BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――トライアルを見る者見ない者

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 今日ももちろん、10R終了後に帰宿バスの1便が出ている。本来ならこれに乗れなかったかもしれない、前本泰和や深川真二はどんな思いでバスに乗ったのか。乗り込む姿を見ながら、そんなことを考えてしまった。まあ、1便で帰れるウンヌンはあまり頭にないか。ほかに田中信一郎、魚谷智之も1便で帰還。この屈辱が、年が明けて「今年こそ!」の発奮につながると信じたい。

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 10Rのシリーズ復活戦は中田竜太が6コース大まくり! 単騎ガマシからの豪快な一撃だった。これで中田の表情に生気が戻った。控室へと向かう顔は明らかに力強くなっていたし、選手や報道陣から称えられるたびにミルキーな笑顔が浮かんでいた。僕に対しても、「スタート残ってよかったぁ~」なんて言って笑顔で肩をすくめてみせる。悪い流れを断ち切ったと同時に、気持ち的に重いものを吐き出せたようだった。で、中田は勝利者インタビューやら何やらがあったので、1便には乗っていない。またトライアルが始まると、ボートリフト付近にあらわれ、間近で2ndの熱闘を目に焼き付けていた。中田も来年迎える新しい戦いに気持ちが向いていくことだろう。

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 シリーズ組でも、新兵の羽野直也や仲谷颯仁らを含め、最後までピットに残った選手は少なくない。というか、11R発売中にペラ室を覗き込んだら、シリーズ組でけっこう混雑していて驚かされたくらいだ。ざっと名前をあげると、笠原亮、丸岡正典、新田雄史、前田将太、柳沢一、長嶋万記、小野生奈、土屋智則などなど。明日は勝負駆けを戦う者もいれば、そうでない者もいるわけだが、日程的にいえばまだ半分が終わったばかりで、残された戦いに全力を尽くす気持ちは変わらない。明日1号艇で勝負する笠原は、6号艇に深川真二が入ったことを軽く嘆いてはいたが、しかし深くなろうとしっかり逃げようという決意と覚悟はできている。その裏付けを作るために、ペラ叩きの手を休めないのだ。

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 昨日一昨日は1便で帰った長嶋は、得点率的には厳しい位置にいるが、今日は明日以降もしっかり戦うためにペラを叩いた。そして、トライアルの戦いをやはりボートリフト付近で間近で見つめた。その感想は「面白い」。面白いでしょっ! ファンはこれに興奮するんです。そして、選手だってこの戦いに感じる者は多いのだ。長嶋は初めて目の当たりにするグランプリの戦いに、おおいに刺激を受けたようだ。いつかはマキちゃんも、などと軽々しくは言えないが、これは間違いなく大きな経験にはなったことと思う。目を輝かせて語る長嶋は、確実に何かを得て住之江を後にすることになるだろう。この後のクイーンズクライマックスにも絶対に活きる!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)