BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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徳山グラチャンTOPICS 初日

今日の地元・最強トリオ

 64年ぶりの徳山SGだからして、今節はしっかりと地元三羽烏の気配と活躍ぶりを活字にしていきたい。今日の3人の成績は、こうだ。

★寺田祥…4R2号艇=2着、9R3号艇2着
★今村豊…8R2号艇=2着
★白井英治…12Rドリーム3号艇=3着

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 先陣を切ったのは4Rの寺田。2号艇の2コースから差しを選択したが、逃げる服部幸男を捕まえきれなかった。昨日、前検トップのS級に指名した身としては、いささか物足りない足色にも見えたな。特にターンの出口から押して行くレース足。ターンの瞬間には「差さるかも?」というムードから、服部にスッと突き放されてしまった。もちろん、逃げる方が断然有利だからして「不安アリ」というレベルではない。このレースの見立ては「直線A+、出足B+」でトータルAランク。

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 後半の9Rは3号艇の3コースからまくり差しが届かずこれまた2着。最大の敗因はスタートの出負けか。イン新田雄史より半艇身以上凹んでしまっては、さすがに差しきれない。新田がワースト級だけに、スリット同体なら豪快に突き刺さっていたと思う。
 で、この後半の足色は、前半のそれとはやや違って見えた。おそらく寺田自身も「ターンの出口が物足りない」と考え、ストレートを殺して出足を強化したのではないか。3番手の守田俊介に対して直線ごとに追い詰められ、ターンごとにやや突き放すという攻防が続いた。私の見立ては「直線B+、出足A」でギリギリA評価。このチェイスに限って言えば、俊介の方が上(直線A+、出足A)だったと思う。
 つまりは昨日のS評価からAに格下げになったわけだが、十分に戦えるレベル=優勝を狙えるパワーではある。しっかり調整を合わせきれば、S復帰もありえるだろう。明日の寺ショーは5号艇の1回走。直線足を強化して自力で攻めきれるかどうか、序盤の試金石になりそうな一戦だ。

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 続いて、長州の総大将・今村豊。今日の8Rは2コースから差して届かず2着と、こちらも無難に8ポイントをゲットした。昨日の段階で寺田ほど評価していなかったから、足色にも不満はない。逃げる田村隆信をしっかり追い上げつつ、後続との差を広げたパワーは「直線B+、出足B+」でトータルもB+。バランスの取れた中堅上位だと思っている。現状の足にターン回りの迫力、または行き足~伸びなどの特長が付けば、すぐにでもAに昇格したいほど。5号艇&3号艇の明日に向けてどれだけ上積みできるか、地元の大ベテランの手腕に期待したい。

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 そしてそして、今日のトリを務めたのが白井英治。ドリーム戦は3号艇で3着(3カドに引いたがスリット横一線まで)と無難な成績だったが、パワー的な強調材料は随所に見られた。と言うか、峰竜太とのガチンコ3着争いに競り勝った迫力はどうだ。
 まずは2周1マーク、2艇身後方の外から全速の握りマイで一撃逆転。あの峰が道中で外から抜かれる光景って、何年に一度くらいの珍事だろう。まあ、あれはパワーより気合勝ちでもあった。その後、背後から追いすがる峰をターンマークごとにきっちり完封したレース足! パワー的には、あの安定感抜群の出足系統こそ高く評価すべきだろう。峰32号機もB+かそれ以上はありそうな好パワーだからして、今日の白井の実戦足は少なくともAランク。あるいはS級に近いものだったかも? 明日の白井は6号艇&2号艇の重要な2回走だが、今日の足を維持できれば大敗は考えにくい。
 結論。地元の三羽烏はともにV戦線を戦い抜ける足。今日の段階では、胸を張ってこう記しておきたい。

今日のトップ足は、あの女傑!?

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 地元三羽烏以外のパワー評価も記しておこう。今日、もっともゴキゲンに見えたのは小野生奈・53号機! BB誌の鑑定で◎に推したモーターだけに贔屓目もありそうだが、私が期待していた軽快な回り足&引き波を力強く超えるレース足が随所に見られた。競った相手はゆうに中堅パワーがありそうな平本真之と須藤博倫。熾烈な3艇旋回を制して逆転の3着をもぎ取った足色はA+~Sが相応しい(もちろん男前なターンも天晴れの一語!)。
 この53号機の直線足はチョボチョボという評価なのだが、その弱点を軽量の生奈が補ってもいる。そこも含めての合わせ技Sランクとしておきたい。でもって明日の生奈は好枠の3号艇ながら、外に菊地・松井・田村が居並ぶという「死のグループ」に配属された。6コース単騎までありえる苦境の中、53号機とともにどこまで勝ち点を上積みできるか。こっそりと舟券に絡ませつつ声援を送りたい。

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 この生奈に続く2番手パワーは、前述の俊介・66号機。前節で中村亮太が超抜に仕上げ、ファイナル1号艇(惜しくも準V)を勝ち取ったパワー&リズムが今日の水面にも投影されていた。9Rの俊介の展示タイムは他の5人を圧倒していたのだが、まさにレア中のレアな出来事。難関の6号艇が待ち受けている明日も、軽視禁物とお伝えしておこう。直線・出足系統ともにA+評価だ。
 他では濱野谷憲吾のレース足も強めだったし、赤岩善生の回り足もゴキゲン、前田将太(前半6着は1マークで前が詰まった)も上位レベルと、前検の見立てからほとんど変わっていない。あ、Aランクの中では、後半9Rの湯川浩司の直線足が振るわなかったのはマイナス材料だな。

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常に大穴を警戒したいのは長嶋万記19号機で、スリット後の伸び足は天下一品。今日の1号艇でひとりだけ舟券に絡めなかった万記だけに、外枠から3着に食い込むだけでも配当が跳ね上がるだろう。

初日の独断パワー番付

★S級…小野生奈
★A+級…守田俊介
★A級…白井英治、寺田祥、濱野谷憲吾、赤岩善生
★張り出しA候補…湯川浩司、今村豊
★大穴注意…長嶋万記(伸びだけS級)、久田敏之(Fで人気下落するようなら……)
(text/畠山、photos/シギー中尾)