BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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準優ダイジェスト

逃走グラッツェ

11Rルーキーズ準優
①山崎 郡(大阪)12
②野中一平(愛知)11
③山田晃大(滋賀)08
④吉川貴仁(三重)11
⑤松山将吾(滋賀)11
⑥竹田和哉(香川)16

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 今節のルーキーズの大将格・山崎郡がインから危なげなく押しきった。スリットはほぼ横一線。起こしからの勢いは2コース野中、3コース山田の方が力強く見えたが、そこから伸び返す足が強烈。3日目あたりからの郡の足はやや手前に寄せた感があり、2日目までのパンチ力がダウンしたと見ているのだが、イン戦ならば今日の足で文句なし。2コースも今日の前半で“予行演習”を終えているが、どちらの枠になるかは12Rの結果次第だ(後述)。

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 2着は4カドの吉川貴仁がこれも1マークからすんなりと抜け出した。こちらの足は初日から行き足~伸びが抜群で、今日もスリット直後から持ち味を発揮。カド受け・山田を煽る勢いで直進し、狙いすました最内の二番差しで野中らを捕えきった。もちろん優勝戦でもストレート足はトップ級。スリットから覗けば、得意の差しハンドルで勝ち負けに持ち込むパワーを有している。

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 3着は野中。今日の足が節間でいちばん力強く感じた。展示タイムも大幅に良化していたから、直線を中心にパワーアップに成功したのだろう。F持ちでもここ一番は怯むことなく踏み込むタイプ。今日のストレート足を維持すれば、外コースからのダッシュ一撃も想定しておきたい。

モンスターの気配

12Rレディース準優
①大豆生田蒼(埼玉)15
②樋口由加里(岡山)16
③山川美由紀(香川)15
④守屋美穂(岡山) 14
⑤大山千広(福岡) 11
⑥渡辺千草(東京) 15

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 天晴れと言うしかない。シリーズリーダー大豆生田が1号艇の重圧もなんのその、鮮やかなインモンキーで圧勝した。40号機のパワーに関しては、詫びを入れる必要がありそうだ。3日目まで私の評価は中堅上位。「悪くはないが」程度の認識だったが、昨日の連勝で大幅な修正を強いられた。勝ちっぷりも強かったし、1Rの勝ちタイム=1分48秒1も節間トップ。

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 そして今日の8R、2コースから逃げる遠藤エミをあわや差しきるかに見えた鬼足を見て完全に脱帽した。どのレースもスリットからグイグイ出る感じはないので、完全な出足型。ただ、その出足系統がモンスター級なのだろう。今日の勝ちタイムは昨日のそれをコンマ4秒も縮めて1分47秒7。8Rの遠藤エミと並ぶ節間レコードで、11Rの山崎郡よりジャスト1秒も速いものだった。本当に、選手も40号機も天晴れの一語! この勝利で明日もまた1号艇をゲットした大豆生田。自身2度目の優勝のみならず、団体戦12ポイントという特別な一戦で、今日と同じレースができるか。明日の最大のライバルは白組ではなく、自分自身になるだろう。

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 2着は4カドから差して捌いて浮上した守屋。守屋52号機の自慢は行き足~伸びで、大豆生田とは対照的な仕上がりだ。今日もチルトを跳ねて自慢の伸びを特化した感がある(展示タイムは今日イチの6秒65!)。実戦はさすがに内3艇の行き足も素晴らしく、二番差しから捌きに徹するレースを強いられた。

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 が、昨日もそうだったがターン回りの気配も上々で、ポテンシャルの高さを感じさせるパワーだ。明日も4カドになりそうな守屋がチルトも含めてどんな調整を心掛けるか。キーになりそうなポジションでもあり、直前の気配に目を光らせたい。

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 そしてそして、大激戦の3着争いを制したのは大山千広。3日目までの足はかなり劣勢で、昨日あたりでやっと中堅レベルまで持ち上げたか。今日の渡辺千草とのデッドヒートも、パワーだけで言うなら明らかに千草が圧倒。ターンの出口からの押し足が桁違いに見えたものだが、そのハンデをすべて外から外への凄まじいフルスロットルターンで克服した。

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 明日の千広は6号艇。パワー自慢のファイナリストの中で完全劣勢は否めないが、前検~初日のワースト級から這い上がってギリギリ戦える範囲の足にはなったと思う。ならば、この娘には近い将来SGファイナルでも通用するであろうアレがある。明日の道中でも、その片鱗は随所に垣間見られることだろう。(photos/チャーリー池上、text/畠山)