に限っては仁志10号機よりもパンチが利いているように見えました。迷わず抜群レベルのS級に指名しておきます。

 

 以上、わずかながら明暗が分かれたツートップでしたが、魚谷19号機よりもさらにゴキゲンに見えたパワーも出現しました!

 

SS級(節イチ候補)

 

★深川真二=58号機

 

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 まさか、この58号機がツートップを抑えてSSになるとは!? 元より素性のいいモーターではありますが、私の評価は「回り足抜群」で出足系統寄りと見ていました。が、スタート練習ではスリット付近の破壊力が抜群。特にスローから同じような起こしタイミングでギュイーーーンと他艇を置き去りにした。また、インからの伸び返しも凄まじいものがありました。先の若松メモリアルでは伸び型の銘柄モーターを引いて苦戦した深川ですが、こちらは出足系統も強いので前付けからの先制パンチも可能です。この強力なパートナーとともに、「SGに近い男の悲願制覇ブーム」の流れに乗っかるかも??

 

S級(抜群候補)

 

★中村亮太=38号機

 

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 同じくS級の前出・魚谷と並んで高く評価したいのがコレ。BBスタッフ・三島の秘蔵っ子38号機はやはり只者じゃないっすね。これも行き足~伸びがゴキゲンで、魚谷19号機と似たようなパンチ力を感じました。より正確に記すと「スローでは魚谷、ダッシュでは亮太」ですかね。6コースのスリットからぐんぐん伸びて1艇身ほど千切るスピードは圧巻の一語。長いブランクもあってSGではまだまだ人気にしない亮太だけに、外枠でのS一撃攻勢は配当的な妙味もでかいはず。外の選手も含めて大穴を狙ってみたいパワーだとお伝えしておきます。

 

A級(上位候補)

 

★中島孝平=28号機

 

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 平和島の鉄人28号といえば今や昔の物語? なんのなんの、今期の28号機も軽視は禁物です。まずは足合わせでターン回りから出口の加速から、「おっ」と唸るような迫力。さらにスタート練習でもスリットから半分ほど覗く軽快さを見せていました。パンチ力はやや乏しい気もしますが、全部の足が力強くて中島向きのパワー。最近、機力でやや劣勢なことが多い中島ですが、今節はしっかり着を並べてV戦線に加わると思います。

 

★白井英治=52号機

 

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 私の前評価ではほぼノーマークも、あのスタート練習を見ては無印にはできません。特に3コーススローで起こしからスリット近辺までのスムースな加速、さらにそこからシュッと出ていく軽快さ、なかなかでした。何か調整をしたのかどうかわかりませんが、最近の英治はこのパターンが多い気もします。5号艇のドリーム戦はやや人気の盲点になりそうなだけに、狙って面白いかも? 

 

★白水勝也=51号機

 

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 地元の整備士さんのイチ押しモーターにも抜擢されている51号機。さすがの気配でした。同班の深川ほどのパンチ力は感じませんでしたが、スリット付近でしっかり追随していく出足~行き足。高いレベルのバランス型というか、安定感の高さを感じましたね。スリット一撃というより、捌いて2・3着を量産するパワーかも知れません。

 

★石野貴之=46号機

 

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 これも下馬評の高いモーターで、白水51号機と同じような安定感だと思います。起こしからの出足~行き足~伸びのツナギが非常にスムースで、死角が少ないパワー。その分、だらだら加速して行くようにも見えて、破壊力は今一つだと思います。この表裏一体の長所短所を「銘柄級の料理人」石野がどんなパワーに変えていくのか。それが楽しみでもありますな。現状のままでは「着をまとめてソツなく予選突破」というイメージが漂います。

 

 他では中田竜太、遠藤エミ、山田康二、松井繁などが中堅上位レベルに見えました。逆にワースト級は寺田千恵だと思います。さてさて、前検タイムです。

 

前検時計TOP10

①山口 剛 6.51

②石野貴之 6.52

③魚谷智之 6.55

 平田忠則

 久田敏之

⑥中村亮太 6.57

⑦白水勝也 6.58

 坪井康晴

⑨長嶋万記 6.59

 篠崎仁志

 

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 あっと驚くツヨポン?? スタート練習ではまったく目立たなかった気がしたのですが……。だらだら伸びる石野の2位もやや意外で、他は想定内ですかね。仁志&魚谷も無事にランクインで、前検段階では魚谷に軍配が上がったようです。ちなみにSS深川は6.65という並みの数字。出足から行き足が武器と思えば、悲観するほどの時計ではないっすね。

 

前検ワースト5

①守田俊介  6.79

 吉川元浩

③江口晃生 6.76

④下條雄太郎 6.75

⑤石渡鉄兵 6.73

 秋山直之

 田口節子

 

 ワーストは俊キチ……まあ、今節はやや減量も出遅れたようで、あるあるパターンですな。どの面々もあまり目立たなかっただけに、パワー劣勢の可能性もあります。ちなみにテラッチは6.70で、45キロの体重も踏まえるとやはり苦しいかも?(text/畠山、photos/シギー中尾)