BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――1号艇の気合

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 朝から熱い! オーシャン5日目。1Rの2番手争いが、まあ激しかった。松尾拓、森高一真、上條暢嵩がとっかえひっかえの大競りバトル。いざ目の前に敵がいれば、勝ち上がり戦も敗者戦も関係なく、選手は燃える。森高など、自分の舟券を買ってくれている人がいる限り、ひとつでも着を上げようと必死になるタイプだ。いやあ、朝からいいバトルを見せてもらった。

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 そのとき先頭を走ったのは、地元の河村了。SG初1着おめでとう! ピットでは、次々に仲間たちから祝福の言葉をかけられて、笑顔を返していた。すぐ5Rに出番が回ってくるので、愛知勢が手早く艇旗艇番を付け替える。そして、輪になって水神祭の相談を始めてもいた。どうやら赤岩善生が無茶ぶりをしていたらしく、河村は「いやいやいや!」とツッコミ。今やれ、って言われたのかな(笑)。で、結局は11R終了後、ということに決定。すなわち、池田浩二待ちである。

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 池田はもちろん11R1回乗り。河村は5Rで出番が終わるので、その直後にやってもよさそうなもの。幸いというか、6Rには愛知勢の出走がない。それでも池田のレース終わりまで待つ、ということは、池田の調整時間を水神祭に割くわけにはいかない(あるいは池田が割きたくない)ということになるだろう。それだけ、池田はここに賭けている。池田にとってはどうしたって、とこなめオーシャンは特別なレースなのだ。

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 もちろん、「蒲郡の看板を背負う」とよく口にする赤岩善生だって、とこなめSGは地元SG。いつだって気合の入っている男だが、ここはもう一段ギアを上げているだろう。赤岩と柳沢一が10Rに出走するので、河村の水神祭は池田待ちというより「地元勢の準優待ち」といったほうが正確か。今日ももちろん、調整の手をいっさい緩めることのない赤岩である。

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 準優1号艇では毒島誠も朝から準備怠りなく作業をしていたが、その合間には報道陣が次々と毒島を囲んでもいた。それらに穏やかな笑顔で丁寧に接している毒島。その様子は、毒島の人格を示すものでもあり、またリラックスした様子をあらわしているものでもあり。毒島は今月末、昨年につづいて鈴鹿8時間耐久ロードレースに「MotoMap SWAT」の総監督として参戦する。昨年はオーシャンを制し(さらにその後の平和島周年も制し)、大きなお土産を手に鈴鹿に乗り込んだ。今年ももちろん再現を目論んでいるはず。まずは準優を確実に突破したいところ。

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 予選トップの瓜生正義は2R発売中に着水。早めの始動にも見えるが、瓜生としてはそれほど珍しくないとも言える。早めに手応えをつかみ、マイペースの調整に持ち込んでくるだろう。このあとのルーティンは、10R発売中のスタート練習のあと、いったんボートを陸に上げること。ほとんどの選手はそのまま係留所につなぐのだが、瓜生は必ず陸に戻すのだ。準優が始まる前、瓜生のボートはきっと装着場にある。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)