BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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Wエース機は英治と憲吾!!

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(抽選前のつぶやき)

ヤバイよヤバイよヤバイよぅ。何がヤバイかと言うと、住之江のトップ6モーターだ。トライアル2nd組の6人に配布されるこの6基、パワー差が「雲泥」と呼ぶほど開きがあるのだよ! 「雲」はエース11号機で、これはもう文句なし。全部の足が良くて、引いた選手はほぼ間違いなくファイナルに進むだろう。まさにトップ6の中では「雲の上の存在」だな。
 他の5基は11号機よりかなり見劣り、特に「泥」っぽいのが68号機。コレを引いちゃったらマジでヤバイし、79号機も苦戦必至かも。BB誌の私の鑑定と、先ほど記者席でいただいた地元記者さんの評価はこんな感じ。
★住之江の2連率トップ6モーター
○11号機(57・5%)=「S」
△60号機(47・1%)=「A」
△87号機(45・3%)=「B」
…10号機(41・1%)=「A」
…79号機(44・7%)=「B」
…68号機(42・5%)=「C」

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 でもって、トライアル1st組の12基(2連率7位~18位)には超目玉モーターが潜んでいる。BB誌で「11号機以上」として◎を打った73号機!! このモーター、10月に温水パイプを装着してから一気にモンスター化。そのため2連率が足りずにGPシリーズ入りが濃厚だった(前節の直前まで28位!!)が、地元の小野達哉が115221321と5日間で12基をゴボー抜き。16位でトライアル組に“昇格”したのだ。滑り込み、セーフ。GPではこの73号機が台風の目になると信じる。ちなみに地元記者さんの評価も「S」。やはり11号機と双璧と鑑定しているようだ。このWエースを引くのは誰と誰か。そして、トップ6の中で超危険な68号機を引いてしまうのは……??

(いざ、抽選会場へ!)

 60人の選手がぎっしり詰め込まれた抽選会場。まずは6個の玉だけがガラポン機に注がれ、賞金ランク1位の毒島誠から抽選ははじまる。極端すぎるモーター差を考えれば、例年以上に大きな大きな影響を与える抽選だ。
「ろくじゅうはち」

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 スタッフが読み上げた瞬間、毒島は静かな苦笑を浮かべた。同時に周囲からも苦笑っぽい笑い声が漏れた。いきなり、やっちまったか。そんな同情のこもった声だった。毒島本人はすぐにキリリ引き締まった表情で自席に戻った。実戦まで、まだ3日間の猶予がある。整備巧者の毒島がどんな調整で引き上げるか。慌ただしい3日間になるこだろう。
 一方、「雲の上の存在」11号機をゲットしたのは、白井英治!!
「じゅういち」
 の掛け声でもちろん周囲はざわめいたが、ドッと沸くという感じではなく「おお、出たか」というムード。白井自身は微笑むことすらなく真顔で自席に戻って行った。去年もエース級のモーターを引きながら冴えない結果に終わったが、今年の11号機はちよっとモノが違う。あの平和島の無念を、今度こそパーフェクトで晴らしても不思議はない。
 11号機より見劣るが、しっかり戦える部類の60号機を引いたのは守田俊介。ただ、とかく行き足~伸びが強力なストレート機だけに、出足&乗り心地に重きを置く俊介に合うかどうかは微妙なところ。
 夏場までエースと呼ばれた10号機は中島孝平。私の直近の見立てはやや辛いのだが、エース級の底力を引き出せば活躍できるかも? そして68号機に次いでヤバそうな79号機を引いたのは井口佳典。去年は節イチのストレート足でGPを引っ張った井口だが、今年は苦しいスタートになるかも?

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 さてさて、続いて7位~18位のモーターの登場だ。私がもっとも期待している73号機はなかなか飛び出さず、周囲の選手からも記者さんからも「まだ」「出てない」などの声が漏れる。石野貴之は例によって祈るようにガラポンをぐるぐるぐるく回していた。そして「17」と聞いた瞬間、悔しそうな笑顔でガクッと肩を落としてみせた。
 馬場貴也の番になると、隣にいた地元の記者さんが「馬場引け馬場引け馬場引け」と呪文のようにつぶやいた。
「ななじゅう……」
 オオッという声があちこちから漏れる。隣の記者さんも「オウッ!」と叫ぶ。が、その先の数字がなかった。つまり、70号機。馬場はクスッと笑って肩をすくめて見せた。
 誰もが「73」を待ち望んでる?

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 そう思った直後に、それは出た。濱野谷憲吾! スタッフが数字を読み上げた瞬間、11号機の白井をはるかに上回る歓声が響き渡り、当の憲吾だけはちょっと挙動不審っぽい目で周囲を見回してからデレデレと照れ笑いを浮かべた。おそらくモーターの良し悪しなんぞ、何も考えてなかったと思う(笑)。それにしても、凄まじい歓声だったな。憲吾もまた、この住之江GPには大きな忘れ物がある。73号機とともに、それを返還してもらいたい。

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 最後はシリーズ組。目玉商品は10月の宮杯で徳増秀樹がブイブイ言わせた32号機。73号機と同じく、こちらの組での一本被りの人気だったのだろう。平本真之が引いた瞬間に「出た」「出ちゃった」という声が輪唱のように響き、数秒後に誰かが「もう終わったね」と言った。11号機~73号機~32号機。それぞれ人気を三分した立ち位置の違う3基が、それぞれの立ち位置でどれだけ暴れるか、大いに注目するとしよう。

★トライアル2nd組の6モーター
○11号機(57・5%)=白井英治
△60号機(47・1%)=守田俊介
△87号機(45・3%)=峰 竜太
…10号機(41・1%)=中島孝平
…79号機(44・7%)=井口佳典
…68号機(42・5%)=毒島 誠

★トライアル1st組の注目モーター
◎73号機(38・3%)=濱野谷憲吾
△57号機(38・6%)=岡崎恭裕

★GPシリーズ組の注目モーター
▲32号機(35・9%)=平本真之
△85号機(36・8%)=渡邉英児