BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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多摩川グラチャンTOPICS 4日目

THE勝負駆け①予選トップ争い
大逆転の“ピン”決着!!

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 朝の速報でも触れたが、1Rの太田和美が鮮やかな4コースまくりを決めた瞬間、予選トップ争いは非常に緊迫した勝負駆け状況となった。とにもかくにも、太田の7・80を超える。これがランキング上位選手の最低条件になったのだ。1R終了時点のランキングと「太田超え」の条件はこうだ。

①峰 竜太…2・3着
②守田俊介…2・2着
③柳沢 一…2・2着
④太田和美…7・80確定
⑤中野次郎…1・2着
⑥白井英治…1・2着
⑦毒島 誠…1・2着

 トップ3はすべて5・6号艇が残っており、まったく予断を許さぬタイトな条件だ。時系列でそれぞれの成績を追ってみよう。

2R
 6号艇の中野がSGでは超レアな前付け! もちろん、太田の7・80縛りを意識しての強攻策だろう。4コースに潜り込んだ次郎はスタートも目一杯のコンマ02まで踏み込んだが、1マークの展開がなく3着まで。この瞬間に太田超えの可能性が消失した。

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3R
 3号艇・守田と6号艇・峰の暫定2トップが登場。ここでも7・80を意識したであろう峰が前付けに動き、守田がそれを許容して4コースに構えるというレアな入れ替えが見られた。レースは①木下翔太が逃げて②徳増秀樹が差しての内寄り決着に。3番手は守田が優勢だったが、2周1マークで一瞬の隙を突いて切り返した峰が逆転の3着ゲット。守田のトップは消滅し、峰は10R5号艇に望みをつないだ。

4R
 4号艇の柳沢が4カドから差して捌いて最低ノルマの3着入線。とりあえず12R5号艇の①着で太田超えという可能性を残した。

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5R
 まだ勝ち星がない3号艇の白井が逃げる土屋智則をとことん追っかけ回して執念の逆転1着! 12R1号艇に大きな弾みとなる10点をもぎ取った。

6R
 予選トップへメイチ①①条件の毒島が4コースから差したが、新田&小野の好枠勢を捕まえきれずに3着まで。11R1号艇へ望みをつなぐことができなかった。

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10R
 予選トップの可能性を残すのは峰、白井、柳沢と1Rからひたすら結果待ち状態の太田の4者に絞られた。そして、この10Rは自力の権利を持つ暫定トップの峰が登場。5号艇で①着なら文句なしのトップ確定。②着でも太田を超えられるが、12Rの白井に自力の権利が移るという今日イチの重要な勝負駆けだ。結果は……
 3号艇の吉田拡郎がピット離れで遅れ、望外の4カド発進となった峰。スリットほぼ同体からセオリー通りの二番差しを選択したが、逃げる田村隆信と差した秋山直之には届かずバック4番手まで。ここから無理に追い上げようとしたのが裏目に出で、最終的に6着大敗で予選を終えた。

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12R
 大本命と目された峰が失墜したシリーズリーダー争い。こうなると、1号艇・白井英治が断然有利と誰もが思ったことだろう。逃げれば文句なし、②着でも5号艇の柳沢が①着を獲らない限りはトップ当選だ。
 だがしかし、勝負は下駄を履くまでわからない。スリットほぼ同体に見えた4カドから今垣光太郎が十八番の絞めまくり! 瞬く間にイン白井まで呑み込み、これを徹底マークした柳沢がまくり差しで鮮やかに突き抜けた。神様仏様光太郎様という展開の勝利ではあったが、終わってみれば柳沢が予選の頂点に立っていた。2位の太田和美、3位の白井英治も準優1号艇をゲット。本命の峰は10位という大番狂わせの最終結果となった。


THE勝負駆け②準優ボーダー争い
SG3連覇へのグリーンカポック

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 一方の準優ボーダー争いは6・00を巡る熾烈な攻防の果てに、昨日のトップ18から3選手が入れ替わった。もっともランクを上昇させたのは田村隆信だ。4Rは2コースからイン石野貴之を豪快に差しきり、10Rはインから鮮やかに逃げきってピンピン連勝! 昨日の27位から15人ゴボー抜きで12位に飛び込んだ。

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 昨日まで26位だった徳増秀樹も、田村と同じ2・1号艇の好枠を十二分に生かしきった。差して逃げての連勝も田村と一緒。最近、いつでもどこでも噴くイメージがある徳増だけに、5号艇の明日も侮れない存在と言えるだろう。

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 そしてもうひとり、下剋上という意味では7R6号艇の吉川元浩がもっとも峻烈な勝負駆けだったかも。SG3連覇が懸かる吉川(②着条件)は慌てず騒がずすんなりの6コースを選択。1マークはさすがに遠く、最内を差してのバック4番手が精一杯だったが、2マークの小回りターンで3番手に浮上。さらに2周1マークは内の丸岡正典に強烈な全速のツケマイを浴びせて絶対ノルマの2着をもぎ取った。SG3連覇へ、明日の準優も「6号艇②着条件」となった吉川がどんな戦法で難関に挑むか。相手はさらに強化されるが、勢い&パワー的に不気味な存在とお伝えしておこう。
 一方、昨日のトップ18から脱落した茅原悠紀と岡崎恭裕は、ともに劣勢パワーでの6号艇一発勝負。あまりにも険しいハードルだったと言わざるを得ない。そして、準優でも勝ち負けできるパワーだった選手班長の長田頼宗は、7Rの2周1マークで山崎智也に突っ込む形となって不良航法(減点7)……地元の気合と上位級パワーが合体したパフォーマンスを、準優のステージで観たかった。残念無念!(PHOTO/シギー中尾 TEXT/畠山シュー長)