BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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福岡マスターズTOPICS 3日目

F組の暗躍

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 モーターの噴き過ぎでハミ出してしまったのか、今節フライングを切った面々の足色がすこぶる目立っている。中でもトップ級は山一鉄也。とにかく展示タイムが素晴らしく、Fに散った初日のそれは同じレースの野添貴裕よりコンマ01速かった。2日目の2Rは野添に逆転されたが同日の2位タイム。今日も5位だったから、ストレート足は間違いなくトップレベル。さらに道中の接戦でも、先行する太田和美(←平凡パワーではある)を軽々と追い抜いてみせた。フライングがなければ、おそらく予選突破~準優でも抜群のパワーを見せたはずだ。

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 同じく初日にハミ出した三角哲男の足も強烈。こちらは回り足が凄まじく、それは展示航走を見てもらえばわかる。3日間とも、ターンごとに前の艇にぐんぐん追いつき、2周1マーク(3回目のターン)では「追い抜いてしまう??」と心配してしまうほど(笑)接近しているのだ。今日の実戦でもバック離れた最後方から、2度の小回りターンで3着争いに食い込んでしまった。その後の展開が悪く結果的に5着も、道中の足色は断然のトップ。課題はスタートでドカ遅れが続いているが、スリット同体まで踏み込めればアウトからでも「抜き」の1着がありえるだろう。

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 それから、山川美由紀の実戦足も侮れない。昨日は太田との接戦で圧倒的なパワー勝ちを感じさせたし、今日も道中最後方からターンマークごとに差を詰め、ミラクルな3着で大穴を演出。こちらもターン回りが抜群で、おそらく乗り心地も上々なのだろう。接戦になればなるほど強みを発揮するパワーと見た。

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 明日以降も外枠を余儀なくされるフライング組。これだけのパワーがあるのだから、逆に「大穴ゲットのチャンス」と考えて積極的に舟券に絡めていきたい。え、もうひとりFを切った選手がいる?? うーーん、あのお方は今日もターンマークごとに千切れていたし、6号艇でもそれなりの人気を背負うし、ちょっと舟券的な扱いが難しいっすね!(苦笑)。

V候補のパワー評価

 混戦模様のV争いについて、独断のパワー評価とともに分析してみたい。まず、F組と脱落組を除く面々からパワー上位を列挙すると……
★S級(抜群候補)=野添貴裕15号機
★A級(上位候補)=渡邉英児18号機、仲口博崇32号機、柏野幸二31号機、今村豊57号機、石川真二71号機、寺田千恵24号機

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 こんな感じだろうか。現状の節イチパワーはすでにバレバレだが野添。前検では見落とし、初日の足色を見て「A」に加えたのだが、やはり強い。特に行き足が強力で、今日の12Rのミスター今村との直接対決でもスリットほぼ同体からスーーッと煽るように出て行った。一撃で突き抜けるほどの破壊力ではないが、ドングリ状態の今節のパワー市場では大きな武器と言えるだろう。出足系統に関しても、ミスターを一撃で差しきったレース足を見る限り上位レベルだ。明日の野添は11R6号艇1回走りで、①着なら文句なしの自力トップ確定。前半のミスター今村の成績によってはさらに楽な条件になる可能性もあるが、この難関をどうクリアするか。15号機の底力をチェックするとしよう。
 Aランクの面々は、初日に抜擢した寺田千恵以外はすべて前検からの据え置きメンバーだ。それぞれ一長一短があってやや採点が甘い選手もいそうだが、やたらとB(中堅)前後が多い今節の中では、やはり「上位」とみなして差し支えないだろう。

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 ただ、もっとも甘い評価かもしれないのが2連覇を目指すミスター今村57号機だな。直線も出足系も中堅よりちょっと強めで、これと言って主張すべき取り柄が見当たらない。今節はとにかく全速のスタート攻勢でポイントを加算してきた。正直、「中堅上位」が正鵠を射ている気もするのだが、今日の展示タイム(福岡3場の数値はかなり信頼できる)も野添とコンマ01差だったし、とりあえずAとしておこう。

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 逆にA+あたりかもしれないのが渡邉英児18号機。「BB誌の◎」だからというエコ贔屓?? うーーん、確かにこのパワーもさほど目立った取り柄はないのだが、全部の足がすべて上位級でまとまっていて、トータル節ニではないかと勝手に思っている。今節のような混戦ムードの中では、こうしたバランス型がより活躍する気もするのだが、どうか。
 前検で大抜擢した仲口32号機は、今日になってピンピン連勝と気を吐いてくれた。片やイン逃げ、片や絶好の進入隊形から4カドひとまくりという連勝ではあったが、課題だった回り足にも戦える目途が立ったと思う。もちろんストレートは野添の次位あたりで強力。日に日に少しずつ出足系統に寄っている気もするが、スリットで主導権を握れるだけの伸びはキープしている。
 柏野幸二31号機は地味ながらも全部の足が強めのバランス型で、「英児18号機よりほんの一回り小ぶりな良機」というイメージ。自力で突き抜けるパンチ力には乏しいけれど、それなりの美味しい展開があればいつでも頭に立てる足だと思う。

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 で、もっとも気になるのが石川71号機。準エースとしてはやや物足りない部分もあるが、やはり足はしっかりしていて間違いなく上位。今節は「マスターズ×福岡水面」という特性のせいか、パワー勝負よりも進入のもつれによる展開勝負→大穴決着というパターンがやたらと多く、その意味でも石川には準優の外枠に残ってもらいたい。でもって明日の勝負駆けは、2R6号艇でのメイチ①着条件! 地元の個性派レーサー&準エース機の持ち味をすべて出し尽くして、賞典レースにさらなる興奮を与えてもらいたい。
 さてさて、以上のパワー評価を踏まえてVの最有力候補は……正直、わかりませんっ!! ここは福岡、予選1位だからと言って「Vの花道」とは呼べないし、時々刻々に変化するうねりも予想できないし、何よりも石川真二や倉谷和信、田頭実、服部幸男などなど「外枠から動きそうな選手がどれだけ生き残るか」でもV戦線は大きく変わってくる。ごくごく個人的な思いとしては……はい、45歳の新入生よりも同世代のミスターや西山昇一に獲ってもらいたいっす!!(text/畠山、photos/シギー中尾)