(モーター抽選前のつぶやき)
BB誌のまた書きになってしまうが、「現状の下関モーターは図抜けたエース機が不在の戦国ムード」が私の推測だ。2連率で断然トップの73号機は近況が一息だし、夏場から急上昇した52号機もやや下降気味(直前の沈没も気になる)。このツートップに人気が偏るようなら、思いきって他のモーターを狙う手もあるだろう。
とはいえ、「コイツで決まり!」みたいな節イチ候補も難しいんだよなぁ。まあ、選手も少数精鋭、機力も団子状態となれば、それはそれでスリリングなチャレカではあるな。前検作業をしっかりチェックして、できる限り節イチに近いお宝パワーを発見したい。現時点での私なりの注目機はこんな感じだ。
◎33号機…安定感抜群のレース足
○46号機…出足強力、競り合いに強い
▲43号機…周年記念で古賀繁輝が活躍
穴39号機…初下ろしから13節中11人がB1
△35号機…夏場まで常に節イチ級伸び
△53号機…周年記念で白井英治が優勝
ちなみにスポーツ報知の井上記者から頂いた閻魔帳では、35号機と40号機が「S」ランク。うーーーん、悩ましい!
(いざ、抽選会場へ)
まるで共学の教室のように、33人の男子と21人の女子が思い思いに座る抽選会場。ビッグレースではこのチャレカでしか見られない、ちょっと不思議な光景だ。で、まずは34個の玉がガラポン機に吸い込まれ、SGチャレカ組=男子全員と紅一点の小野生奈が予備抽選の順番に取っ手を回してゆく。こちらの選手班長は白井英治。久々の地元でのSGとあって、英治の顔は緩みっぱなし。この瞬間を待ち焦がれていたのだろう。
で、選手間で話題のモーターはと言えば、井上記者の閻魔帳どおりの35号機と40号機だったようだ。まずは峰竜太が「40」を引き当てると、「オーーーッ!」の大合唱。が、イジられキャラの峰は、このリアクションをまったく信じない。
「はいはい、毎回言いよる」
と叫び、笑いながらツンと首をソッポに向けた。峰くん、ほんまもんの「S」評価でっせーー!
一方、35号機を引き当てたのは……王者・松井繁! 「35」の玉がポトリと落ちた瞬間、まずは最初にそれを摘んだ白井班長が「お、出たっ、35!」と叫んだ。それに呼応するように、男子レーサーのほぼ全員が「オーーーーーッ!!」。白井班長はじめ、誰もが狙っていたモーターは、やはりコレだった。初下ろしから「誰が乗っても伸びる」と言われた快速35号機。もちろん、これをゲットした松井が黙っているはずもない。男子の合唱に応えるようにガハハと豪快に笑って、こう叫んだ。
「よっしゃ、ノーハンマーや、もうノーハンマーや!!」
自席に戻っても王者節は止まらない。隣に座っていた中島孝平が実は周年記念で35号機を引いており、その中島が王者に何事かを伝えると、王者は両手を付いて“中島先輩”に深々と頭を下げた。
「ありがとうございます、勉強させていただきますーー」
言って、またガハハの高笑い。いやあ、抽選会の王者はいつも機嫌がいいのだが、ここまでゴキゲンなのは初めてだ。桐生~福岡のGI連覇の勢いそのまま、1番人気モーターをGET。賞金ランク6位どころかさらなる高みへ、確かな手応えを感じたに違いない。
以上、選手間の人気ツートップをお伝えしつつ、私の注目モーターも含めた抽選結果を記しておこう。
SGチャレカの注目機
35号機…松井 繁
40号機…峰 竜太
33号機…吉田拡郎
46号機…中田竜太
43号機…篠崎仁志
39号機…白井英治
53号機…前本泰和
さてさて、SGの抽選が終わっても、まだお開きにはならない。選手班長が白井から日高逸子ママに代わって、今度は女子チャレカの抽選に突入だ。こちらの下馬評トップは、文句なしに11号機。次が58号機で、完全に両巨頭体制という前評判が出来上がっていた。“余り物”の中でこの2基だけが井上閻魔帳の「A」なのだから無理もない(SGチャレカの中には「D」評価=田村隆信62号機も入っていた)。果たして海野ゆかりが「11」を引き当てた瞬間、今度は女性陣が「オォーー!」の大歓声。海野はさらりと聞き流していたが、こちらの1番人気モーターもベテランのV候補の手に委ねられた。
女子チャレカの注目機
11号機…海野ゆかり
58号機…細川裕子
はてさて、SGも女子も下馬評どおりの気配なのか。前検の足合わせとスタート練習でしっかり付け合わせをするとしよう。(text/畠山、photos/シギー中尾)