BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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多摩川バトルトーナメントTOPICS初日

「チームSG」軍団、圧倒!!

 いやはや、これほどまでに実力差が違うものなのか?? 今日のトーナメントは「チームSG」軍団が圧倒的な格の違いを見せつけた。
 今節、全レーサー48人中SG覇者はちょうど1/3の16人。フルネームで書くまでもないな。江口、拡郎、幸哉、深川、坪井、前本、信一郎、石野、井口、赤岩、森高、守田、桐生、白井、田村、仲口だ。これにSG常連&ちょいちょい参戦している石渡鉄兵、中野次郎、長嶋万記、下條雄太郎、山田雄太、萩原秀人、片岡雅裕、仲谷颯仁を加えてぴったり半数の24選手を「チームSG」としておこう。で、残りの24人を「チーム下剋上」として、今日の結果を見てみると……。
★トーナメントの勝ち上がりレーサー

    チームSG       チーム下剋上
5R ②拡郎、③幸哉      ⑤川野芽唯
6R ①深川、②長嶋、⑤下條  なし
7R ①赤岩、②森高      ⑤細川裕子
8R ①山田、④萩原、⑤坪井  なし
9R ①江口、⑤中野      ④上田龍星
10R ①信一郎、③石野、⑥井口 なし
11R ②桐生、⑤仲谷      ①今井美亜
12R ①白井、③田村、④片岡  なし
合計 20人      4人

 

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 枠番に恵まれた部分もあったが、「チームSG」が20対4で圧勝したわけだ。全4回のバトルトーナメントで、これだけ格上の選手が上位着を独占したのは初めてだろう。道中では、例えば宮之原輝紀と入海馨が3、4番手に食い下がっていたが、下條が大差の5番手から半端ない追い上げで後輩2人を一気に追い抜いて3着ゲット。例えば、三浦敬太が5カドから強烈なまくり差しで先頭争いに加わったが、山田雄太や坪井(2周2マーク、激辛の落としマイで逆転)にぐんぐん追い上げられて、終わってみれば6着(公傷で帰郷)などなど、惜しいシーンもそれなりにはあったのだが……今日の多摩川がほとんど風のないベタ水面で、選手の力量が丸々3周に渡って100%反映できたのが大きかったのだう。

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 で、今日のこの結果が何を意味するかと言うと、そう、明日のセミファイナルのメンバーがほぼほぼ「チームSG」であり、いつもの周年記念と変わらない顔ぶれになってしまったわけだ。うーーーん、穴党からすれば「強いメンツが揃って、内から順番に123決着ばかりだろ」とボヤきたくなる番組かも知れないが、そこはBTならではのメイチ①着勝負駆け。外枠に前付けレーサーが配置されたレースもあり、波乱の要素はそれなりに見出せるだろう。

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 そして、配当面も含めて是非とも頑張ってもらいたいのが「チーム下剋上」の4選手だ。自称どころか誰もが認める「ミス・バトルトーナメント」今井美亜を筆頭とする女子トリオ。飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している未完の大器・上田龍星。明日の1号艇を逃したこの4人は、1着=ファイナル進出なら大穴は間違いないし、たとえ2、3着でもオッズが跳ね上がる可能性は高い。強い強いチームSG軍団をギャフンと云わせるべく、奮闘してもらいたい。

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明日こそは大乱戦??

 さてさて、こうした背景を踏まえて、レース後に行われたセミファイナルの枠番抽選をリポートしておこう。会場内の椅子は真ん中を境にして、向かって左が敗者復活戦組の24席、右がセミファイナルの24席に分断されている。はい、もうお分かりだろう。右側にはドヤ顔の歴戦の猛者たちがズラーリ勢ぞろい! 逆に左側は守田俊介や仲口博崇などの銘柄レーサーがポツポツ混じった程度で、まさに「一般シリーズ」のムードがぷんぷん漂う顔ぶれとなった。

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 もちろん、ガラポン抽選で大いに盛り上がったのはセミファイナル組だ。第1組でいの一番に引いた江口晃生がファン待望の?「緑」を引き当てると、会場内は歓声&爆笑&拍手の嵐!! 江口も「あっ」と叫んで顔をしかめてから、まんざらでもなさそうな笑みを浮かべた。

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 で、その後に2号艇を引き当てた石野貴之は「うーん、複雑やなあ」と苦笑い。さらに、「白か青か」という二択の状況で田村隆信が「青」を引き当てると「うーん、複雑やなぁ」。

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 そして最後に残った白玉を引き当てた下條雄太郎の第一声も「うーーん、複雑やなぁ」だった。当然、明日の待機行動も複雑かつ難解な心理戦になることだろう。

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 第3組でもっとも気になる深川真二は、ちょいと微妙な「青」をゲット。たまに4カドを選択することもある深川だが、出足に自信がありそうな今節はおそらくゴリゴリ動くことだろう。彼の場合は、それこそが大多数の深川ファンへの感謝の証だし(笑)。

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この組には2号艇・桐生順平&3号艇・井口佳典という勝負師も混じっており、「抵抗するか、入れて引くか」などなどGPさながらの駆け引きが堪能できるだろう。

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 セミファイナルの最終4組はトップバッターの萩原秀人があっさりと白玉を引き当てた。6コースからまくり差しで突き抜けた勢いが、まんまガラポンに注入されたのだろう。これを見た田中信一郎はすかさず「お~い、なんだよぉぉ、つまらーーん!」と萩原にブーイング。自身のガラポンから青色が飛び出すと、間髪入れずに「よっしゃ、思いっきり前付けや、思いっきり前付けやでぇ!」と叫んで爆笑を呼び込んでいた。いやいや信さん、4号艇ではそんなゴリゴリ行かんでしょ!

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 むしろ怖いのは最後に引いた森高一真で、残り物の「緑」が飛び出した瞬間、一瞬だけ苦笑いを浮かべてからキリリと引き締まった顔で自席に戻って行った。その目の奥にキラリ輝く何かしらが見えたのは、私の気のせいだろうか。(photos/チャーリー池上、text/畠山)