BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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大村クイクラTOPICS 4日目

 

ロケットモンキーVer.2

 

11R

①遠藤エミ(滋賀) 05

②海野ゆかり(広島)11

③山川美由紀(香川)13

④細川裕子(愛知) 12

⑤田口節子(岡山) 14

⑥樋口由加里(岡山)13

 

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 やはり、今日もエミは強かった。スタート特訓&展示は海野68号機がキラリ光って見えたが、それを肌で感じたであろうエミは、昨日の小野生奈よろしくスタート力で勝負。コンマ05の弾丸スタートで主導権を握り、伸びる海野を絶好の壁にしてまんまと逃げきった。

 昨日は長嶋の差しに冷や汗をかいた遠藤だが、今日はストレート系が強い海野をターン出口で一気に突き放した。もちろんこれで無傷の2連勝。独断の見立ては「昨日よりターン回りから出口の足=出足系統が強化され、その分行き足~伸びがやや落ちた」だ。つまりはイン向きの足に仕上がっていたし、明日も2コース差しを念頭に置くならぴったりの足色だと思う。トータルとしては中堅上位~上位の下あたりか。ことスリット付近のパンチ力ではやはり海野68号機が節イチだと思っている。

 

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 3着は、2番差しからしぶとい立ち回りで後続を振りきった山川。昨日同様の激しいボートチェイスを強いられたが、今日はストレートもターン回りも昨日より余裕がなさげに見えた。6号艇で②着勝負の明日はもちろんピットアウトから何らかのアクションを起こすはずで、出足系統の強化に向かう可能性が高いと思う。

 

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 4・5着に甘んじた田口&樋口の岡山コンビは、中堅ど真ん中あたりか。山川に追いすがりながらターン回りでやや置かれる感じで、外コースから舟券に絡むには全体的にもうひとパンチ欲しいところだろう。そして、残念だったのは細川の6着だ。昨日はワーストの展示タイムが気になったが、今日の足合わせとスタート特訓を見た限りではその不安もまったくなく、むしろ上位級の足色に見えた。明日は山川同様6号艇②着条件なのだが、こちらはチルト調整も含めてストレート勝負に仕上げる可能性もある。明日の展示タイムには特に注意を払っていただきたい。

 

直接対決なき“一騎打ち”

 

12R

①小野生奈(福岡)12

②寺田千恵(岡山)13

③松本晶恵(群馬)18

④平高奈菜(香川)18

⑤川野芽唯(福岡)23

⑥長嶋万記(静岡)19

 

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 もはや「エミ&生奈のためのシリーズ」と呼んでもいいだろう。昨日はコンマ03のスタート勝負で逃げきった生奈が、今日は横綱相撲のインモンキーを見せた。今日の生奈は例によって朝からひっきりなしに水面に降り、何度も何度も試運転を繰り返した。そのたび伸びたり伸びなかったり回ったり回らなかったり、微妙に足色が違って見えたのだが、本番前に答をしっかり見出したのだろう。スタート展示で下がる感じもなかったし、展示タイムでも余裕の数字を弾き出した。

 

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そして、それを裏付けるように貫禄たっぷりのイン逃走劇。直線だけでなく出口からの足も上々だったから、全体的な底上げがなされたと思っていいだろう。「バランスの取れた中堅上位~上位の下あたり」という見立てが正しいなら、遠藤と同じレベルということになる。うーーん、枠番といいレースっぷりといい足色といい、今節は双子の姉妹のようだな(笑)。明日はともに2号艇でファイナル1号艇を賭けた勝負駆けとなる。イン絶対有利な大村だけに、“先攻”遠藤エミの成績次第で戦術を練るかも??

 

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 2着の寺田は……やはり微妙なパワーだと言わざるを得ない。昨日は引き波で非力さを垣間見せたが、今日はその部分がかなり改善されていた。つまりターン回り中心に出足系統が強化されたと思う。ただ、その分だけストレートが厳しく、バック直線では2艇身近く後方にいた平高にグイグイ詰め寄られ、2マークではほぼ舳先を並ばれていた。2コース向きの足とも言えたのだが、「コッチを強化すればコッチが弱化」みたいなプラマイがかりやすく、やはりトータルとしては中堅ど真ん中という気がしてならない。明日は外枠に山川がいるという厄介な5号艇。勝負駆け条件はさほど厳しくはないが、どのコースから攻めるか。そして、どの足をどう強化できるか。全部の足を上積みできればそれに越したことはないのだが……。

 このテラッチとの2着争いに競り負けた平高は、つまりは真逆の足色だったことになる。ストレートが強めでターン回りはやや弱め。昨日よりはストレート系だけが強化された印象があるのだが、明日は1号艇だけに出足系統へとシフトする可能性は高い。そこに失敗すれば、ちょっと危険なイン選手にもなり得るのだが……。

 

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 3着・松本の足は昨日と同じ「悪くはないけど……」という感じで、ソコソコ追い上げが利いた昨日よりちょっと厳しい足色にも見えた。全部の足が中堅のトータルまんま中堅、みたいな。うーーーん、難しい。特筆すべき欠点もないので、スタートさえ決めれば大村スタイルで逃げきる可能性も低くないし、前付けを食らったら危ないパワーにも思えるし……正直、現時点ではよう分かりません!

