BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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レディースvsルーキーズ、ピットから/3日目

 レディースvsルーキーズ3日目は、レディースが3ポイント、ルーキーズが5ポイント。総合得点はレディース7、ルーキーズ17となった。10ポイント差はまだまだ逆転可能。レディースは明日から巻き返しをはかりたい。

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 惜しかったのは11R。西橋奈未がいったん2周ホームで豊田健士郎と併走。西橋が内だったので、1マークは有利な隊形だったはずなのだが、艇が浮くようなかたちで流れてしまった。2着は確保したものの、1着ならばこのレースはレディースがポイントゲットだった。3日目はイーブンに持ち込めていたのだ。
 西橋が流れていった瞬間、ピットには溜息が起こった。レディースがポイントを逃した、ということではなく、地元の若手女子がこの舞台で1着を獲れるところだったのに……という、三国の総意としての溜息だったように思う。ピットに戻ってきた西橋は、悔しげに目を細める。先輩の今井美亜とともにリプレイを見ながらの“反省会”にもなっていた。こうした悔しさの積み重ねが、西橋をさらに強くすることだろう。

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 で、今日は団体戦よりも、勝負駆けに臨む雰囲気が色濃かったように思う。西橋を抜いた豊田健士郎は、1着勝負駆け。2着で7・60だったが、同得点率の村上遼に上位着順の差で負けていた。西橋を逆転で勝負駆け成功! だったのだ。得点状況をどこまで把握していたかはともかく、1着で8・00ということは理解していたはずで、ピットに戻った豊田は笑みがあふれていた。逆転した相手の西橋を気遣う様子がまた柔らかな雰囲気で、充実感が伝わってきた。

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 一方、12Rの小寺拳人は、まずは何が何でも1着が欲しかった。これで梅木敬太と同得点率、さらに着順もまったく一緒となる。あとは最高タイム差となり、梅木の1分46秒8を超えれば勝負駆け成功。レース前には、報道陣に自分の置かれている状況を尋ねている姿もあった。
 しかし残念ながら、1マークで展開なく6着。ピットにはがっくりと肩を落として引き上げてきている。地元での一戦だけに、なんとか優出を果たしたかったはず。ピットのモニターで流れたリプレイを、1周1マークだけ見るとうつむいてその場を立ち去った。無念!

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 女子は、高田ひかるが8Rを2着で得点率を6・40まで引き上げ、12R発走前までここがボーダーとなっていた。これはなかなか高いハードルで、10Rの古賀千晶は1着で6・50、2着で6・00だったからピン勝負。しかし6号艇での1着はさすがに厳しかったか。しかも相手が連勝街道の上條暢嵩、1号艇に村松修二では、突破は難しい。
 11Rは、西橋が1着なら6・00だったが、もし抜かれていなくてもボーダーには届かなかった。唯一、6号艇の竹井奈美が大敗していれば可能性はあったが、さすがのSG経験者、しっかり3着を獲り切っている。

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 12Rは、松本晶恵と池田明美が1着で6・00ということで、11Rが終わった段階でベスト6の陣容は決まった、ということになる。それでも松本は気合の逃げ切りをはかったが、三浦敬太のまくりに屈した。ピットに戻った松本の表情は硬直気味。1号艇でまくられて舟券にも絡めないというのはやはり屈辱だし、勝負駆けの失敗が完全に確定したことも憂鬱な気分にさせていただろう。

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 というわけで、3日間の予選は修了。男女18名ずつが優勝争いから脱落したことになる。しかし、彼ら彼女らも、明日は単なる一般戦回りではない。明日は1~8Rが団体戦の対象。そう、まだまだ団体戦は続くのだ。モチベーションを下げている場合ではないのである。特にレディースは、ルーキーズに離されているポイントをある程度は挽回して、最終日を迎えたい。最終日は特別選抜B戦の勝利チームに4点が付与されるが、ここに出走するのは、予選落ちした選手のうちで4日目までの得点率上位各3名。明日の一般戦はボーナスポイントゲットに貢献するための3名を選ぶ勝負駆け、とも言えるのだ。
 特別選抜A戦は8ポイント、優勝戦は12ポイント。準優はもちろん優勝戦に進むための大事な戦いであると同時に、最大のボーナスポイントをチームにもたらすためのメンバーを決める戦いともなる。準優も当然アツい! 今日も三国は実に寒い一日だったが、水面もピットも過熱して4日目を迎えるのである。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)

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完全優勝を逃した上條暢嵩は苦笑い。しかし、準優1号艇は確保で、優勝に最も近い存在であるのは間違いないでしょう。