BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――心機体、調整!

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 海野康志郎の今朝の体重は54.5kg! 着々と減量を進めて、ついに54kg台に突入した。この1年、海野は54kg台で出走したことはない。1年ほど前に戸田で走ったときには60kg台もあった。これがSGを走る心意気、ということだろう。

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 池永太はオレンジベスト(51kgに満たない体重の選手が着用する重量調整用ベスト)になった。50.1kgだから、前検から4kg近く落としたことになる。その2倍ほども体重があるワタシとしてはひれ伏すしかない。海野はなかなか結果につながらないし、池永も不完全燃焼のレースが続くが、どこかでこの努力が報われると信じたい。

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 自身の身体を調整し、さらに相棒のモーターやプロペラを調整して戦うボートレーサーたち。3日目ともなれば、もう残された時間は少なくなっている。明日の勝負駆けに持ち込むためにも、仕上げのリミットタイムは近づいている。昨日からだが、松田大志郎はかなり強烈にプロペラを叩いている。まさに叩き変えている、という叩き方。その叩きっぷりに、仕上げへ急ぐ思いがあらわれている。

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 ここまで這ってしまっている関浩哉は本体整備に着手した。ただでさえ予選突破が厳しいうえに、今日は6号艇。このままでは爪痕さえ残せずに予選が終わってしまう。ここ1年の関の戦歴を見ると、あまり部品交換をするタイプではないが、そんなことは言っていられないのだ。8Rまでに少しでも上積みができるだろうか。

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 1R、中田竜太が1着。地元SGで嬉しい初白星である。ピットに戻った中田は、歓喜よりは安堵が前面に出ていて、声を掛けられると胸に手を当て息を吐き出す素振りを見せた。戸田SGで未勝利、という事態は絶対に避けたかっただけに、最低限のノルマは果たせた、といったところ。ただしもちろん、本当のノルマはここではない。今日の出番はこの1走だけだが、調整の手を緩めるつもりはないようで、勝利者インタビューから帰ってきたあとも慌ただしく動いている。

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 2R、大峯豊が6コースからド派手な大穴を叩き出した。ピットの雰囲気がぐっと華やいだ。15万シューうんぬんは我々がひっくり返ることで、選手たちは6コースから展開を突いた勝ちっぷりに喝采を送ったわけだ。なかでも最も笑っていたのは白井英治。後輩の劇勝をめちゃくちゃ喜んでいるようだった。エンジン吊りが終わって大峯は控室へと戻っていくわけだが、その途上でも多くの選手に声をかけられている。さらに着替えて勝利者インタビューへと向かう際にも同様。JLC専属解説者の松野京吾さんは山口支部の先輩。松野さんも嬉しそうに後輩の勝利を称えていた。インパクトの強い勝利というのは、見ている選手のテンションを上げるものなのですね。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)