BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――大きな交流

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 このシステムになって以来のチャレンジカップの楽しみのひとつは、通常のSGやGⅠではなかなか見られない組み合わせの絡みが見られること。たとえばこれ、菊地孝平と谷川里江。東海地区の先輩後輩ではあるが、チャレンジカップだからこそ、こうして話し合う光景が見られるわけである。菊地にとって谷川は大先輩、谷川にとって菊地は頼れる後輩、ということになるか。係留所で長々話し合う姿は、実に新鮮である。

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 峰竜太と藤崎小百合の組み合わせも新鮮。というか、よくよく考えたら二人は同期である。並んでペラ叩き、というより、藤崎が峰に質問を投げかけ、峰がそれに応えているようであった。峰のペラ技術、理論に触れる機会として、これ以上のものはないだろう。まして、藤崎にとっては同期なのだから、気軽に声をかけられる。今節すぐに結果に結びつくわけではなくとも、確実に財産にはなるであろう。

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 もう一丁、峰絡み。1Rのエンジン吊りが終わった直後、竹井奈美が峰に話しかけた。竹井はオールスターにも出場していたわけだが、ピットで二人の絡みを頻繁に見たというわけではない。峰はボートをリフトに運ぼうとしていたタイミングなので、おそらく竹井からのアプローチだろう。峰は大きく大きく、ハンドルを切る身振りを何度も繰り返し、さらには身体を傾けて体重移動を説明しているようであった。竹井は峰に操縦について、質問を投げたのだろう。峰は熱心に竹井に言葉を返し、それはまるで峰コーチのターン講座のようであった。別れ際、峰は竹井に「楽勝楽勝!」と明るく言葉をかけた。峰のターンが楽勝とは思えないが(笑)、しかし竹井にとって峰の言葉のすべてが重大な養分になっていくはずである。ダービーでは小野生奈が瓜生正義に乗艇のアドバイスを受けていたが、超一流選手と戦いの現場で触れ合えるのはやはり大きいことだと思う。今日の終盤の時間帯は竹井の試運転がたくさん見られるかも!?

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 さてさて、整備室では長田頼宗が懸命の整備。長田はちょっと前までは賞金ランク10位あたりにいて、グランプリ初出場には早晩当確かと思われたが、長田が出場できなかったダービーやランキングが下の選手が優勝した記念などを経て、気づけば24位まで順位を下げてしまった。東都のエースといえば濱野谷憲吾だが、いよいよ長田に代替わりかなどとも言われたなか、その濱野谷が先にグランプリ当確となり、長田は苦しい状況に立たされている。偉大なる先輩を超えるためにも、今年は何としても、の思いがあるはずだ。そう考えれば、この整備は気合を注入するためのものでもあろう。初日後半の大敗を、今日はなんとか巻き返したい。

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 女子では津田裕絵が整備室で作業に奮闘していた。津田は優勝しても12位に届くかは微妙という立場だが、戦いに臨むにあたって、それで気持ちが萎えることなどありえない。結果を出すため、最善を尽くすのは当然だ。出番は11R。このあとも懸命な作業が続くことだろう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)