BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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住之江GPシリーズ戦 準優ダイジェスト

弟弟子、逃げる。

 

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8R

①湯川浩司(大阪)11

②篠崎元志(福岡)18

③今村 豊(山口)12

④中島孝平(福井)17

⑤辻 栄蔵(広島)16

⑥石渡鉄兵(東京)17

 

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 湯川がトップスタートから危なげなく逃げきった。惜しかったのは辻で、ターンの出口から力強く抜け出して完全に2番手をキープ。もはや1-5で決まりか、というムードだったが2マークで異変が起こる。外から内へ切り返した中島に対して、辻は待っての差しを選択。冷静な判断だったしズッポリ差し抜ける展開に見えたのだが、引き波で大きくバウンド、中島に2番手の座を譲り渡した。その後も必死に追い上げた辻だったが、逆に後続に捌かれてズルズル後退。最後はシンガリでゴールラインを通過した。今日はターン回りが甘かったと思う。

 

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 一方、2マークの切り返しで準優チケットを手にした中島は、サイドの掛かりがゴキゲンに見えた。今節の中島54号機は「ストレートはまったく目立たないが、道中で粘りが利く足」という感じで、実にらしいパワーだと思う。その地味ながらしぶとい回り足が、大一番の勝負所でもフル稼働した。6号艇の明日は6コースが濃厚だが、しぶとく舟券に絡む可能性はあると思う。

 湯川の足はストレートを中心に全部の足が強めのバランス型に仕上がった。もちろんシリーズではトップ級のパワーだが、明日は内にいる兄弟子(足色は良く似ている)に対してどう仕掛けられるか。選手班長でスタートもアレだし、あれこれ気を遣う優勝戦ではあるな(笑)。

 

愛弟子、逃げる。

 

9R

①新田雄史(三重)17

②前本泰和(広島)10

③萩原秀人(福井)07

④田村隆信(徳島)11

⑤須藤博倫(埼玉)10

⑥山田康二(佐賀)10

 

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 スリットは微かに波乱を予感させるものだった。2・3コースがスッと覗き、イン新田は半艇身ほど凹んでいる。外の2艇が井口や菊地ならひとたまりもなかっただろうが(笑)、シリーズの準優にそんな怪物パワーはいない。逆に新田がジリジリと伸び返し、1マークの手前ではほぼ外の前本に追いついていた。こうなると、ニュージェネ軍団のターンスピードがモノを言う。1マークをくるり俊敏に回ると、差した前本は3艇身ほども千切れていた。あとはファイナル1号艇への一人旅。2度目のSG制覇に王手をかけつつ、師匠・井口の発奮材料ともなる1着だったはずだ。

 

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 2着は前本で、トライアル組の貫禄?を示した格好だ。パワー的には出足系統が主体のバランス型で、前本にフィットした足だと思う。が、トライアル組だからといってシリーズ優勝戦でも上位と言うほどでもなく、明日は厳しめのパワーだと思っている。

 

兄弟子、逃げる。

 

10R

①田中信一郎(大阪)14

②中田竜太(埼玉) 16

③深川真二(佐賀) 15

④丸岡正典(大阪) 18

⑤坪井康晴(静岡) 19

⑥下條雄太郎(長崎)19

 

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 信一郎が貫禄の逃げきりで1Rからのイン勝ちを継続させた。トライアル1st組でも遜色なかったパワーは健在で、現状のままでも十分に勝ち負けできる足だと思う。もちろん、明日が1号艇だったら、ほぼまったく死角のない優勝候補だっのだが……。明日は弟弟子の湯川とともに、どんな戦法でアウェーの新田を攻略するか。足的には信一郎がやや上だと思っているので、地元のツープラトン攻撃は相応の破壊力を秘めていると思う。

 

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 2着は、中田との攻防に競り勝った深川。日によって伸びが良かったりターン回りが良かったり、逆にそれらがダメだったりと不安定な気がするのだが、天候が大きく変わりそうな明日はSG2冠のチャンスだと思っている。平和島ダービーも当日の途中で気圧が劇的に変わったし。そんな状況でモノを言うのが、百戦錬磨の経験だろう。5号艇という枠番も、むしろプラスに作用する気がしてならない。前検◎の下條が散ってしまった以上、ピットアウトからこの個性派のレースっぷりを心行くまで堪能したい。