 5着・長嶋はやはりコースが遠かったのだ最大の敗因で、センター筋なら十分に勝負駆けを成功させるだけの底力を持っている。そして6着の川野は道中の直線ではほんのちょっぴり光るものを感じたのだが、ターン回りに余裕がなかった。でも、なんとなくドカーーンがありそうな雰囲気を感じてるんだよなぁ。単なる穴党の贔屓目かもしれないけれど……。

 

シリーズTOPICS

 

THE勝負駆け★予選トップ争い

竹井が逆転トップ!

 

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 ここは大村、V戦線を占うという意味では準優ボーダーより予選トップ争いが何倍も何倍も重要だ。昨日までの暫定順位は①中谷朋子、②廣中智紗衣、③竹井奈美という並び。もちろん予選トップの重さを知っている中谷は、5R6号艇で前付け戦法に打って出た。他艇に抵抗されて5コース止まりではあったが、ここからしっかり捌いて2着キープ。暫定トップの座を維持した。

 

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 一方、昨日まで3位の竹井は6R4号艇での参戦。こちらも4コースから危なげなく2着を取りきり、首位の中谷にガッチリ食い下がった。この時点でトップ争いは、廣中も加えた三つ巴の大接戦。後半はそれぞれ1走ずつで10Rが竹井vs廣中の直接対決なのだが、もちろん自力トップの権利を持っているのは9Rの中谷だった。

「①着なら文句なし、②着でも10R6号艇の廣中がが勝たない限りはトップ当選」。そんな条件で4号艇の4カドからスタートした中谷だったが、攻めきれずに4着敗退。

 

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この時点で自力の可能性は10Rの竹井&廣中=「②着以内で先着した方がトップ、ともに③着以下なら中谷」に移行した。そして、その10Rは5コースの藤原菜希がまくり差しで突き抜けるという大波乱になった。

 

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予選トップ争いとしては竹井vs廣中の2着争いが焦点になったわけだが、終始優位な2番手をキープし続けた竹井が廣中の追撃を振り払い、明日の10R1号艇へと続くゴールを駆け抜けた。優勝に大きく近づく2着、と言っていいだろう。

 

THE勝負駆け★準優ボーダー争い

大穴娘ナツキ、躍動!

 

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 一方のボーダー勝負駆けは、劇的な成績でゴボー抜き予選突破、みたいなサプライズ・ヒロインはいなかった。ひとり取り挙げるなら「3号艇で1着、4号艇で2着」という見事な成績で昨日の31位から一気に浮上した守屋美穂なのだが……わずかに及ばず次点の19位まで! かなり劣勢だったパワーにも光が射し、力量的にも準優で十分に戦えるミポリンだけに残念すぎる19位ではあった。

 

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 一方、もっとも豪快なレースで準優に勝ち上がったのは、先にも触れた藤原菜希だろう。4カド谷川里江のまくりに連動したとはいえ、2日目から1~3コースばかりが勝ち続けた(ほとんどインコースだ)大村水面で、5コースから大技を決めたのである。バックで競り勝った相手が竹井というのも価値が高いし、この1着で5位まで巻き返したのもでかい。「空手の世界チャンピオン」として鳴り物入りでやまと学校に入りつつ、デビューしてから長きに渡って低迷した印象もある菜希。その一方で「何コースからでも徹底して握る生粋のまくり屋」として東京の穴党ファンの心を魅了し続けたレーサーでもある(もちろん今では全国的に有名になったが)。この穴娘にとって、今日の500倍は単なる挨拶代わり、さらにでかい舞台で北斗百裂拳レベルの大技を繰り出すかも? うん、そのためにも、明日は2着でこっそりとファイナルに紛れ込んでもらいたいな(笑)。

 

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 それから、4800番台の若き大器として知られる大山千広と中村桃佳もしっかり予選を突破した。ただし、パワー的には日に日に差が開いており、今日の桃佳が抜群レベルだったのに対して、千広のそれは中堅以下だったと思っている。明日はとりわけ千広の足色をチェックし、ファイナリストたれるパワーか否かを見極めたい。(text/畠山。photos/シギー中尾)