BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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びわこレディースvsルーキーズTOPICS 4日目

 後半戦を振り返る前に、前半終了時点の準優ボーダー争いを整理しておこう。レディース組はまったく予断を許さぬ大混戦! 当確または可能性のある選手はご覧の通り。
★6R終了時の節間成績
①樋口由加里 8・40
②大豆生田蒼 8・00
③山川美由紀 8・00※予選了
④守屋美穂  6・80
⑤遠藤エミ  6・80
⑥長嶋万記  6・40
⑦香川素子  6・40
⑧渡辺千草  6・20
⑨今井美亜  6・17
⑩大山千広  6・17
⑪小野生奈  6・17
 1位~3位までが当確で、それ以下の8選手で残り3議席を奪い合う感じ。団体戦どころじゃないな(笑)。一方、ルーキーズの方は予想よりもはるかにハイレベルなボーダー争いになった。
★6R終了時の節間成績
①山崎 郡 8・80
②吉川貴仁 8・40
③渡邉 翼 8・00
④山田晃大 8・00
⑤野中一平 7・50※予選了
⑥松山将吾 7・00※予選了
⑦竹田和哉 7・00※予選了
⑧浜先真範 6・80
 山崎と吉川が当確で、3~8位の6人で4議席を争うというレディースよりもシンプルな構図になった。で、この時点で最終ボーダーはほぼ間違いなく「7・00以上」。戦前の想定6・67を大幅に上回る展開となっている。後半戦の想定ボーダーをレディース=6・33、ルーキーズ=7・00としてレースを振り返ろう。

7R=吉川がトップ争いから一歩後退

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 勝負駆けレーサーのいない一戦。今節は転覆などで精彩を欠いていた白組のエース山田祐也がなんとかインから逃げきった。で、このレースの結果次第でトップ当選の可能性が広がる②吉川貴仁は、2コースから捌ききれずに4着。前半の鬼足からすると期待外れの4着だったが、2コース差しはパワーがあっても難しい、と納得しておこう。代わって③松尾充がキッチリ2着を取りきり、白組が盤石のサービスキープを決めた。4連続ブレークの流れを断ち切ったという意味では、大きな1ポイントかも?
★団体戦…紅組12-15白組

8R=万記の激辛2番差し!

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 このレースの勝負駆けは③長嶋万記と④渡邉翼。前半で凄まじいまくり差しを決めた翼の4カド攻撃を、万記がガッチリとブロック。さらに激辛の2番差し(いつもの3コース万記からすると珍しい戦法。団体戦を意識していたかも?)で翼の差し場を消し、絶対必要条件の3着をゲット。一方、5着あたりでルーキーズ準優が濃厚だった翼は、ターンマークに激突して転覆。選手責任外ではあったが、6・67で一気に圏外へぶっ飛んだ。
 1着は2コースから差した大豆生田。1Rに続く見事な連勝で予選成績を8・33まで飛躍させ、レディース準優の「2号艇以内」が確定した。11Rの④樋口由加里が勝たない限りは紅組のトップ当選で、ルーキーズを含めての節間トップの可能性も浮上した。
★団体戦…紅組13-15白組

9R=シリーズの流れを変える逆転?

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 このレースの焦点は④渡辺千草の準優ボーダー勝負駆け(2着で断然優位)と②山崎郡のシリーズリーダー勝負駆け(1着確定、2着は11R樋口の結果待ち、3着なら大豆生田を下回る)。2コース山崎が節イチパワーで押しきるかに見えたが、3コースの石丸海渡が強烈なツケマイで大本命を撃破! 初戦の転覆~ピストン交換などで機力劣勢だった石丸だが、A1レーサーのスピードを見せつけた。パワーアップに成功したかどうかは微妙だが……。

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 もつれたのが2着争いだ。2コースから差した山崎がバック2番手を取りきったかに見えたが、2着勝負に燃える千草が2マークで渾身の好旋回を繰り出して逆転。貴重な8ポイントを加算して6・50とし、準優入りに大きく前進した。一方、3着に敗れた山崎はシリーズリーダーの可能性が消滅。ルーキーズの暫定トップはキープしたが、「12Rの⑤山田晃大が勝てば2位陥落」という立場になった。この2番手→3着の結果が、シリーズ全体に大きな影響を与えるかも? 団体戦は白組がサービスキープ。
★団体戦…紅組13-16白組

