BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット--2日目①アドバイス

 今節は常にペラ室が満員状態で、エンジン整備室はわりに閑散としている。ここまでの部品交換も初日に香川素子が行なった電気一式の交換だけだ。
 朝のピット。みながペラ調整に勤しむなか、ガランとした整備室で、ピストン周りを触っている選手が一人いた。山川美由紀である。

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 山川の初日成績は2着1着。エンジンを触らなくても良さそうな成績なのだが、さらなる上積みを目指していくのがスタイルだ。思い返せば、昨年のレディースチャンピオンも序盤に好成績を残しているのに、イチかバチかのピストン交換を施して上積みに成功。見事に優勝したという実績がある。
 実際に部品を交換したかは定かではないので、10Rのアナウンスには注目。もちろん足色も要チェックだ。

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 1Rを制したのは関野文。初日が6着発進だっただけに、この1着で得点率を大きく巻き返した。
 ヘルメットを取った関野はとてもうれしそうな表情。笑顔を見せると、青いマウスピースが見えて一瞬びっくりしたのだが、目が笑っているのでそこまでの違和感はない。そして関野を取り囲む近畿勢の先輩たち、とくに西村歩がそれ以上にうれしそうに勝利を喜んでいた。

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 特訓時点から、110m起こしのスタートを何度も練習していたのが土屋南。本番も特訓や展示と同じ位置から起こしてコンマ05のスタートを踏み込んだのだが、2コースがヘコみまくりを警戒した分だけ流れて2着に敗れてしまった。土屋の周りにも岡山勢が集まってアドバイス。

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 2Rを勝ったのは1号艇の深尾巴恵。前回参加した第1回レディースオールスターは一度も2着にからめずに終戦していた。こちらもGⅡ初1着だ。美少女の笑顔にピットのカメラも集まる。

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 レース後に深尾は立ち留まって、松本晶恵のアドバイスを真剣な表情で聞いていた。松本のアドバイスでペラを調整してつかんだ1着だった。ちなみに勝利者インタビュー会場には、ピット以上に大きなカメラを持つファンが集まっていたこともお伝えしておこう。

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 1周1M、2M、2周1Mと、すべて外を回して2着を取り切ったのが新田有理。レース後は、海野ゆかりが横について手振りを交えながらアドバイス。新田はこれに聞き入っていた。

 レディースオールスターのピットにいて「いいな」と思う点は、デビューして間もない若手が、すぐに先輩に教えを乞えることだ。アドバイスを受けながら、普段の女子戦とは違う緊張感の下で戦うことにより、若手は成長していく。このレースには、女子戦の歴史を作ってきたレジェンドと、これからの歴史を作るルーキーが集っているのである。

(PHOTO池上 TEXT姫園)