BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

とこなめオーシャンカップTOPICS 3日目

部品のリターンマッチ

 まずは、今節の(勝手に)ツートップの報告から。

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★瓜生正義57号機
 レースとしては地味というか、特筆すべきものはほとんどなかった。3Rは5コースからスリットで覗き、昨日同様のスピーディーなまくり差しを選択したが前がどん詰まりで後退。道中の競り合いでも茅原悠紀の切り返しを喰らって4番手まで。転覆艇が出たためそこで着順が決まったが、できればその先の攻防を見届けたかった。
 後半7Rは4カドから正攻法の2番差しですんなり2着キープ。後続を寄せ付けぬパワーはやはり安定感抜群で、全部の足が強力なバランス型と見ていいだろう。今日の4、2着で暫定1位の座を菊地孝平に譲ったが、明日の12Rを逃げきれば8・67という高率で予選フィニッシュ。5、6号艇が残った菊地より断然有利な立場だとお伝えしておく。

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★毒島誠7号機

 まず、5Rは2コースから電光石火の差し抜け圧勝。2コースの差しが利きにくいとこなめにあって、ハンドルを入れた瞬間に「刺さった!!」と分かる見事なパワー&スピードだった。後半12Rも凄まじい。4コースからの差しはイン太田和美に惜しくも届かず、しかも2マークの初動でバランスを崩して太田とは5艇身差の2番手まで。誰もが2着確定と思える位置から追って追ってグングン差を縮めて、最後はあわや逆転かという1艇身差まで追いつめてしまった。太田の足も中堅上位はありそうだから、このド迫力の猛追は7号機のポテンシャルの高さを知らしめるに充分だった。エンジン本体から漲るパンチ力という点では、今日は瓜生よりコッチが上と見ていいだろう。

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 明日の11R、毒島に残された枠番も1号艇。しっかり逃げきれば8・33で、おそらく準優も白いカポックが想定される。瓜生57号機も毒島7号機も、よほど進入争いやスリット隊形がもつれない限り2日連続で逃げきることになるだろう。このツートップに鈴を付けに行く選手、脅かすパワーを秘める選手は誰か。シリーズ後半は、そんな選手を探索することに時間を割きたいと思う。現状で、パワー的にもっとも不気味な存在は……この選手については明日いろいろ書きそうなので、今日のところは秘密にしておこう。えっ、なんかバレバレっすか??(笑)。

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 さてさて、今日イチのサプライズレーサーと言えば、市橋卓士で決まり! 昨日のセット交換がまったくヒットしなかった市橋は、今日もセット交換に踏みきった。連日のセット交換といえば「元に戻す」というケースがほとんどで、ならば極端に良化する道理はないのだが……6号艇の6Rはいきなりピット離れがきて、あっと驚く2コース奪取!!!! しかも、昨日までとは別物の鋭い出足~行き足で、出足の鈍いインコース金子拓矢を一気に叩き潰した。重成一人のマーク差しを喫して2着ではあったが、3連単500倍弱の立役者となった。
 さらに後半10Rも、4号艇から強烈なバナレ飛びで楽々の2コースGET。イン菊地の逃げは許したものの、井口佳典との競り合いを制してまたまた2着をもぎ取った。なぜ連日のセット交換で急にバナレ飛びがきたのか、なぜ出足~行き足もパワーアップしたのか、は明日の宿題として、とにかく明日からもピットアウトから一時も目が離せない存在になった市橋なのである。うーーーん、実になんともレアなパワー変動ではあったなぁ。

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 そうそう、馬場貴也は同じ部品を3日連続で交換してやっと「当たり」を掴んだ。初日のギヤケース交換でイン逃げ→昨日もギヤケース交換で大差の6着という悪い流れから、今日もギヤケース交換で明らかにレース足が強化されていた。で、今日の交換は「初日に交換したギアケースに戻した」という情報も入っているから、簡単に言ってしまうと「昨日のギアケース交換は選択ミス、元のままの方が良かった」ということになる。部品交換は検査手術に似ていて、実験的に1個または複数の部品をとっかえひっかえしながら「悪い患部はどこか」を探り当てるケースが多い。昨日の馬場は、悪くない内臓(ギヤケース)にメスを入れてしまったわけだな(笑)。もちろん、明日からも要注意!(photos/シギー中尾、text/畠山)