BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――3日目でも慌ただしい!

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 SG3日目の朝ピットといえば、静かな空気に包まれることも多々あるわけだが、今日は昨日までと変わらず、慌ただしい雰囲気である。調整、試運転と忙しそうに動き回る選手が多いわけだ。
 芦屋では、展示が終わるといったん試運転タイムとなり、すぐに赤ランプがついて試運転はいったん中止、2レース後のスタート練習が行なわれる。多くの場では、スタート練習が終わるまで試運転はできないなか、芦屋は短い時間ながら、水面を開放するわけだ(スタート練習後はもちろん試運転OK)。その短い時間を無駄にするまいと、展示の最中から選手たちは待ち構える。青ランプがつくと、弾かれたように複数の艇が水面へGO! その常連が小野生奈で、1Rも2Rも我先にと水面へと飛び出していた。そうした試運転の音がピット内に響き、喧騒は高まっていく。

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 3カ所あるペラ調整所にも選手の姿は多い(1カ所はペラ修正室で、あとは屋外)。装着場の隅っこの“青空調整所”では、池田浩二と西山貴浩が並んでペラを叩いている。この二人は支部を超えて仲が良く、前検日は一緒にレース場入りしているほど。プライベートでは呑み仲間というわけだが、仕事場でもお互いに声を掛け合いながら、真剣な表情でともに作業を進めている。とか言いつつ、エンジン吊りには西山が池田をおんぶしてあらわれるなど、そこかしこではしゃぎ合ってたりもするのだが。

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 そうしたなかで、動き出しが遅い選手もいた。たとえば峰竜太。エンジン吊りで姿は見たし、ペラ調整の準備をしている姿もあったのだが、2R発売中になってもエンジンにペラは着いたまま。多くの時間を控室で過ごしているようだった。

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 中野次郎も同様で、彼の場合はボート自体が他の艇とはかなり離れたところにポツンと置かれていた。確認はできなかったが、朝の特訓にも出ていなかったのかも。中野は2Rの出走直前に、ヘルメットとカポックを手に装着場にあらわれている。いよいよ作業開始、といったところだろう。

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 1R、守屋美穂が快勝! これで今節3勝目だ。この調子でいけば、早晩クイーンズクライマックスの当確が出るはずである。表情も明るい! ひとつの勝ち星、動いているエンジンは、選手の気分を高めるのが当然というものだ。

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 一方、競り合いに敗れて4着ゴールとなってしまった海野ゆかりは、渋面を作ってピットにあがってきた。海野も着が獲れていないわけではないが、やはり競り負けは悔しいものだ。同県の前本泰和、1期違いの中里優子とは、かなり長い時間、話し込んだ。あ、前本も1期違いか。そう、前本と中里は同期生である。同世代の心やすい仲間とともに、雪辱への方向性を探し出す。後半9Rは彼らの言葉が活きるだろうか。

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 2Rでは片岡雅裕が快勝! 今日の序盤は101期生の4号艇が勝利をおさめたということになる。片岡に歩み寄ったのは、なんと松井繁。王者は笑顔で片岡に声をかけ、片岡もにこやかにうなずき返していた。一昨日、足合わせ後に二人が会話していた件については記したが、その延長線上にある会話だろうか。これも珍しいシーンと言える。

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 接戦の末、3着は木下翔太。しかし、逆転した高揚感は皆無であった。なにしろ、写真の表情なのだ。着が獲れても納得できないこともある。木下のキャリアを考えれば、SGの舞台でその意気やよし、だ。この思いが後半10Rにどうつながるか。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)