BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@シリーズ――特別戦の明暗

 

f:id:boatrace-g-report:20180117092756j:plain

 10Rはシリーズ特別戦。いわばシリーズのドリーム戦だ。そして、“残念グランプリ”とでもいうべきレース。あと少しでベスト18入りを逃した選手たちが戦う一戦である。勝ったのは19位の辻栄蔵。ようするに、1号艇がイン逃げを決めたというわけだが、この1号艇は望んでいた1号艇ではあるまい。

f:id:boatrace-g-report:20180117092806j:plain

 レースは、坪井康晴の3コースツケマイを辻ががっちり受け止めたかたち。レース後、辻は坪井に歩み寄って、笑顔でレースを振り返り合ってた。辻からは持ち前のガハハ笑いも出た! 二人の会話を、横で山口剛が聞いてやはり笑っている。シリーズで戦わなければならない悔しさはあっても、レース自体には手応えを感じられたようである。3日目からはトライアル1st組が6人、シリーズに回ってくる。それも、得点的にはアドバンテージを持って。(シリーズ特別戦は1着から12、10、9、7、6、5。トライアル1stは14、12、11、9、8、7。さらに3日目にはシリーズ特別戦と同じ得点のシリーズ復活戦を走る)。辻も坪井も、ひとまず彼らを迎え撃つための好発進には成功したというところか。

f:id:boatrace-g-report:20180117092816j:plain

 そのレースでは、岡崎恭裕が落水失格。2マーク、湯川浩司を締め、さらにその勢いで先マイを狙ったターンが、やや無理めなものになってしまったか。幸い、大きなケガにつながるものではなく、明日も元気に登場する。着替えを終えたあとは、走って整備室へと向かってもいて、表情的にはバツがわるそうな感じもしたが、身体が無事ならまずは一安心。しかし、選手責任の減点は痛い。2日目にして早くも勝負駆けを強いられる。気合の巻き返しに期待しよう。

f:id:boatrace-g-report:20180117092831j:plain

 その10Rのリプレイを、片岡雅裕がやけに熱心に見つめていた。住之江ピットのど真ん中に吊られているモニターを見上げる姿がやけに印象に残ったのだ。岡崎の落水の瞬間を確かめようと、多くの選手がリプレイに目を留めてたのは事実。しかし、片岡はかなり長い間モニターを見つめていた。自らの戦いに活かせるヒントがそこに見つかっただろうか。片岡も明日はなんとか巻き返したい一人である。

f:id:boatrace-g-report:20180117092840j:plain

 さて、グランプリでも帰宿便のお話。住之江の宿舎は、それほど遠くはないがレース場から離れた場所にあるので、バスが出される。1便出発は10R終了後で、今日は2便制だった。で、10R終了後ということは、グランプリ組は当然、これには乗れないのである。2nd組も、今日は11R発売中と12R発売中にスタート練習があったので、やっぱり乗れない。というわけで、1便はその日の仕事を終えたシリーズ組で占められるという次第なのであった。今日はそのなかに長嶋万記も加わった。SGでは女子が1便で帰るというのはけっこう珍しい光景。先のチャレンジカップでも女子の多くが最後まで残っていたし、早い便で帰るのは男子を含めても登番が上のほうの先輩レーサー。ただ、いつも見ていてちょろりと思うのは、新兵仕事をしなければならない若手はともかく、帰れるなら帰ったほうがいいんじゃないかな、ということだったりする。試運転や整備があるならまだしも、そうでないのに残ろうとするのは結局SGレーサーに対する遠慮、もっと言うと気後れにも見えてしまうからだ。というわけで、マキちゃん、お疲れ様! とバスに乗り込む長嶋には非常にポジティブな思いを抱いたのであった。あ、帰り際に菊地孝平を激励してましたな。宿舎で先輩のトライアルをどんな思いで見ていただろうか。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)