BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

初日イーブンで盛り上がる団体戦!

f:id:boatrace-g-report:20190608173748j:plain

 長嶋万記がニコニコと歩み寄ってきたので、11Rの快勝を祝福しようとすると、長嶋の意識はそこにはないのであった。12R終了後のことだ。
「今日、同点?」
 そう、団体戦初日は4対4で紅白イーブン。それを長嶋は面白がったのだ。12R、内枠勢のレディース3人がきっちり上位着を獲れば5対3のリードで初日を終えたかもしれないのだが、もちろん長嶋とてそれが理想ではあったのだろうが、イーブンという状況がこのシリーズを盛り上げることもよく理解していて、それを歓迎もしているというわけだ。初日としては、たしかに理想的な結末かも!

f:id:boatrace-g-report:20190608173945j:plain

 その長嶋が4カドから一撃を決めた11R、装着場のモニターでレースを見ていた香川が「456!」と小さく叫んでいる。長嶋のまくりに連動して、5コースの守屋美穂、6コースの樋口由加里で上位独占! 団体戦としては、実は上位独占でなくてもいいのである。1着2着、もしくは1着3着でいい。長嶋の勝利は確定的で、守屋もこれにうまく続き、この時点で女子にポイントが与えられるのはほぼ確定。最内を差した樋口が揉まれて後退したとしても、11Rはレディースの勝ちなのだ。
 それでも、やっぱり上位独占は気持ちいいもんね! これもまた団体戦の在り様、ということだ。単にポイントをゲットするというよりは、上位独占で爽快にゲットできればなお嬉しい。そして結果もその通りになって、目元がほころぶ香川なのであった。

f:id:boatrace-g-report:20190608174102j:plain

 12Rは山崎郡が5コースからまくり差し快勝。インの遠藤エミは残したけれども、山崎の攻めに連動して差した野中一平が浮上したことで、白組のポイントゲットは確定的になっている。ただ、装着場で見ていたルーキーズたちは、別に騒ぐこともなく、冷静にモニターを見ているのだった。ドリーム組はいわば自軍のスリートップが出ているわけだから、これくらいはやってのけて当然、という感覚だった? レース後の山崎は実に凛々しく、戦った5人に丁寧に挨拶をして回っている。後輩の大山千広や野中にも。むしろ同期の山田祐也には「ごめん!」と短くキリッと。同じ釜の飯を食った間柄には、これで伝わるのだ。

f:id:boatrace-g-report:20190608174139j:plain

 同期といえば、12Rの締切直前、水面際の岸壁に土井祥伍と清水さくらがしゃがみ込み、水面を見つめていた。先に土井がひとり、ここにたたずみ、同期が黄昏ている様子を見た清水が並んだというわけだ。

f:id:boatrace-g-report:20190608174210j:plain

 その後方には、やはり同期がいた。鈴木雅希と片岡大地の東京支部コンビ。二人の背中を眺めながら、ニヤニヤと悪い顔(笑)をしている。「あいつら、やべえだろ」「突き落すしかないな」と物騒な声が聞こえてきたぞ(笑)。抜き足差し足忍び足でそーっと近づいた鈴木と片岡は、土井と清水の背中を軽く押す。もちろん落ちない程度に(笑)。土井と清水はビックリ仰天! ダハハハハ、夕暮れのびわこでじゃれ合う117期生、でありますね。若いっていいなあ。
「お前ら、後ろから見たらやべーって!」「だって土井くんが黄昏てるんだもーん」なんてさらにじゃれてるところに、吉田凌太朗までやってきた。117期、勢揃いだ。同期の絆は永遠!

f:id:boatrace-g-report:20190608174248j:plain

 と言いつつ、今節は同期がいない選手ももちろんいる。特にオール世代から参戦しているレディースには多くて当然、五反田忍と森岡真希、細川裕子と廣中智紗衣、樋口由加里と遠藤エミという例はあるけれども、同期不在の参戦も多い。そんななか、大豆生田蒼は埼玉支部からも単独参戦。111期なので、ルーキーズの最年長である112期とは養成所でかぶった時期があるはずだが、とにもかくにも孤軍奮闘の今節なのである。あ、もちろん孤立してるとかいうわけじゃありませんよ。
 その大豆生田が8R快勝。最高タイム差で女子の初日トップ! まあ、予選突破ウンヌンを口にするには早すぎるけど、まずは幸先いいスタートだろう。男女ともに、準優進出は6人のみという狭き門。早いうちにアドバンテージを奪うのは重要である。超強力布陣の女子だが、B1級の大豆生田が台風の目になってきたら面白くなるぞ!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)

f:id:boatrace-g-report:20190608174351j:plain

 長嶋の帰還を真っ先に出迎える西坂香松。長嶋も91期単独参戦、そして西坂は90期単独参戦。養成所で訓練期間が半分かぶっていた二人であります。