前検日ピットの記事に福岡支部、初日前半ピットでは愛知支部の話を書いた。できれば幅広く出場選手を取り上げたいので、初日後半はどの支部を取り上げようかと考えながらピットにいた。ところがまぁ、福岡支部が勝つこと勝こと。
5Rを逃げ切ったのは深川麻奈美。スタートでやや後手を踏み、攻められそうになったのだが、このインがほどけそうでほどけない。インの利を最大限に生かして、1マークを僅差でしのいで逃げ切り勝ち。技ありの勝利といっていいだろう。
枠なり進入全盛の女子戦に、G1初参戦の藤原菜希が(本人はそんな気はなさそうだが)一石を投じたのが6R。ただ進入隊形がなりから変わってもイン魚谷香織は慌てず騒がず。コンマ04トップスタートから勝利。
そして7Rは上位機64号機を操る大山千広が豪快な4カドハコまくりで1着。2回乗りの11Rでは展開的には今井美亜にヤラれていたはずなのだが、ターン後に機力で突き放して連勝を果たした。
8Rも3号艇の日高逸子がスリット後に一気に攻められそうな態勢になる。しかしここからインが伸び返して攻めきれず、惜しい2着。さすがに福岡4連勝とはいかなかった。日高はピットに上がってくると、
「行き足はいいんだけど伸びがね……」
と側にいた角ひとみに足の状況を説明。
かつての福岡支部の女子といえば、日高逸子が孤軍奮闘しているイメージがあったが、今は4000番台以降の充実度がすごい。
「福岡のネタばかり使うのは何だかなぁ」とネタを探すべくペラ小屋に目をやると、偶然にも目が合ったのが渡邊優美だったりする。9人も出場しているのだから、活躍が目立つのも当然なのかもしれないが。
9Rは東京支部の廣中智紗衣が2コースから勝利。ようやく福岡の連勝が止まった。というかこのレースに福岡の選手はいなかった。ただインがやたらと強い今日の蒲郡水面で、前年度覇者の山川に勝利したのは大きい。
10Rは好モーター48号機を引いた松本晶恵が逃げ切り勝ち。前半戦は見せ場なく5着。本人も「前半はいいところを出し切れなかった。後半はペラを自分の形に叩きなおしたのが正解。グリップ感が出た」とコメント。
引き上げて来たときの表情は、喜びを爆発させるというよりもインをしっかりモノにできた安堵感が漂っていた。
むしろ10R組でレース後に笑顔をみせていたのは佐々木裕美だ。佐々木は10Rの1回乗り。しかもプロペラ破損のため新ペラでレースに挑んでいたのだが、このペラで方向性が掴めたようである。
そしてドリーム戦。昨日から本体整備に勤しんだ小野生奈が、ピストン2本、リング4本、シリンダケースを好感して登場。不安を払拭るイン逃げでドリーム戦を勝利。
蒲郡レディチャン初日は、地元・愛知勢の活躍で幕を開き、後半は福岡祭りに終わった。明日もこの勢いが続くのか、それとも今日成績が悪かった選手が巻き返すのか。
(TEXT姫園 PHOTO中尾茂幸)