過去の平和島クイクラのTOP12抽選会は前夜祭での公開抽選だったが、今節は前検当日の12時30分頃に競技棟３Ｆで行われた。12時ちょうど、女子賞金ランク上位12の面々が会場に集結。広い室内に12個の椅子が６席×２列で並ぶ光景は、どこかしらプレミア感を漂わせている。
平和島のモーターで私が（おそらく大方の記者さんも）トップ２と考えているのが10号機と56号機だ。まず最初にガラポンを回したのは賞金ランクトップでただひとりＧＰシリーズに参戦した小野生奈。モーターの数字「54」と聞いた時にやや苦笑したように見えたのだが、やはり他に狙っている数字があったか。その後も10＆56の数字はなかなか現れない。「57」の数字を引き当てた日高逸子が、壁に貼られた前節の出走表を眺めながら叫ぶ。
「ねえねえ、何が出たら『オーーッ！』って言えばいいの？ え、10が良いの？ 10が出たら『オーーッ！』って言えばいいのね」
こう言った２秒後、中谷朋子のガラポンから飛び出した玉が、まさに「10」だった。あまりのタイミングの良さに選手も記者も関係者も大爆笑。言い出しっぺの日高も「キャハハー！」と高笑いを発したが、当の中谷だけが「え、本当？ 本当かなぁ」という風情で周囲を見回していた。地元レーサー不在のクイクラだけに、モーター情報が浸透していないのだろう。
次なる目玉モーターは56号機だが、この数字がまた現れない。残り２人の段になって「まだ出てないなぁ」と誰かが呟くと、またしても日高ママが叫んだ。
「ねえねえ、次は何を『オーーッ！』て言ったらいいの？ え、56？ わかった56ねっ！」
グレートマザーの嬉しそうな声を聞きながら、ラス前の松本晶恵がガラポンに向かう。背後からオーラスの細川裕子が切なそうな声で叫んだ。
「アッキー、ダメよっ!!!」
振り返り、うっすら微笑んでからガラポンを回しはじめる松本。逸子ママが叫んだ時点で、もうそのフラグは立っていたかも知れない。
「ごじゅうろく！」
スタッフが叫んで再びにっこり微笑む晶恵。背後の細川は悔しそうな笑顔とともに「ガーーーン！ もう、ぜんっぜん楽しくない!!」と叫びながら最後のガラポンを回したのだった。逸子ママの予知能力、恐るべしっ!!??
明日のトライアルの枠番順に、各選手のモーターを記しておこう（シルシはＢＢ誌１月号の私の鑑定）
★クイクラTOP12モーター＆レーサー
11Ｒ
①長嶋万記（静岡） 14号機＝42・5%
②山川美由紀（香川） 25号機＝45・8%
③中谷朋子（兵庫） ◎10号機＝49・1%
④遠藤エミ（滋賀） 26号機＝44・8%
⑤竹井奈美（福岡） △53号機＝51・8%
⑥松本晶恵（群馬） ○56号機＝50・9%
12Ｒ
①小野生奈（福岡）△54号機＝46・2%
②守屋美穂（岡山） 29号機＝42・5%
③日高逸子（福岡）▲57号機＝46・8%
④中村桃佳（香川）穴62号機＝47・8%
⑤寺田千恵（岡山） 72号機＝46・8%
⑥細川裕子（愛知） 47号機＝43・5%
（PHOTOS/シギー中尾、TEXT/畠山）