10R=大波乱&大会初の痛み分け

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 昼過ぎから徐々に強くなりはじめたホーム追い風の悪戯か。このレースで唯一の勝負駆けだった③小野生奈(2着で6・50)がスリットの臨界点を突破、コンマ03のフライングに散った。さらに④森照夫⑤橋本明⑥鈴木雅希のルーキートリオも一線を越え、まさかまさかの4艇F!!!! 団体戦は双方Fによる痛み分け(人数の多少は不問)となり、第3回目にして初のノーカウントが適用された。この4人のFが明日の団体戦に与える影響も、それなりに大きいことだろう。ちなみに生奈は8月のSGボートレースメモリアルまで斡旋が入っており、それが不幸中の幸いと言うべきか。
★団体戦…据え置きの紅組13-16白組

11R=逆転判決

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 このレースの勝負駆けは外枠の紅組3選手。とりわけ重要なキーウーマンは④樋口由加里だったか。このレースで1着ならばレディース組のみならず全体のシリーズリーダーに。2着以下なら、その座を後輩の大豆生田に明け渡すという勝負所。樋口は4カドから果敢に攻めたがインの岩橋裕馬を捕えきれず2着。この瞬間、レディース組のトップは大豆生田に決まった。また、地元の団長として予選突破を目指した⑥遠藤エミ(3着目安)はコースの遠さを克服できずに4着まで。6・33ながら、ほぼ絶望的な暫定7位で予選を終えた。
 それから、このレースの団体戦でもレアな珍事が起きている。ほぼほぼ1着が必要だった地元の⑤香川素子が、2周1マークで引き波に足を取られる形で転覆(選手責任でこのレースの紅組ポイントから2点減点)。で、レース自体もルーキーズが1・3着をキープして「白組の圧勝」と思っていたらば、レース後に大逆転の判決が下された。3着・吉田凌太朗が待機行動違反(割り込み)を取られたのだ。本大会のルールは責任転覆は減点だけだが、フライング、妨害失格、待機行動違反は相手チームにポイントが移る。凌太朗の罰則が優先される形で紅組の逆転勝利となった。
★団体戦…紅組14-16白組

12R=“スーパースター”の底力

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 例によって最終レースは勝負駆けのてんこ盛り。メンバーそれぞれの事情を記しておこう。
①大山千広…2着で6・50
②今井美亜…2着で6・50
③守屋美穂…3着で6・67
④浜先真範…2着で準優当確
⑤山田晃大…5着で準優当確、1着でシリーズリーダー
⑥彦坂真太郎…―
 大混戦だったレディース3人はもちろん、浜先にとっても準優が懸かった大一番だ。さらに山田は、もうワンランク次元が上の勝負駆け。山崎郡も樋口由加里も決めきれなかったシリーズリーダーへ、1着ならば鷲づかみにできる。逆に2着以下なら、節間トップの座は紅組の大豆生田に明け渡される。つまり、大豆生田に「逃げ~逃げで優勝」という王道の権利が発生してしまう。
 まあ、そこまで深く考えたかどうかはともかく、それぞれの勝負駆けを背負った大一番がスタート。3コースの守屋がスリットから伸びなりに攻めたが、イン大山がシャープなインモンキーでこの攻めを交わして準優へのゴールを駆け抜けた。自力で仕掛けた守屋も道中の混戦を好ターンで捌きまくって2着確保。この直前まで暫定6位だった長嶋万記は惜しくも次点に追いやられた。節間トップを狙った山田は展開がなく4着に敗れたが、準優の座席はしっかりとキープした。

4日目の団体戦
紅組4-3白組(1無効)

総合ポイント
紅組1516白組

 11Rの大逆転もあって団体戦は1点差の白熱した展開に。明日の団体戦(1~8R)は紅組の内枠が5回、白組が3回となっており、それぞれが内枠の利をキープし合うだけで20対19と紅組がリードすることになるのだが、いかに?(photos/チャーリー池上、text/畠山)