BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡ダービーTOPICS 4日目

THE勝負駆け①準優ボーダー争い
新星アップセッター

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 SG3連覇を狙っていた毒島誠が、4R1号艇(①着条件)のチャンスを活かしきれず、V戦線から消えた。引導を渡したのは、SG初参戦のダークホース星栄爾だ。自身も③着条件の勝負駆けだった星は、3コースから十八番のスタート勝負。コンマ10全速で2コースの湯川浩司(コンマ21)を一気に絞め込み、そのまま迷うことなくイン毒島(コンマ15)まで攻め潰した。さすが、艇界屈指の絞めまくり屋。まくって流れたところを4コース石野貴之に差されはしたが、2着=6・40でSGの初陣の予選を鮮やかに突破した。4号艇の明日も、カドから一撃の絞めまくりを警戒しておきたい。

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 で、そんな展開ズッポリで頭まで突き抜けた石野も、起死回生の予選突破を果たした。昨日も触れたが、その成績は54321!! 今年はペラ調整に四苦八苦、どうにもリズムに乗れない印象のある石野だが、この尻上がりの成績は復活の兆しかも? 明日は厳しい6号艇だが、暮れのグランプリへの勝負駆けも含めて絶対に軽視禁物とお伝えしておく。

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 さてさて、今日の勝負駆けMVPは誰かと聞かれれば、昨日までの18位から怒涛のピンピンで一気に5位まで駆け上がった岡崎恭裕で文句なし! 今日の岡崎は5号艇&3号艇だからして、決して簡単な勝負駆けではなかった。特に5号艇の2Rは、お隣の大外枠に松井繁が……このレースは昼の特訓もスタート展示もしっちゃかめっちゃかの混戦になり、本番は1365/42。松井に抵抗しきれずにハミ出すようなスロー4コースになってしまった。が、塞翁が馬と言うべきか、今日も王者が3コースからコンマ06全速でまくりに行ったため、内水域に絶好の差し場が出現。松井をしっかりマークしていた岡崎が、その美味しいスペースを豪快に突き抜けた。

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 続く6Rは④深川真二がまったく動かず、穏やかな枠なり3対3に。スリットほぼ同体から2コース魚谷智之がジカまくりという奇襲を見せたが、これを瞬時に察知した3コース岡崎が俊敏な差しハンドル。これまたぽっかり空いた内水域を豪快に貫き、外から迫る1・5号艇を完璧にブロックして連勝を決めた。どちらも「展開差し」という勝ち方ではあったが、岡崎のスピードを十二分に生かしきったレースと言えるだろう。機力的にも日々パワーアップしている感があり、2号艇の明日も要注意だ。

THE勝負駆け②予選トップ争い
2度目の王道

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 一方、優勝への最短距離を目指す予選トップ争いは、可能性のある選手たちが前半戦で次々と脱落。7Rを終えた時点で、ほぼ3人のレーサーに絞られた。それぞれの勝率変動は、こうだ。
        ①着  ②着  ③着
8R③石川真二 8・40 8・00  7・60
9R④池田浩二 8・50 8・17  7・83
10R③守田俊介 8・67 8・33  8・00

 自力の権利は最後に走る守田が握っているが、3人ともセンター枠だけに予断を許さぬ状況だ。まずは8Rに石川が登場。ここを勝てば、後続の2人を「①着条件のみ」まで限定し、大きなプレッシャーをかけることができる。で、もちろん最大の見所は「バナレでどこまで飛ぶか」。いざ本番、ピットアウトと同時にシュッと飛び出した石川に対して1号艇の篠崎仁志が艇を合わせるように応戦し、ギリギリ枠番を死守した。2コースに甘んじた石川は差しが届かず、道中でも揉まれ続けて4着=7・20止まり。池田と守田の艇番を考えれば、この時点でほぼ脱落と言っていいだろう。だがしかし、今節の石川は優出さえ果たせば「どこの枠でも1号艇」(笑)みたいな最強兵器を持っているから、この結果を悲観する必要はなさそうだ。

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 予選トップを懸けた第2ラウンド=9Rは、地元の雄・池田浩二の登場だ。①着を取れば10Rの守田に「①着のみ」という条件を突きつけられる池田は、自力で攻めた。4カドから有無を言わせぬ絞めまくり! 地元エースの意地とプライド、そして予選トップに懸ける思いがてんこ盛りに詰まった猛攻だ。2コースから抵抗する前本を気合でねじ伏せるように引き波にはめ、インから伸びない今垣光太郎まで呑み込んだ。が、前本に抵抗された分のロスを的確に突いたのが5コースの深谷知博だ。ぴったりと池田をマークして、鋭角なまくり差し。池田の予選トップの可能性を狭めつつ、自らはメイチ①着勝負を成功させた。深谷は明日も同じ5号艇。若手屈指の捌き巧者だけに、展開ひとつでファイナルまで突き抜けるかも??

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 雌雄を決する最終ラウンド。池田2着の結果と同時に、守田俊介の10Rのトップ条件も確定した。②着以上、だ。枠なりの3コースに構えた守田のスタートはコンマ20とやや慎重だったが、例によってスリットからぐいぐい伸びていく。2コース平本真之がさらに凹んでいたためツケマイ気味のまくり差しもありえる隊形だったが、俊介は迷うことなくイン井口佳典の外をぶん回した。あるいは、頭の片隅に「②着条件」があったか。その握りマイは井口には届かなかったものの、2マークで平本をしっかりと捌ききって絶対ノルマの2着を不動のものにした。もしも俊介が①着条件だったら、おそらく1マークはややリスキーなまくり差しを選択していたかも??
 3年前、俊介が40歳で初めて手にしたSGタイトルが、浜名湖のダービーだった。予選トップをゲットしての逃げ~逃げ、という王道決着。今節、43歳になった俊介が同じ道を歩むことができるか。今節の私は「40歳以上のおっさん軍団のダービー5連覇なるか」などという興味を抱いてガマに来たのだが、それどころじゃなくなってしまった。
 20年間、勝手に息子のように思ってきた俊キチのダービー2度目のVなるか。
 33号機は超抜だしレースのリズムも上々だと思うのだが、今のところは期待よりはるかに不安のほうが大きいです、はい(苦笑)。
(text/畠山、photos/シギー中尾)