BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――いざ、勝負駆け!の12人

 さすがにトライアル最終戦。今朝は動き出しが総じて早いように思えた。というわけで12人、いってみよう。

 

小野生奈……動き出しが早い、と言いつつも、小野はマイペースで過ごしているように見えた。ペラ叩きなどの作業もまだ本格化しておらず、もろもろの取材に応えている姿のほうを多く見かけた。

遠藤エミ……今日も整備室内の隅の臨時ペラ調整所。ただし、今日はすでにボートが係留所にあって、水面とこの場所の往復を繰り返す構えだ。その隣には、やはり今井美亜。

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長嶋万記……1R発売中から試運転をしており、ペラ室との往復を繰り返す。足合わせをした五反田忍と長く話し合う場面も。勝負がかかる第3戦、早くも精力的な動きを見せる。ただ、それほど肩に力が入っている雰囲気ではなく、表情は明るい。

寺田千恵……水面際のベンチで、中尾カメラマンと話し込んでいた。熟年夫婦の穏やかな朝……とか言ったら怒られるか。テラッチの雰囲気は前検日あたりから一貫して変わらない。歩くスピードが遅いという話はすでに書いてきたが、一言で言えば、静か、である。

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細川裕子……比較的マイペースに見えた一人。ボートサイドでの作業を見かけた程度だった。丁寧な作業ぶりだ。昨日は大敗だったが、やはり足的には大きな問題がないということか。

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松本晶恵……1R発売中にはすでに着水しており、ペラ調整と試運転を入念に。勝負駆けの1号艇ということで気合が入る。といっても、表情はいつもと変わらない。ただ、やはり忙しそうな素振りで、昨年のクイクラ優勝戦の直前を思い出した。本当にギリギリまでペラを叩いていたのだ。あ、今年のレディースチャンピオン優勝戦の日もそうだったか。勝負どころの松本晶恵、の姿である。

海野ゆかり……プロペラ調整室で作業。ちなみに、室内での場所はモニターの真ん前。レースなどがいちばん見やすい場所だが、全艇がスリットを超えてもまだペラを見つめているときもあった。かなりの集中力で作業しているのだ。

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山川美由紀……6号艇で進入から注目される存在。朝のスタート特訓では、インコースから1本、6コースから1本。ただし6コース時の起こしは80mを切っていた。コースはどこになっても深い位置を想定しているわけだ。それでもつ足を、ということで早くからボートを着水し、忙しそうにペラ叩きと試運転を繰り返していた。陸の上でつけているのはもちろん黄色のマスク。

平高奈菜……整備室で機歴簿に見入る姿があった。1号艇の勝負駆けで必勝の一戦。パワーアップのヒントを機歴から探し出そうとしているのだろう。

川野芽唯……優出は絶望的と言っていいポジションも、懸命に動く姿に緩みは感じられない。優出しようがしまいが、全力を尽くす姿勢に変わりはないのだ。

樋口由加里……こちらも全力で戦う! ただ、序盤に少し不測の事態が。1Rで福島陽子が転覆、その福島は4R出走と中2レースしかないため、転覆整備をヘルプに加わっていたのだ。2R、3Rともに岡山勢の出走があって手が足りていないため、これは致し方ない。だからテラッチもいたし、岩崎芳美らもヘルプに加わっている。その甲斐あってちょうど2R終了の頃にモーターは組み直された。さあ、ここから樋口は陸の上も水の上も走りまくる!

田口節子……1R発売中に試運転をいったん切り上げて、陸での作業に移っている。田口も同様に厳しい状況も、決して手を緩めることなどありえないのだ。

 

 直前にグランプリを体感しているせいか、勝負駆けのヒリヒリ感はまだそれほど実感できなかった。しかし、調整が進み、レースが近づくにつれ、その感覚が強くなっていくだろう。12人は誰もが、戦士の顔になっていくのだ。

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 シリーズ組。予選トップの竹井奈美、2位の中谷朋子もトライアル組と同様に、朝から精力的な動きである。ペラに試運転。まあ、これは彼女たちの「いつも通り」ではある。竹井にしろ、中谷にしろ、普段から水面を走りまくるし、調整もとことんやるし、時には樋口由加里ばりにピット内を走っていたりする。中谷は向こうからこちらに挨拶してくれたが、その表情には透明感もあって、いい雰囲気であった。

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 一方、18位の渡邉優美は本体を割っていた。一時は諦めかけた準優行き。まあ、諦めさせたのは私でありますが、準優に乗ったからにはやはり渾身の戦いで優出を目指すのみだ。そのための勝負整備、であろう。これが奏功するかどうか。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)