BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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エース12号はホワイトシャーク!!

 

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(抽選前のつぶやき)

 今節のモーターは2連率1~6位がトライアル2nd組、同7~18位が1st組、それ以外(予備モーターあり)がシリーズ組に振り分けられる。当然、TOP6の2nd組が有利としたものだが、実はここに大きな落とし穴が用意されている。その6基の大雑把な見立てを記しておこう。

★★★12号機…エース級

★★★10号機…準エース級

★★8号機…上位~抜群級

★3号機…中堅上位~上位級

▼5号機…中堅上位

▼▼7号機…良くて中堅上位

 つまり8・10・12の偶数機を引き当てたら万々歳の天国モード、3・5・7の奇数なら地獄の1丁目にまっしぐら、ってな感じである。特に7号機は危険すぎる地雷モーターで、夏場に赤岩善生、石野貴之、服部幸男などなど7連続で銘柄級A1レーサーの手に渡り、「一度も優出できなかった」という暗黒の歴史を携えている。BBのインタビューで石野が「ひとつだけ酷いのが混じってて、それを引きそうな気がする」とボヤいたそうだが、間違いなく7号機だろう。2nd組に関しては「誰がエース12号機を引くか」と同じくらい「誰が7号機を引いてしまうのか」が大きなトピックだと思う。

 一方、7~18位の1st組の中には7号機よりもはるかに優秀なモーターが潜んでいる。私のBBの◎39号機の近況は間違いなく抜群レベルだし、行き足~伸びが上昇中の18号機、回り足が強烈な64号機もV候補の一角。下手に7号機を掴んでしまうより、初日から超抜パワーでブイブイ言わせた方が賞金王への近道だと思う。

 シリーズ組では2号機、33号機、76号機あたりがV候補。私事だが、SG前検で◎を打ったレーサーが峰~深川~毒島と3連続で優勝しており、このシリーズは前人未到(笑)のSG4連覇が懸かった一戦でもある。今節もしっかりとVパワーを見出し、GPも含めて一気に5連覇という偉業を成し遂げますぞ~!

 

(いざ、モーター抽選会場へ)

 

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 さすが1年の集大成とも呼ぶべき大一番、会場に集まった選手たち(とりわけトライアル組の18人)はキリリ引き締まった顔つきで、笑顔も雑談もほとんど見られない。最近のSG抽選会では茶目っ気たっぷりに笑いを振りまく松井繁も、何事か思いに耽るような表情でぼんやり前方を見据えている。田中信一郎も、石野もかなり堅い表情に見えた。

 まずは2連率1~6位のモーターを奪い合うトライアル2nd組の抽選からスタート。ここで顔を極端に歪ませたのは、2番目にガラポンを回した石野だった。

「ななばん」

 

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 選手班長の湯川浩司がこう読み上げた瞬間、石野は「うわっ!!」と叫んで泣きそうな顔になり、それから天を仰いで「イヤァァァ」と呟いた。悪い予感が的中してしまった。夏場に苦戦を強いられた7号機が、もっとも大切なシリーズで再び舞い戻ってきた。地元の記者さんの近況評価は、あってはならない「C↓」……去年も低調機と悪戦苦闘しながらファイナルまで駒を進めた石野。今年はさらにハードルの高いトライアルになることだろう。

 

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 一方、住之江が誇るエース12号機を引き当てたのは、白井英治! 本人はどれほど予備知識を持っていたか、「じゅうに」と聞いた瞬間は無表情だったが、周囲の選手や記者がドッと沸いた途端に目ン玉ギラギラのドヤ顔に変わった。この12号機、前々節の4日目にプロペラ交換があって、それから4戦(1・1・4・4着)しか走っていない。白井師匠にそう伝えると、「そっか、しっかりペラを叩き換えるわ」と胸を張って応えた。トップ6の抽選結果は、以下の通り。

 

2nd組モーター

★★★12号機…白井英治

★★★10号機…井口佳典

★★8号機…桐生順平

★3号機…峰 竜太

▼5号機…寺田 祥

▼▼7号機…石野貴之

 

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 2nd組の抽選が終わって、次は1st組の12人の抽選へ。ここでの一番人気は39号機なのだが、4番目にガラポンを回した菊地孝平が見事に引き当てた。会場がまたドッと沸いて、菊地は右手で小さなガッツポーズ。逆に傍らにいた田中信一郎が泣きそうな顔で「キ・ク・ちゃーーーーーん!」と叫んだ。他にも毒島誠=64号機、松井繁=79号機、深川真二=15号機など評判の高いモーターを次々と引き当てたから、信一郎はたまらない。

 

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「(いいモーターを)残さんなぁ。もう、なんもないやろ」

 と呟きながらガラポンへ。地元の記者が「まだ1号機が残ってますよ」と返すと、「ほっか」とガラポンを回しはじめた。そして……「いちばん」!!!! 瞬間、信一郎はニンマリ笑みを浮かべて右手で何度も何度もガッツポーズしたのだった。うーーん、勝負強い! 1st組の注目機は以下の通り。

 

1st組の特注機

★★★39号機…菊地孝平

★★18号機…中田竜太

★★64号機…毒島 誠

★★1号機…田中信一郎

★15号機…深川真二

★79号機…松井 繁

 

 最後は数字の低いモーターばかりのシリーズ組の出番。私がV候補に挙げている76号機を引き当てたのは湯川浩司。うーーん、大阪組はほぼ総じて優良機をゲットしたが、その分のマイナスを石野7号機が引き受けた格好か。シリーズ組の注目機も記しておこう。

 

シリーズ組の注目機

★2号機…芝田浩治

★33号機…萩原秀人

★76号機…湯川浩司

 

(text/畠山、photos/シギー中尾)