BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡ダービー準優ダイジェスト

 

石川台風、ガマ最接近??

9R
①石川真二(福岡) 09
②岡崎恭裕(福岡) 17
③桐生順平(埼玉) 17
④新田雄史(三重) 14
⑤田中信一郎(大阪)18
⑥石野貴之(大阪) 16

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 今節の台風の目、バナレキング石川真二先生が鮮やかに逃げきった。複数のSGタイトルを持つ5選手を蹴散らしたのだから、天晴れの一語だ。で、石川が残ったことで、明日の優勝戦は一気に緊迫感を増幅させた。結果から記すと、明日の石川は3号艇。ピットアウトでどれだけ“飛ぶ”か、インまで獲ってしまうのか。瞬時にインを奪えたならば、今日のレースが貴重な“予行演習”になりえる。

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 そして、今節何度も書いてきたことだが、舟券を買う側からすれば、ありえないほど配当のつくインコースになるわけだ。全国発売のSG優勝戦だからして、石川のバナレ飛びを知らずに舟券を買う人も沢山いるだろう。そのギャップを突いて大儲けしたいなら、勝ち負けはともかく石川アタマの舟券はメチャクチャ美味しいと思うぞ。

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 2着をモノにしたのは、浪速の勝負師・石野貴之。6コースアウト差しからバック最内をグイグイ伸び、2マークで桐生、新田らの猛攻をシャットアウトした。今日の石野の足はファイナルの大外から十分に舟券に絡めるだろう。それにしても、なんという勝負強さ。昨日まで賞金ランク30位と低迷していたわけだが、この2着で大幅なランクアップがほぼ約束された。優勝ならベスト6前後、3着でボーダー18位を超える可能性が高いし、たとえ6着で届かなかったとしても、芦屋チャレカの勝負駆けの条件がかなり緩和されるはずだ。初日から54321と来てのファイナル進出。日々上昇しているように感じるパワー。明日の石野も不気味過ぎる存在とお伝えしておこう。

出木杉君が来たっ!!

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10R
①池田浩二(愛知)12
②篠崎元志(福岡)14
③松井 繁(大阪)15
④峰 竜太(佐賀)13
⑤深谷知博(静岡)19
⑥太田和美(大阪)22

 強い選手が強いモーターに乗って強いレースをする。池田浩二が逃げて篠崎元志が差して、ほとんどまったく危なげない1-2決着。3連単700円という結果も踏まえて、今節いちばんの銀行レースだった。

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 池田の足は、行き足を主体に実にしっかりしている。本人は「中堅くらい」と謙遜?しているが、なんのなんの、元志の差しをバック出口で防ぎきったレース足はなかなかに素晴らしかった。もちろん優勝戦に入ってしまえば「中堅」あたりがぴったりかも知れないけれど。これは私の勝手な推測だが、明日の優勝戦で石川先生のスーパーバナレが火を噴き、池田がセンターに追いやられた方が勝機がアップする気がしてならない。インコースが俊介33号機のままでは、それを跳び越すのは難しいと思う。

 

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 2着の元志17号機は池田を捕えきれなかったものの、相変わらず超抜モード。スリット後は池田より出て行く感じもあり、17号機の特長(実はデメリットにもなりえるのだが)である「直線の前半より後半」がしっかり反映されていたと思う。で、ターンの出口でやや突き放されたのは、やはり「前半」が足りなかったためか。
 ただし、明日の元志はダッシュ戦が濃厚なので、17号機の持ち味をフルに活用できるはず。石川のピット離れに内枠2艇が抵抗したりしたらば、その破壊力はさらに何倍にも膨れ上がるだろう。とにもかくにも、肩の手術で5カ月の休み明けというハンデを克服しての優出は「さすが!」の一語。明日、このまま頂点に上り詰めたりしたら、もちろん私は焼きもちだらけの文章を書くことになるだろう(笑)。

確約なきリハーサル

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11R並び順
①守田俊介(滋賀)16
⑤平本真之(愛知)16
③井口佳典(三重)18
⑥赤岩善生(愛知)22
②篠崎仁志(福岡)23
④星 栄爾(静岡)26

 準優でもっとも進入が入り乱れたのがこのレース。井口が強烈なバナレ(石川先生の2/3程度ではあるが)で仁志を叩くわ、外からオラオラと地元コンビが押し寄せるわ、もつれにもつれた末に1536/24。インコースは命からがらの体で俊介が守りきった。

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 で、インさえ獲りきれば、今節の俊介33号機に負けるべき要素は見当たらない。過不足のないコンマ16でスリットを通過すると、例によって他艇を置き去りにするような伸び返しで1マークを旋回した。あとはもう、一人旅。ターン出口で早々にファイナル1号艇を手中にした。33号機は蒲郡に入る前から「全部の足が強いバランス型で、特に出足~行き足のつなぎが強力」と鑑定し、今節もその通りの足色だと感じているのだが、まさかこれほど抜けた存在になるとは! とにかく馬力そのものが凄そうなので、明日も気象状況が多少変わったくらいではビクともしないだろう。明日の最大の敵は……もちろん、アレだ。
 

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そう、明日も同じように逃げきれば……と書けないところが、今節のダービーの醍醐味なのだ。3号艇・石川真二のスーパーピット離れ!! 優勝の行方をもっとも左右するであろう事象が、ファンファーレとともに起こる。しつこいようだが、石川がどこまで飛び出し、1・2号艇がどこまで抵抗するか(できるか)、それよって本命・俊介のV確率は大きく変動することだろう。

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 大接戦の末に2着を取りきった井口60号機も、今日のように不気味なバナレパワーを有している。石川のそれには及ばないため「明日はバナレ仕様にはしないと思う」みたいなことを言っていたが、バナレ自体に不利な要素はないため、明日も一応は警戒しておきたい。また、バナレがなくとも井口の足は抜群レベル。たとえば内3艇がバナレ紛争をやらかすと、4カド元志のまくり&井口のマーク差しでバック一騎打ちという展開も十分にありえる。
 嗚呼、なんと悩ましくもわくわくさせる石川ペラよ。正直、俊介の2度目の戴冠を願っている私にとっては厄介な存在なのだが、それはそれとして明日のピットアウトからの攻防を堪能するとしよう。(text/畠山、photos/シギー中尾)