BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――誰もが精力的

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 トライアル1st組は朝から精力的だ。昨日の会見で「違和感出るまで何もしない」と言っていた太田和美が少々ゆったりした雰囲気だったが(それでもギアケース調整はしっかりやっていた)、ペラ調整、整備など、11、12R1回乗りであるにもかかわらず、急ピッチの調整に励んでいる。たった2走しかないトライアル1st。敗退の屈辱を味わいたくないという思いが、その姿からも伝わってくる。

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 整備室を覗けば、やはり赤岩善生の姿がある。いつも通りの調整ではあろうが、いつも以上に目に力があるように見受けられる。石野貴之の姿もあった。石野は2R発売中には装着してボートを下ろし、係留所で入念な調整をしていた。試運転の感触次第では、ふたたび陸に上がってさらなる整備も考えられる。

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 ペラ室には、2nd組も含めて、グランプリ戦士が数多く見られた。昨日は本体整備をしていた池田浩二も鋭い目つきでハンマーを振るっており、その後は整備室に向かってもいた。やれることはすべてやる。そんな思いがうかがえる。

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 笠原亮も、いつも通りペラ調整に没頭。昨日はもうひとつだったらしいが、今朝乗ってみたらよくなっていたという。「なんか良くなってたんですよ」とのことだが、昨日も懸命にペラを叩いていたので、それが奏功した可能性はあるだろう。なにより、「今日は良くなった」と感じられたメンタルが重要だと思う。それをキープして、レースに向かいたいところだろう。

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 2nd組も、レースは2日後とはいえ、ゆっくりしている選手は少ない。というか、ほぼ何もしていないのは白井英治のみ。ボートにモーターを積んでもいないし、エンジン吊りと控室の往復でしか姿を見ない。2nd組のなかでも評判のモーター。マイペースで動ける手応えだし、またそうして徐々に闘志を高めていくことだろう。

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 守田俊介のボートが係留所にあったのはちょっと驚いた。チャレンジカップでベスト6が決まったとき、序盤の2日間は寝ていられるとか言っていたものだが、やはり守田流のジョークだったのだろう。2R発売中には試運転もしているし、係留所での調整もしている。まあ、早いうちにやってしまって、あとは寝ているのかもしれないけど(笑)。

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 驚いたのは峰竜太の本体整備。ペラ調整室に姿がないのは珍しいと思ったら、整備室にいて本体を割っていたのだ。峰の本体整備はなかなか見られないことで、思い出すのはオールスター。前検での感触があまりに悪く、初日に本体整備をして立て直したのだ。今回もその再現ができるかどうか。

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 シリーズ組。長田頼宗が、グランプリ組に混じって本体を割っていた。本体を外しているときの表情や、石野と談笑する様子などを見ると雰囲気は悪くないのだが。シリーズのドリーム戦にあたるシリーズ特別戦の1回乗り。シリーズ組のなかではもっとも時間に余裕があるわけで、それをしっかりと使っていこうということか。

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 1Rで大敗を喫してしまった磯部誠。硬い表情でピットに戻ってきている。しかし、悔しがっている場合ではない。5Rに2走目が控えているのだ。磯部は着替えを終えると走って自艇に向かってプロペラを外し、走ってペラ室に飛び込んでいった。2回乗りのシリーズ組は、10個レースのなかで2走を走るので、レース間隔が短くなっている選手も少なくない。だから忙しくなるし、大敗を巻き返したい磯部もとにかく急いで調整をしなければならないというわけだ。シリーズ組の戦いも過酷なのである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)