BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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浜名湖ボートレース甲子園TOPICS 3日目

ゴールドラッシュ!!

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 ボートレース未開の雪国で生まれ育ったフロンティアレーサーたちが、浜名湖の水面でグングン配当を跳ね上げた。MVPは、山形代表の多田有佑だ。まずは5Rで3着入線。2号艇で3着だから威張れる成績ではないが、猛追する井口佳典を全速の外マイで交わしたスピードは唸らせるものがあった。配当が凄い。2連単①-④は本命サイドの610円なのに、3連単は約12倍の7210円! ちなみに井口が3着なら1110円だった。
 圧巻は後半10Rだ。このレースは①白井英治-④池田浩二に票が群がり、5号艇の多田は完全にノーマーク。ところがスリットでやや凹んだ5コースから全速のまくり差しでバック2番手に浮上したのだ。正直、1マークの出口から誰かしらが凄まじいスピードで抜け出したのを見て、私はそれを池田だと疑わなかった(←6コースの三浦敬太だけに注目してました、はい)。
 さっすが池田、役者が違うわ。
 などと呆れていたのだが、そこでカポックの色が違うことに気づいた。青ではなく、黄色。

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 タ、タ、タダーーーッッ?????
 驚いたのなんの。あとでリプレイで確認したらば、多田は内の池田を全速のツケマイで引き波にはめつつ狭い間隙をシャープに割り差していた。インの白井には届かなかったが、攻め潰した相手が相手だけに「大金星」と言っていいだろう。すべての山形県民に見てほしい凄まじい1マークだった(見てなかったけど><)。3着に道産子の三浦を引き連れた3連単①-⑤-⑥は22470円の特大ピンマンに。ちなみに多田と池田が入れ替わった①-④-⑥なら3番人気の1040円(笑)。北国旋風恐るべしと言うか、この舟券を①-全-⑥なんかで的中させたファンにとっては、まさにゴールドラッシュと呼ぶべき配当だったことだろう。残念ながら準優は絶望的な多田ではあるが、今日の好旋回を見る限り、まだまだその体内に太い金脈を宿しているとお伝えしておこう。

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 準MVPは、待ってましたの道産子・三浦敬太。今日の敬太は朝の2レースから覚醒モードに突入した。4カドからコンマ08、一撃まくり! このレースは珍しく地元にして岩手代表の2コース菊地孝平がコンマ27とタイミングを逸した。3コースのまくり屋・篠崎元志がそれより1艇身近く覗いていたから、外の敬太には「元志先輩を行かせて差す」という戦法も有力だったはずだ。
 が、瞬時に敬太が選んだのはもっとも攻撃的な絞めまくり。スローの元志が伸び返す前に激しく絞め込み、内3艇をまとめて引き波に沈めた。これぞ同郷・熊谷直樹直伝のベアーナックルまくり。大志を抱いた青年に、こざかしい頭脳プレーは似合わない。ここ1年ほどで獰猛に攻めるようになった敬太らしい、天晴れな絞めまくりだった。

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 で、後半10Rは前出・多田と鉄壁の雪国ラインを築いて6コースから3着ゲット。多田の好旋回ばかりが光るレースではあったが、敬太のほぼ全速に近いブイ差しも相当な迫力だった。あれだけ思いきりのいい握り込みができるのだから、パワー的にも準優で通用するはずだ。明日の敬太は7R2号艇で②着が欲しい(③着の6・40では心細い)。瓜生、峰、憲吾などなど強敵揃いだが、真っ向勝負で準優チケットをもぎ取ってもらいたい。

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 もうひとり、秋田代表の高橋直哉も4Rで配当を跳ね上げた。3コースから内の吉川元浩に全速の握りマイで引き波を浴びせつつ、道中では3番手の中島孝平を寄せつけずに2着入線。GP覇者ふたりを手玉に取ったターンスピードは高く評価していいだろう。こちらの配当的な妙味は2連単①-③の1640円だな。中島2着の①-⑤340円を5倍も上回ったのだから。

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 雪国以外の未開地レーサーに目を向けると、岐阜代表の野中一平の奮闘も目立った。昨日までの6・6着から今日は6号艇と4号艇で3・3着。前期はF2と事故パンに苦しみ、持ち前のスタート攻勢を封印する日々を強いられた。今節もF持ちで浜名湖入りしたが、一本ならば蚊に刺された程度にしか感じない男。昨日も今日もコンマ08まで踏み込んだ一平が、さらにキワまで攻めるシーンも想定しておきたい。

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 最後の〆は、薩摩おごじょの藤崎小百合。今日の1Rはインから逃げきれずに3着まで。悔しいイン戦で終わったが、後半7Rは2着に食い込んで144倍ピンマンの立役者となった。1周2マーク、前本vs菊地の大競り(菊地は2度目の不良航法で賞典除外、前本は負傷帰郷)で展開ズッポリの2着とはいえ、不気味なパワーを感じさせる道中でもあった。おそらく昨日のセット交換(今節の第1号、良いセットがもらえた?)が当たりだったはずで、明日以降も常にゴールドラッシュを警戒しておきたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)