BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――気合の調整

f:id:boatrace-g-report:20180923120858j:plain

 5日目(最終日の前日)はボート洗浄の日。その日のレースを終えた選手のボートが、洗剤で洗われる。多くの場は選手が協力し合ってこれを行ない、もちろん準優組とか一般戦組とかは関係ない。1Rでは秋元哲が1回乗りで、試運転の予定もないのでボートは洗浄場に運ばれた(試運転する選手は、試運転が終わったあとに行なわれる)。ここには、椎名豊、関浩哉の準優1号艇組が当然加わる。関東地区の先輩の洗浄作業は必須だ。このレースには東海勢の出走がなかったが、それもあって西川昌希の中嶋健一郎も加わった。手が空いていれば、地区も関係なく協力する。

f:id:boatrace-g-report:20180923120923j:plain

 2Rでは佐藤大佑が1回乗り(1Rも2Rも関東勢が4号艇で1着!)。というわけで関東勢はもちろん参加し、なかでも関は最後まで洗剤を流す役割を引き受けていた。GⅠの準優1号艇はさぞや緊張感があるかとも思われたが、先輩に声をかけられてにこやかに仕事をこなしていた。

f:id:boatrace-g-report:20180923121012j:plain

 そんな仕事もある準優日。だからというわけではないが、準優組の動き出しも早いように思える。昨日の序盤の時間帯は特に作業をしていなかった仲谷颯仁も、今日はプロペラ調整。1R発売中にはプロペラを装着し、水面へと出る準備を始めていた。昨日はしっかりと逃げ切ってはいるが、さらに万全を求めているか。少々ナーバスになっているようにも見えるが、準優1号艇ならそれが当然とも言える。

f:id:boatrace-g-report:20180923121105j:plain

 羽野直也もまた、昨日よりはずっと鋭い表情になっていると見える。羽野もプロペラ調整を早くからしていた一人で、昨日も語っていた「レース足の分の悪さ」を埋めようと懸命だ。1号艇・椎名、2号艇・羽野は昨日の11Rと同じ組み合わせ。羽野はそこで椎名との差をもろに見せつけられている。それだけに、椎名との差を埋める必要もある。昨日の11Rは3着だが、今日は3着ではダメなのだ。少々ピリピリしていて当たり前だ。

f:id:boatrace-g-report:20180923121137j:plain

 今節は毎日、こちらの顔を見るや挨拶してくれた一人が、安河内将。今日も同じで、実に爽やかな男である。その安河内はこの写真の後、ボートをそのまま整備室に持ち込んだ。そして本体を割り始めている。準優を前に、まさに勝負整備か。外枠であり、また6号艇・北野輝季の前付けもありうるメンバーで、さまざまな対応が求められる一戦。抵抗しての深い起こしでも、6コース回りでも、不安のないパワーが欲しいところだ。つまりこれは、まさに気合の整備だ。

f:id:boatrace-g-report:20180923121430j:plain

 さらに木下翔太も同様にボートを整備室へ。どうやらキャリアボデーを交換しているようだった。実際に交換しての出走になるのか、試運転の結果、元に戻すのかは現時点ではわからないが、木下もやはり準優を勝ち抜くためのパワーアップをはかる気合の整備だ。そう、その調整の姿がすでに気合のあらわれ。結果に結びつくかは神のみぞ知るところだが、その姿勢が頼もしいものだ。

f:id:boatrace-g-report:20180923121510j:plain

f:id:boatrace-g-report:20180923121602j:plain

 準優出した女子勢も、試運転と調整に忙しそうだ。小野生奈も水面と陸を往ったり来たり。もっともこれは、準優日に限らない、いつもの姿ではある。竹井奈美はプロペラ交換をしたため、さらに忙しそう。昨日も最後の最後まで試運転をしており、今日はさらに煮詰める必要がある。レースギリギリまで奮闘が続くはずだ。中村桃佳、大山千広もボート洗浄などをこなしながら、自分の調整を進める。守屋美穂にしても同様だ。この5人のうち、いったい何人が準優をクリアできるか。今日の大きな見どころのひとつである。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)