BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――いつも通り

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 64年ぶり徳山SG開幕! と言いつつも、いざ戦いが始まれば、選手たちの動き、戦いぶりは通常のSGと変わらない。開会式では山口勢が気合のこもった言葉を披露してくれたが、彼らもその思いを胸に抱きつつ、ひたすら戦いへの準備を進めるのみ。今村豊にしても白井英治にしても寺田祥にしても、その様子を見ている限りにはいつも通りの動きで過ごしているわけである。

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 梅雨時のSGらしく、朝から雨も落ち、湿度も高い。さらに昨日は変則的な前検で、今日はそうでなくとも慌ただしい初日である。みな動き出しは早いし、係留所にはボートがずらり並び、ペラ調整所の人口密度は相当に高くなっている。
 吉田拡郎は本体を外した。11R1回乗りで時間がたっぷりある今日は、まず本体整備から取り掛かったわけだ。2R発売中には再装着しており、大掛かりな整備とは見えなかった。長田頼宗も本体整備。こちらは1R展示が終わるころには整備を終えて、モーターに積むや否や、試運転へと飛び出している。序盤の時間帯で本体に手をつけていたのは、この二人だけだった。
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 いちいちメモしたわけではないけれども、1R発売中だけでおそらく、1R出走選手以外のすべての選手を視界にとらえたのではないか。そう確信できるほど、選手たちの作業は急ピッチで行なわれていたのだった。これはもう、ほんの1カ月前に尼崎で見た初日の光景と同じ。おそらく64年前の徳山も、さまざまなものがぜんぜん変わっているだろうが、大筋では同様だったことだろう。

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 1Rは、1カ月前の尼崎最終レースを逃げ切った中島孝平が1着。SGをまたいで2レース連続逃げ切り、である。尼崎ではとびきりの笑顔を見せていた中島も、予選のひとつの勝ち星のあとではいつも通りの淡々とした雰囲気。まあ、SG優勝戦と初日1Rが違うのは当たり前か。これが中島孝平らしさであり、1カ月前はスペシャルな中島孝平だったわけだ。

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 2Rを勝ったのは池田浩二だ。こちらは歩み寄ってきた須藤博倫に声をかけられ、満面の笑み! 初戦快勝に気分上々の様子である。ピットでの池田は、想像以上に笑顔が多い。というか、選手紹介などとはまるで違う、おどけた様子を見せているものである。ヒロリンがにこやかに近づいてきたら、笑い返すのが池田浩二。というわけで、池田らしさが満開になったシーン、ということも言えたわけである。
 というわけで、徳山64年ぶりSGという特別な一節も、いつも通りに開幕しました。一節間、特別性も意識しつつ、いつも通りに熱くなっていこう!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)