BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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浜名湖ヤングダービーTOPICS 初日

四天王vs女子軍団??

 反省とともに、昨日のパワー評価をおさらいしておこう。私がAランクに選んだのは以下の6組だったが……。

★松尾 充=48号機
★西野雄貴=34号機
★上條暢嵩=62号機
★高野哲史=5号機
★村岡賢人=29号機
★北山康介=33号機

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 この中で、村岡と北山は文句なしの超抜ムード。どちらもスリット前後の行き足が半端なかったし、村岡29号機はピット離れやサイドの掛かりまでトップ級に見えた。で、今日のふたりは10Rで早くも直接対決が実現。しかも5号艇の村岡がスーパーピット離れで3コースまで侵攻したため、2・3コースに2艇が並ぶという緊迫した状況が生まれた。

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 そして、起こしから絵にかいたような競り合いに……F2の北山がやや控えめに発進したところ、外から強烈な出足を利かせた村岡29号が煽る煽る。このまま一気に絞めきるかと思ったスリット直後、今度は北山33号が猛烈に伸び返して村岡を外へと弾いていた。この一連の光景とバックでの足比べを見ての結論は「今日の両者の足は、村岡29号がやや手前側、北山33号がスリット後」と断言していいだろう。いずれにしても、ストレート足そのものが他艇より強めではあるのだが。
 一方、昨日の記事で絶賛した西野と高野は、今日のところはまったくの凡パワー。スリットから出て行く雰囲気もなかったし、道中の競り合いでもかなりボコられていた。「今日の気象状況が合ってなかったかも?」などという言い訳が利かないほどの低調ぶりで、素直に見立て違いと言わざるを得ない。穴パワーとして注目した松尾充48号機も、ちょいと期待倒れだったなぁ。うーーん、すいませんっ!!
 で、それ以上に反省すべきは、実戦でメチャクチャ噴いていた2つのパワーを前検で見落としていたことだ。
 椎名豊61号機と河野真也16号機!!

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 今日のふたりは2回走だったのだが、どっちも前半戦の足を見てぶっ飛んでしまった。まずは1Rの河野。1マークは握って届かず、バック直線は2着争いに。「舳先を揃えた3艇の大外」というもっとも不利な態勢に見えたものだが、2マークまでに力強く伸びて半分ほど覗き、そこから全速のぶん回しで他の2艇を置き去りにしてしまった。その相手のひとりが西野だっただけに、視覚的な衝撃もひとしおだったなぁ(その後方には高野も……)。さらに、後半9Rの河野は5コースから一撃のまくり差しで大穴を提供。展開の利があったとは言え、ターンの出口からグイグイ出て行く様はやはり強烈なインパクトだった。
 実はこの16号機、私がBB誌10月号や昨日のモーター抽選記事で「危険な銘柄モーター」と思いきり軽視していたパワーでもあった。おそらく、そんな先入観から昨日は歯牙にもかけなかったのだろう。ひたすら反省。

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 もう一基、椎名61号機の2Rのインパクトも半端なかった。2コースから発進した椎名は、起こし位置もスリットもイン北野輝季とまったく一緒。が、そこからの行き足がケタチだ。あっという間に半艇身ほど覗き、1マーク手前で「まくりも差しもあり」という有利な態勢を築き上げていた。椎名の選択は、差し。落とした瞬間、3コース丸野一樹の握りマイの引き波をモロに食らったように見えたが、軽々と乗り越えて北野を捕えきった。素晴らしいパワーだ。で、後半8Rの椎名は6コースからしっかり捌いて3着ゲット。道中の競り合いから抜け出して行く足色も、他艇(ひとりは西野……)とは別格に見えたものだ。
 今日のパワー鑑定をまとめよう。
「初日に関しては、村岡、北山、椎名、河野がS級の四天王パワーで、甲乙を付け難いほどすべて強力だった」
 ピット離れやサイドの掛かりの鋭さも含めると、やはり村岡が節イチの最有力候補かも。明日以降も、この4人は絶対に軽視してはならない、とお伝えしておこう。バレバレだけど。

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 それからそれから、ストレート足で目を引いたのが女子軍団だった。軽量の利があるとは言え、よくよく伸びていた。特に強烈だったのは竹井奈美と中村桃佳。奈美は道中の競り合いで優勢な伸び足を利して6号艇3着&3号艇2着をゲット。上々の滑り出しだし、明日以降も常に一発を警戒したいパワーだ。

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 桃佳の直線も負けず劣らず強力だった。6Rはスリットから道中から北山33号機と火花の散るようなデッドヒート。桃佳の足はターンの出口から100mあたりまでが優勢で、そこから先は北山に分があるように見えた。惜しくも競り負けて2着だったものの、節イチ候補と対等に渡り合ったのだから落ち込む必要はないだろう。

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 後半11Rの桃佳はインから危なげなく逃げきって、トータル18点をゲット。やはり起こしからスリット付近までの足が軽快で、出足系統もかなり仕上がっていると思う。勝ちタイムの1分48秒8は今日のトップ時計でもあり、あるいは“四天王”と同レベルかも?? そうそう、トップ時計と言えば1Rの大山千広も1分48秒8のトップタイ!! 昨日の記事で「伸びが心配」と記したものだが、どうやら杞憂だったようだ。

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 最後に、いつも気になって仕方がない西川昌希。今日はすんなりの逃げきりで特筆すべきエピソードはなかったが、明日の8Rは待ちに待った6号艇。1号艇が同県の松尾拓であっても、おそらくこの曲者はガチでインを奪いに行くだろう。80mを切る起こしになっても、ギリギリ持ちこたえられるだけの出足はある、とお伝えしておく。(text/畠山、photos/シギー中尾)