BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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丸亀メモリアルTOPICS 4日目

THE勝負駆け①予選トップ争い
残念すぎる圧勝トップ

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「毒島の時代」が到来したのか。SG連覇を狙う毒島誠が、ブッチギリの強さで予選ゴールのテープを切った。昨日、暫定トップに立った時点ですでに自力当選の権利をゲット。ただし、2位の西山貴浩が4R&8R(毒島との直接対決)をともに勝てばトップに立つため、「W自力権利」という状況でもあった。
 いざ、勝負駆け。8R一発勝負の毒島は、ライバルの前半着順を待つ立場だった。まずは4Rの②峰竜太vs④西山の直接対決。道中で先頭に立った峰を、伏兵の大池佑来が強烈な差しハンドルで撃破。峰2着、西山6着で毒島がかなり優位に立った。この時点では、「8R②着でトップ当選」だ。

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 さらに6Rで④井口佳典がイン山田康二を捕えきれずに2着惜敗。これで毒島の条件はさらに緩和され、「8R2号艇で③着以内」となった。果報は寝て待て、か。
 明暗を分かつ8R。このレースは準優ボーダーを目指す松井繁、前本泰和が外枠に配置され、進入から混戦ムードが漂っていた。「ブス君はそのふたりを入れての4カドか」と見ていたのだが、すんなり枠番を主張してやや深くなる2コースを選択(あるいはこれが「メイチ①着勝負」だったりしたら、違う作戦を採用したかも?)。
 いざ実戦は、毒島5連勝=断然トップのためにお膳立てされたような展開になった。4カドの磯部誠が強烈なまくりでインの西山に襲い掛かり、西山もこれに激しく応戦。その競りに乗じて、毒島は広々とした内水域に悠然と差しハンドルを突き刺していた。これが、絶好調のレーサーだけが持ち得る「流れ」というものだろう。2マークで一人旅に持ち込んだ毒島は、例によって緩めることのない全力疾走で予選トップのゴールを駆け抜けた。強い。凡機を名機に変える整備力あり、ロケットピット離れあり、変幻自在の知略あり、それを成功させるスタート力とターンスピードあり、さらには天に君臨するための運もあり……お世辞でもなんでもなく、ここ数カ月の毒島には死角らしい死角がまったく見当たらない。まさに「毒島の時代」が到来した気がしてならない。

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 で、毒島には申し訳ないのだが、今日の圧倒的予選トップ当選を、私はいささか残念に思っている。ただ逃げることだけに集中するであろう1号艇ではなく、2・3号艇あたりから自由自在神出鬼没変幻自在に躍動する毒島を、準優&優勝戦で見たかったから。そんなことを考える私は、知らず知らずに魅惑的な“ポイズン”の依存症患者になっているのかも知れない。

THE勝負駆け②準優ボーダー争い
地元の意地、エースの貫禄

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 今節の丸亀水面は「強風が吹けば外枠が儲かる」的な波乱を秘めたムードがあり、たとえ準優の6号艇であっても優出のチャンスは十二分にありそうだ。そんな意味でも重要な準優ボーダー争い、1Rで真っ先に予選終了=当確ランプを点したのが地元の片岡雅裕だった。勝負駆け条件はメイチ①着(最終ボーダー的には②着でもOKではあった)。もちろん4カドの片岡は自力まくりで決めたかっただろうが、スリット横一線で身動きが取れずに二番差しを選択。さすがに1着は難しい戦法かと見ていたところ、複数の引き波を力強く乗り越え、さらにバック最内をすいすい伸びて一気に先頭に突き抜けていた。私の片岡24号機の評価は「ぴったり中堅上位」としていたのだが、今日のあのレース足は上位に入れてもいいだろう。

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 続く2Rでも、地元の重成一人が準優入りを決定付けた。こちらは「6号艇で④着条件」という微妙な勝負駆け。6コース勝負もありえる条件だが、重成はゴリゴリ動いてスローの4コースを選択。スリットほぼ同体からこれまた片岡同様の二番差しを選択し、的確な捌きで3着6点を確保した。勝負駆けの日は「地元の気合」が空回りすることも多々あるのだが、今日のふたりは実に冷静だったな。明日の準優も仲良く5号艇。今節の1~3日目に穴を何発も開けている艇番だけに、是非とも舟券に絡めてみたい。

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 1Rに戻る。片岡とともに、予選完走で準優入りを決めたのが濱野谷憲吾だ。「2コースの一番差しが4コースの二番差しに屈する」というレースではあったが、道中はゴキゲンな実戦足で2着=6・40フィニッシュ。東京支部5人衆(石渡鉄兵は帰郷)の中で唯一ボーダーを突破し、東都のエースとしての最低ノルマをクリアした。明日は地元勢と同じ5号艇。6号艇に松井がいるのが厄介だが、自慢の行き足をフル活用できるコースで真っ向勝負してもらいたい。

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 最後は珍記録(?)。6Rのイン逃げで予選5・83まで引き上げた山田康二だったが、もちろんその時点で当確ランプは点らない。その後は19位と18位、つまり生死の境を彷徨い続けた。で、もしも最終的に落選したらば、山田が継続しているある記録も途絶えてしまう大ピンチでもあった。その記録とは、初出場の2014年ダービー(準優3着)から続いている「無傷のSG予選突破」。一度も予選落ちすることなく、山田は7連続でSG準優に参戦している(うち優出2回)。記録更新かストップか。今日はその境界線をもアッチコッチ往来したわけだ。そして……予断を許さぬ状況が続いた11R、中島孝平が惜しくもボーダー圏外に脱落した瞬間、山田に当確ランプが点るとともに、「無傷の8連続予選突破」も決まったのだった。せっかくの素晴らしい記録なので、できれば山田には引退するまで100回くらいこの記録を更新し続けてもらいたい(笑)。