BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――穏やかな春のピット

f:id:boatrace-g-report:20190418115932j:plain

 今節はずっと暖かな日が続いているが、今日は日差しも強く、昨日よりもずっとポカポカ日和である。1Rがピットアウトすると、吉川昭男が日当たりのいい岸壁に陣取った。ここは対岸のビジョンが見えるので、報道陣の観戦場所になっていたりもするのだが、そこに吉川も加わったわけだ。今日はここ、気持ちいいですもんね~。春の陽を浴びながら、吉川は神妙にビジョンに見入っていた。

f:id:boatrace-g-report:20190418120019j:plain

 2R発売中、ふとカポック着脱場のあたりに目を向けると、浅見昌克がストレッチ中。状態を大きく反らし、腰をぐるっと回転させる、という動きを何度かしていた。ラジオ体操にこんなアクションがありましたね。陽気がいいからといって、油断は禁物。しっかり体をほぐしてボディケア。浅見は3R出走、ということで、展示待機室に入る前のストレッチなのであった。体は気持ちよくほぐれただろうか。

f:id:boatrace-g-report:20190418120109j:plain

 そんなこんなで穏やかな3日目のピット。朝から選手たちはいつも通り、ペラ調整と試運転に精を出している。気になったのは平尾崇典。2日目までは最近見せる伸びがもうひとつであったが、熱心にペラ調整をしているのを見ると、もしや、という気にさせられる。2R発売中には試運転にも向かった。出るか平尾スペシャル。9Rが楽しみだ。

f:id:boatrace-g-report:20190418120146j:plain

 さて、1Rは三嶌誠司がまくり快勝! 畠山が推している13号機がついに結果を出した。勝負駆けに向けて、貴重な1勝である。一宮稔弘に笑顔で出迎えられると、頬がふっと緩んで微笑が浮かぶ。しかし、柔らかな表情だったのはその一瞬のみ。エンジン吊りから控室に戻るまで、三嶌の表情はキリリとあり続けた。もっとも、勝利者インタビューから帰ってきて池上哲二さんに祝福されたら、満面の笑みだったけれども。大先輩にほめられればうれしいよね。

f:id:boatrace-g-report:20190418120223j:plain

 2Rは今村豊が持ち味の全速スタート→一気に出ていってのまくりで快勝だ。これでなんとか勝負駆けはつながった。三嶌同様、大きな1勝だ。今村を笑顔で出迎えたのは西島義則。今村は大声で西島に語り続ける。ヘルメット越しなので、言葉自体は聞き取れなかったが、弾んだ声だった。真っ先にまくられた今村暢孝が笑顔で今村のもとへ。スタートについて振り返り合う。よく見れば、今村の目は笑っておらず、頬は緩めても表情自体は引き締まっていた。明日も厳しい勝負駆けには変わりないのだ。
 予選突破に向けては、今日が1日早い勝負駆けになっている選手もいる。3日目はけっこう大切な一日だ。三嶌も今村も、気分よく次走に向かうことができるだろう。

f:id:boatrace-g-report:20190418120311j:plain

 2Rで転覆した海野ゆかりは、途中帰郷となってしまった。レース中にレスキューはピットに戻り、「選手負傷」のアナウンスも流れたので心配だったのだが……。地元ビッグから離脱しなければならないのは、どれほどの無念だろうか。ケガも、心の痛手も、一日も早く快癒してほしい!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)